賽の河原二丁目にございます、閻魔大王さまがオフ時にイリアママとして開いておりますバー。
この界隈は、現世で申しますところの新宿二丁目とほぼ同様のお店が軒を
連ねております。
わたくしは今回イリアママからクリパ、つまりクリスマスパーティの幹事を頼まれておりますため、顔を出しにまいりました。
このバーには色々なかたがいらっしゃいますゆえ、わたくしもとても楽しみにしておりますの。
ただ、生身ではもちろん来れぬため、わたくしは現世で一度仮死状態となって訪れねばならず、これが結構大変でございます。
万が一現世に戻れなければ、わたくしは一生浮遊霊として生きて(い、生きて?)いかねばなりませぬ。
イリアママは、「大丈夫よ、つばきちゃん。そうなったらアタシが悪いようにはしないから」などと鍾馗髭のお顔をニッコリとさせてくれます。
いやいや、悪いようにはなさらないって、ちょっぴりコワい。だって、閻魔大王さまなのですから。
「おこんばんは~」
わたくしはお店のドアを開けて店内へ入りました。
イリアママはカウンターのスツールに腰かけられ、大きなヘッドフォンで音楽を聴きながら、ご本を熱心に読んでおられます。
いつものショッキングピンクのタンクトップに、パッツンパツンのレギンス姿。
わたくしに気づかぬイリアママの背後に、そっと近づきました。
いったいどんなご本を?
ふとイリアママの太い眉がピクリと動き、いきなり振り返って「誰じゃ! ワシの背後に立つ不埒な奴はっ」と、天をも轟かす大声で怒鳴られました。
「ヒーッ!」
わたくしはビックリ仰天して、思わずひっくり返ってしまいましたの。
だって、地獄を統べる閻魔大王さまの地声よ。
「あらやだ! つばきちゃんじゃないのぅ」
閻魔大王さまからイリアママの裏声に素早く変え、腰を抜かしたわたくしを助け起こしてくれました。
「イ、イリアママ、お願いでございますから、地声で怒鳴るのはおやめくださいまし。
わたくしは、咎人ではございませぬ~」
「ゴメンなさぁい、だってえアタシも驚いちゃったんだからぁ」
仮死状態からいきなり心臓マヒでポックリ逝きそうになったわたくしは、かろうじて息を整えまして、イリアママの横のスツールに腰を降ろしました。
「ところでママ、いったいどんなご本をお読みに?」
「これかしら。これはねえ、ほらここから三軒ほどおとなりの、呪瑠ベルヌママが自費出版なさったのよ」
「えっ? ジュール・ベルヌってあのSFの父と呼ばれる偉大な作家?」
「現世ではそうだったかしら。でも今では呪瑠べルヌママとして、お店と執筆活動をなさっていらっしゃるのよ」
「へえっ、わたくしも幼少のころ拝読いたしましたわ。『海底二万里』とか『地底旅行』とか。
それで、今回はどんな物語なの?」
イリアママはカウンターに置いた本を取り上げ、表紙をわたくしに見せてくださいました。
「あら、懐かしゅうございます。『十五少年漂流記』でござい……えっ? 違うわ。
『十五オネエ漂流記』?
なんですの『十五オネエ漂流記』って!」
「よかったらつばきちゃんにお貸しするわよ。これはね、十五人のオネエたちが難破船に乗って、大冒険する活劇なの。面白いわよう」
わようって、イリアママ。
オネエさまたちが十五人も集まって、いったいどんな冒険をなさるっていうの? かなりコワい。
それからふたりで、カクテルを傾けながらクリパの打ち合わせを行いました。イリアママは、ブラッディマリー。わたくしはフローズンダイキリをしこたま頂戴いたしました。
ママがお手洗いへ行っている間に、久しぶりにカクヨムさまをチェックいたします。
あ、現在絶賛(と自身を慰めておりまする。やはりつばきの長編はなかなかご覧いただけませぬ……シクシク)連載中の、「絶対に、その家だけはやめておけ!」にレビューとお★さまをいただいております!
織田崇滉 さま、
織田先生~っ、今や商業作家となられた雲上のおかたにレビューを頂戴できますなんて、誠にありがとうございます!
頭一つ抜きんでているだなんて、嬉しい♡ 先生のレビューこそさすがに洗練されていらっしゃり、つばきにはもったいのうございます。やはりドラマにはリアリティがございませぬと、単なる絵空事になってしまいますゆえ、それなりにお勉強はいたしました。どうか最後までお付き合いくだされば、幸いでございます☆
心より御礼申し上げます♬
春木のんさま、
どうも初めまして! この度は年末のご多忙な時にも関わらずお目通しくださり、なんとお★さままでいただきまして誠にありがとうございます!
お目汚しになれねば良いのですけど。どうぞ最後までお付き合いくださいまし☆ 心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!
daichoroさま、
どうも初めまして! 年末のお忙しい時期にわざわざご覧くださり、またお★さままで頂戴いたしまして、誠にありがとうございます!
少々エゲツないシーンもございます。できますればエンディングまでお付き合いくださいまし☆ 心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!
RAYさま、
RAYちゃん、ご自身のご執筆で超ご多忙の中にも関わらず、応援コメントにお★さままでいただきまして、誠にありがとうございます!
拙作は後回しになさって、どうぞ素敵な物語を紡いでくださいまし☆
心より御礼申し上げます♬
あ、「猟奇なガール」と「猟奇なドール」にお★さまを頂戴しております!
緋14 E奈さま、
どうも初めまして! この度はお忙しい中、グロな二作をご覧くださり、またお★さままでいただきまして、誠にありがとうございます!
猟奇ストを名乗りますつばきの代表作でございます。ご気分は害されませんでしたでしょうか。心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!