本編は添花を主人公として完結していますが、
これには前日譚があります。
本編の少し前、添花が訪れた地区でのエピソード。
主役はひとりの霊で、彼女が成仏するまでの短編。
自分が霊だという自覚があり、
成仏する気もある。
霊媒師とか除霊師に成仏させてもらおうとしても、
なぜかできない。霊の力が強すぎるらしい。
みんなにお手上げされて途方にくれ、出会ったのが添花。
霊の未練を晴らすことで成仏を促す添花なら、
霊力関係ないかと思いきや。
未練どころか出身の町も自分の名前も忘れている霊。
添花は決して霊を投げ出さず、
記憶を戻し、未練を知るために奔走した。
霊は、町で一番の霊力があったため、
巫女の役割を課せられた人だった。
町で一番でも、地区では最弱で。
占いもそんなに当たらなくて。
いろいろ嫌になっちゃった。
そうして、自ら命を絶ち。
最後に聞いた声は、自分への呼びかけだけれど。
巫女になる時、名前は失った。
悲痛な叫びも、○○代目では…。
彼女の未練は、かつて失った名前。
霊力の高さゆえ、いつか失うかもしれないから、
それまでは気に入るようなものをと、
両親が考えた名。それが、思い出せない。
所により腕力に訴えながら、
添花は巫女の家族を探し出して、
失った名前を返す。
そんな感じの話。
そのうち、カクヨムに移植してもいいかも。