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卯月は退屈しない

昨日の近況コメのところにちょっと書きましたけど、宝島社の「このライトノベルがすごい!2025」のランキング結果が各出版社から発表されています(本書自体は11月26日に発売)。詳細は発売されてから確認すればよいのですけど、大方の予想通りって感じでしょうか。

【このライトノベルがすごい!2025:『負けヒロインが多すぎる!』が文庫部門1位&単行本・ノベルズ部門は『魔導具師ダリヤはうつむかない』が1位に】
https://ln-news.com/articles/121077

「負けヒロインが多すぎる!」や「誰が勇者を殺したか」あたりは前に近況のどこかで書いたように順当ですね。「ロシデレ」も2年連続3位だとかで、やっぱり。

アニメになるような作品は、相乗効果もあってさらに人気となり売れるという感じですかね。IPの話で言うと、ラノベのコンテンツの価値はアニメとは切り離せない(先にコミカライズなのかもしれませんが)。

KADOKAWA買収の話がどうなっているかは知りませんが、そこでも出てくるワードであるIP(知的財産)。IP的にはラノベ<漫画<アニメってところ(ああ、ゲームも強力ですね)。

WEB小説系ラノベを書いているモノ書きとしては、そのあたりの意識は必要なのでしょうね。書籍だけで売上の成立する大きな文学賞方面を目指される方は別でしょう(村上春樹のも夏にアニメ化されたらしいけど、ファンの卯月ですらあまり興味もなく、どうだったかも知らず)。

というわけで卯月は、『荒木飛呂彦の漫画術』を今日は読んでおりました。本当は、『荒木飛呂彦の新・漫画術 悪役の作り方』(11月15日発売)を読みたかったのですけど、もう刊行から10年もたって古典ともされる前作のほうをしっかり復習しようと思いまして、今更ながら。

頭の中の映像を文章にする感じで書いている(漫画・アニメ脳?の)卯月としては、漫画を小説に置き換えて、とても良く分かる内容。これは多くの創作者たちに読まれているのでネット上でも書かれており、触れる必要もないかもですね。

漫画の編集者さまも小説の編集者さまも、方向性は同じなのでしょう。原稿をチラ見する程度で売れそうかそうでないかは判断できてしまう。初めの数話勝負(もしかすると第一話)ですね。これは一般の読者さまも同様で、その作家さんのファンでもない限りは、ストーリーが面白くなるまで我慢強く待ってはくれない。

ネット系の動画のショート化。音楽も長いイントロなんて最近は無かったり。つかみがすべて(そういう意味では、書き手の方は読み専の方よりも我慢強く読んでくれると感謝していたり。だいたい一文(?)目を通して即ブラバなんて無料投稿サイトにおいては普通(そもそも自分の作品をクリックしてもらうのが至難の……)。

カクヨムにいると心優しいフォロワーさまたちのおかげで、厳しい現実を忘れてしまいますね。(これはいかんのです。ほんと、ジャンル選びから、タイトルから、気合をいれていかねばです)

いろいろとこの本を読みながら反省しつつ、さらに気になるネット記事を発見。

なぜか、ナゾロジーさんのやつ。

【若者の充実離れ】若者の退屈感がこの10年間で急増している
https://nazology.kusuguru.co.jp/archives/165919

簡単にアクセスできるコンテンツがこんなに溢れているというのに、「過去10年間で若者たちの間で退屈感が急増している」らしいです。

ライトノベル系モノ書きとしては、その対象となる若者の現状を把握しておくのは基本(高齢者専門の方には関係ありませぬ)。

記事のほうを読まないとわからないと思いますけど、そのひとつが刺激。

ネット上では刺激的な文章、画像、動画を簡単に継続的に入手可能。人間の脳はこういった刺激を受けるとドーパミンなんかの脳の報酬系が活発化。同じ刺激が繰り返されると脳は鈍化し、より多くの強い刺激を求めるようになる。結果、満たされず退屈感が出てくる。

現代の若者(おそらく若者に限らない)は、「即座に得られる快楽」に慣れきってしまい、その結果、じっくり本を読んだり、静かに景色を眺める(刺激の少ない有意義な活動)を楽しめず、しなくなっている。

卯月は若い子たちと接する機会もあるので分かりますが、「集中力の欠如」はかなり深刻だと思っています(若い子に限らなくなってきているようですけども)。デジタルメディアの氾濫で、注意も分散して、1つのコンテンツに集中できなくなっているようです。それが情報の断片化に繋がり、退屈させることにもなる。

こういうネット上の若者を読者として想定するなら(特に無名の底辺としては)工夫が必要ですね。

カクヨムコンの「読者選考」が、「このラノ」のような一般読者によるものならこれは想定のうえで書くことになるのですけど、実際はそれとはちょっと異なるので、別の営業努力が必要なもよう。

そもそもまだ何も手をつけていない卯月には、それ以前の話で……。

午前中、駅前の大型書店に行ってつい買い込んでしまった複数の本を読むことにこの週末は専念する予定(連載中の執筆と近況ノートはいつもどおり)です。

・荒木飛呂彦の漫画術 荒木飛呂彦
・フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫 上 レベッカ・ヤロス 原島文世 訳
・フォース・ウィング 第四騎竜団の戦姫 下 レベッカ・ヤロス 原島文世 訳
・センスの哲学 千葉雅也

本って、買ってきて、手もとにあるのを眺めるときが一番幸せなのかも(あとは内容は読んでからの……)。


今日はこれ。
熱異常 / いよわ feat.足立レイ(Heat abnormal / Iyowa feat.Adachi Rei)
https://www.youtube.com/watch?v=b2NTglk9tvI

考察コメがあつい。ボカロ曲からいろいろ想像やら妄想、そして考察するのは楽しいし、それが可能な質の作品は好き。小説読むときもそういうとこあるかも。

「歌ってみた」だと、むト さんのが好き。
熱異常 - むト (cover)
https://www.youtube.com/watch?v=s5Rkv_5Sbbo


では。



2件のコメント

  • うお!?フォース・ウィング上下巻買ったんですね!?読み終えたら感想お願いしますm(_ _)m
  • (笑)やっぱり結局買われたのですね、フォースウィング。

    荒木先生の新・漫画術の方はAIについての考察で話題になってるみたいですね。

    集中力は自分でも欠如を感じてる部分なので、よりデジタルに慣れ親しんでる世代だと顕著そうですね(若い人と接する機会がないので実情は私は不明ですが)
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