• 異世界ファンタジー
  • SF

きのうのつづき(需要があるとは思っていない)

いまだ兵庫のさいとうさんをめぐるオールドメディア界隈が面白いのですけど、卯月は政治モノ小説を書く気はないので、触れないでおきましょう(書くならジャンルは現代ドラマ?)。

懲りずに昨日に引き続きの流れで(備忘録的?)。


最近読んだ本からの気づき的なモノ 「センスの哲学」から②

「上手い絵」とは何か? という話が出てきます。

一般的には対象をそっくりに描くことが、基本的な意味での「上手い」ですね。写真に撮ったように描いたり、何かのアニメキャラをコピーしたようにそのまま描けたら、たいていの人からは上手いと言ってもらえます。

でも、そういった写真のような絵だけが「上手い」とも多くの人は思ってはいない。抽象画みたいなの、モネとかゴッホとかピカソとかそういう絵。個性的な味、個性的な歪みがあり、それを人は評価する。

写真的正確さからのズレ。

そのズレが味であり、そのズレがユーモラスだと、いわゆる「ヘタウマ」になる。

この本ではその「ヘタウマ」が重要だと言っています。

千葉雅也の定義では、「ヘタウマ」とは、再現がメインではなく、自分自身の線の運動が先にある場合であると。でも、再現性がないわけではなく、線の運動がメインであり、そこに再現性も含まれる形になっている場合だと。(すべて芸術と呼ばれるものはヘタウマの方に入る)

「センスとは、上手よりもヘタウマである」
「芸術でもヘタウマ、生活でもヘタウマ。まずそのイメージから始める」

ヘタウマとは、子どものような線の運動に戻ること。子どもは最初、抽象画のような躍動する線を描くけども、成長するにつれてはっきりした形を描くようになり、意味ができてくる。言語の発達と関係していて、何かの名前に対応する絵を描くようになる。絵が「記号」になってしまう。(芸術家というのはこの記号化する以前の自由を持っている)

センスの良さの反対、センスの悪さは、不十分な再現性、つまり再現性にとらわれすぎていることからくる。だから「モデルの再現から降りることが、センスの目覚めである」のだと。

「再現志向から降りるという最小限の姿勢の変化だけで、第一段階、あるいは第ゼロ段階として、センスが良くなったと言える」

ここまでが本文からのまとめのようなものです。センスが良くなるための出発点ですね。


小説を書くという場合なら、尊敬する作家のとか、いま流行っていて人気のとか、そういったものの模倣から一旦離れてみるということでしょうか。(あくまでセンスある作品を目指すならですけれども)


最近読んだ本からの気づき的なモノ 「荒木飛呂彦の漫画術」②

あの荒木先生もはじめは少年漫画雑誌の新人賞に応募するもボツばかりだったといいます(とはいっても最終選考に名前が載るレベルなのですけども)。

「ただ、今にして思えば、どのボツ作品も、どこかで見たような漫画で、目を引くような何かが足りなかったことが敗因だったのでしょう」と振り返っています。

「毎日何十本と投稿作品を読まなければいけない編集者にしてみれば、読む前に『また、この系統の漫画が来たか』とうんざりしてしまうわけです」

昔の漫画家モノの漫画に出てくるような場面、持ち込みの作品を受け取った編集者が原稿を袋からちょっと出しただけで1ページもめくりもせずに、また袋に戻してしまうハナシも出てきます。

「結局のところ、漫画を生かすも殺すも、この最初の1ページ次第なのです」

よく言われることとして、ウェブ小説も同じですね。コンテストなんかの第一段階、大量の応募のある場合、隅から隅まで読まれるはずもなく、パパパッと仕分けされていそう(下読みさんの一次選考タイプの場合)。まあ、タイトルと第一話で判断されても仕方のないことで。一般読者さまなら最初の一行でブラバとかは普通(いや、そもそも自分の作品を開いてもらうのが至難の業)。

というわけで、漫画における最初の1ページをどう描くかについて書かれています。
①どんな絵を描くか
・きれいな絵 ・変わった絵 ・不気味な絵 ・線のきれいな絵 ・明るい絵(軽やかな絵) ・エロい絵 ・光が感じられる絵 ・カッコイイ絵 ・逆に下手な絵(究極にシンプルに描かれている絵) ・見たこともない絵 ・写真のような絵(究極にリアルに描かれている絵)などなど。
すべてはのせられませんが、荒木先生の分析によるとこういったものが、魅力的でページをめくってもらえそうだということです。

小説だとこれを文字、文章、レイアウト(?)なんかで表現することになるのでしょうね。

続いて②読みたくなるタイトル、③いいセリフ、と続いていきます。ネット小説の創作論でみる流れと違いはありませんね。

分かることは作品の1ページ目に全力だということ。

「このように、最初に描く絵、タイトル、セリフのいずれも、どうすれば編集者、そして読者の心を惹きつけて、ページをめくってもらえるのか、自分の分析から導かれた選択肢を考えぬいた上で決定し、描かねばなりません。大事な最初の1ページをただなんとなく描く、というのは絶対にNGです」

うん。小説でも、分かっているようで、ここまでのエネルギーを持って本当にこだわっていたかと言われると……。大いに反省です。


今日はこんなところで。(思ったより時間が取られてしまったので、この形式で書くのは続かないかもです……)



今日の曲はなんかこわいやつ。YouTubeで活動するボカロPユニットLadyMonsters.(レディモス)さん。妖怪や怪物をモチーフに楽曲を制作しているらしい。

シスターX / SisterX
https://www.youtube.com/watch?v=zzmR-a6kgak
曲も詞も絵もいろいろヤバい。

ドールズフォール / Doll's Fall
https://www.youtube.com/watch?v=iSy43-NgDvE
お人形さんが夢にでてきそう。

では。





3件のコメント

  • 勉強になります。ありがとうございます。
  • 上手い絵。と言うだけならAIで良いのでは?と、思ってしまいます。私が欲しいのは、圧倒的個性!独創性!唯一無二!無い物ねだりです(*´ェ`*)
  • 時輪めぐる さま

    そういっていただけると、ありがたいっす! 個人的な関心ごとの寄せ集めの卯月の近況ノートではありますが、少しでも皆様のお役にたてるのなら幸いです。使えそうなとこをご自由に。

    かごのぼっち さま

    そうですね。生成AIについては、創作物においては手軽さもあって最近は多くのひとが利用されるようになってきたようです。ですけど、そういったモノへの「嫌悪感」も発生してきているのも事実のようで。どこかの企業のCMとか。著作権うんぬん以前に「気持ち悪さ」のようなものを感じ取ることもあったり。あとはイラストなんかで似たような感じのモノが多く、AIっぽい区別がいまのところできますね。やはり、生身の人間の描いた線画は「味があり」「躍動感がある」。人間が心を寄せて大切にしたくなる作品は、同じ人間が心を持って制作した作品なのだろうと思います。「センスの哲学」の中でも多くAIのことが取り上げられていますが、創作とAIについての関係の今後は興味のあるところです(卯月はAIを使うことはないですけれども)。
コメントの投稿にはユーザー登録(無料)が必要です。もしくは、ログイン
投稿する