昨日のzoomイベントも、なにかのコンテストの対談企画も、どれも編集者さまたちのおっしゃられることは共通していて「面白ければなんでもOK、だから書けよ、オラッ!」ってこと。
モノ書きならみんな一度は真面目に考えてみるその「面白さ」って一体何よ?
ある作品を読んで「ああ、すげー面白かった」と、その作品がとっても面白いことははっきりと分かる。でもさ、その「面白さ」の要素? みたいなものって何? コンテストなんかで編集者さまの求める「面白さ」って何だよ?
まあ、考えても行き着く先はだいたい同じで、みんな自分の面白いは違うんだから仕方ない、だから自分の面白いを貫くぜ! ってことになるんですかね。そして時間を置いてまた「面白い」って何だっけ? と悩みこんでみたり。
そんなの関係なしにどんどん面白いものを書いて評価されてしまう才能溢れるひとは、どっかいっててください……。昨日の今日でそんなことを思ってみたり。
昔は小中高生を前に一斉授業をしていましたから、執筆以前からこの「面白さ」ってものについては考えることも多かった。子ども相手だと別にスベっても構わないのですが、保護者たちに足を運ばせての説明会、懇談会とかの場合は必死(なぜか医者や教員が多かった)。
この面白さには種類があるわけで、お笑い的な「面白さ」と興味深いと思わせる「面白さ」(他にもあるでしょうけど)とかあったり。後者は人それぞれ様々なものに興味を持っているわけで、そこにヒットできれば成功ですけど、はずすとキツイ。(準備があれば)聞き手の様子をみながら内容を調整したりと苦労がたえない。
昨日のもそうですが、説明会だと相手が何に興味があるかは予測できますから、準備はいくらでもできる。さらに属性が絞り込めていればその人たちが喜びそうなネタを準備していけばいい。自分が教えている生徒の保護者たちの場合はお互い結構な頻度でコミュニケーションをとっているので、なんとでもなった。たまに完全アウェイのところで説明会的なものをやらされることがあって、大手生保レディたちを前にしたときは生きた心地がしませんでしたね。
カクヨムコンの一般読者さまって、そっちですね。無名の底辺作家の作品なんて、クリックしていただけるだけで有り難い。さらに一話、二話と読んでいただけたら天にも昇る気持ちに。まあ、その初動のクリックに持っていくのが大変で、そのためのタイトルやあらすじやキャッチコピーなのでしょう。あと投稿時間や親切などこぞの方の自主企画(本棚系)で露出をとか。
そこまでたどり着いてもこの「面白さ」がヒットするか……。ネット小説ははじめの数話勝負だとかどこかの誰かが言っていたし。
で、この「面白さ」。あるものに絞って突き詰めていけばその「面白さ」は強くなるけど、「面白い」と感じるひとの数は(普通)減っていく。尖った面白さはひとを選びます。その逆の誰にでも受け入れられそうな広い「面白さ」を狙うと、弱くなりがち。執筆あるあるですね。
知名度とか人気があれば苦労しない。でもそれってどうやって得るのさ。何かのコンテストで賞とったり、拾い上げで書籍化ですね。負の循環……。こつこつ年間通して自主企画なんかを真面目にやって名前を売るのが現実的か(面倒なので卯月はしないけども)。
とかなんとか言いながら、ネットでモノ書きさんたちの「面白さ」考察を読んでおりました。noteが多いですね。ですけど、やはり有用な答えは得られず(以前も同じようなことをしてたのに途中気づいた。本とかもあったけど別になぁ、といった感じだったかと)。
で、最後にたどり着いたのが、みんな大好き太宰治。
ええ、アレです。
小説の面白さ 太宰治
https://www.aozora.gr.jp/cards/000035/files/1604_18107.html青空文庫。超短い。「小説と云うものは、本来、女子供の読むもので、いわゆる利口な大人が目の色を変えて読み、しかもその読後感を卓を叩いて論じ合うと云うような性質のものではないのであります。」この冒頭だけでも知っている人は多いのでは。
これ読んだら、「面白さ」について考えるのもどうでもよくなりますね。
寝過ごさなければ、今日のdiscordのほうのイベントも観に行きます。
今日はふと聴きたくなった懐かしの。
GAO - サヨナラ[OFFICIAL MUSIC VIDEO]
https://www.youtube.com/watch?v=H8a2k0cGmewこれ1992年なんですね。時の経つのははやいもの……。
では。