そろそろ大掃除の準備をせねば、と思い立ち、わたくしは屋敷の隣に建つ土蔵へ。
昼間にやれば良いものを、なぜかこのような深夜に、燭台に立てました蝋燭の灯を頼りに入ります。
中には先祖伝来の、わけのわからぬ大量の木箱や箪笥がホコリをかぶっておりました。
スッ転ばぬように忍び足で奥へ進みます。
チカッ!
あら、いま何か光りましたわ。
わたくしは燭台を、その木箱と木箱の間に差し込みます。
そこにはドス黒い包装紙に包まれた小さな箱があり、まるでリボンで作った花をつけたように、金色の物体が。
よく見ますれば、それは多分トカゲの頭蓋骨。金色に輝く爬虫類のシャレコウベが、箱の片隅
に貼り付けられています。
どこかで見たような……
燭台を床に置き、その箱を引っ張り出しましたの。
ちょっぴり、重たい。
どこに売ってるのと思われる不気味な黒い包装紙に、カードが挟まっております。
は!
思い出しましたわ!
これは五年ほど前に、あのモーガン・フリーマンにクリソツな某国大使さまが、クリスマスプレゼントとかで、わたくしにくださった品物でしたわ。
カードを開きます。
「え〜っと、なになに……
ほいけいつばちきゃんへ?
なにこれ?
あ、拝啓つばきちゃんへね」
あの頃はまだ日本語が拙い大使さま。
「ほいけいつばちきゃんへ
つきよのばんばかりとおぼうだよなつぬそうせき……?
拝啓つばきちゃんへ、月夜の晩ばかりと思うなよ、夏目漱石?
なんですのこれ。
喧嘩を売ってらっしゃるのかしら」
そこでわたくしの明晰な頭脳はピンときました。
夏目漱石は、「I Love You」を「月が綺麗ですね」と訳されたことを。
ぜ〜んぜん意味が違いますわよ、大使さま。
わたくしは微笑みながら箱を見つめ、そのまま固まります。
ガタガタッ、ガタガタッ、ギギッギギッ。
黒い箱の中でナニかが蠢いているようなのです!
なにこれ!
ま、まさか生物が中に!
えっ、だって五年もほっておいたのよ。
わたくしは箱を放り出しました。
床の上でそのドス黒い箱は、ガタガタッと揺れております。
いったい、なにを大使さまはプレゼントしてくださったの……
わたくしは土蔵の扉を閉め、急いで屋敷内へ戻りました。
次の燃えないゴミの日にでも、知らぬ顔で捨てちゃいましょ。
と、リビングで落ち着きながらカクヨムさまをチェックいたします。
あ、「絶対に、その家だけはやめておけ!」にお★さまをいただいております!
ユーリ・トヨタさま、
いつも大変お世話になっております♩ まだ序盤ゆえ最後までいただくことはないわねと、ションボリしておりましたの。
いただいたお★さまに恥じないエンディングになれば良いのですけど。
心より御礼申し上げます♫
スライムめぐるさま、
どうも初めまして! この度は貴重なお★さまを早々に頂戴いたしまして、心より御礼申し上げます♫
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!
あ、「THE☆騎士MEN」にお★さまをいただいております!
愛宕平九郎さま、
いつも大変お世話になっております♩ つばきの長編物語は、短編以上に読まれませぬ。数々の応援コメントにお★さままで頂戴し、心より御礼申し上げます♫