「ねえねえ、ちょっとぉ、つばきちゃん」
「はい、閻魔、いえ、イリアママ。なにかお気に召しましたの?」
今日はイリアママと一緒に、都会へ繰り出しましてお買いものです。
今年の夏は浴衣を新調いたしまして、花火大会へお出かけする予定です。
行きつけの和服屋、「きもの はんなりどすえ」さまへお邪魔しております。
ちなみにイリアママとは、地獄を統べる十王のおひとり、閻魔大王さまのオフ時のお姿でございます。
「藍色地に紫陽花重ねですわね。素敵なお色ですこと」
「そぅお? ワタクシに似合うかなあ」
イリアママはいつもの、ショッキングピンク・タンクトップの上からその反物をあてがいます。
浴衣はもちろんプレタポルテではなく、オーダー。お誂え、でございますわ。
「イリアママ、こちらの墨色地に小桜の水流しなどもお似合いかも、ですわよ」
「ああん、迷っちゃうわねえ」
姿見に、シナを作ったポーズで、反物をとっかえひっかえするイリアママ。
そこへ中年の少しポッチャリした大柄な女性店員さまが、ボタンがはち切れそうな制服姿で近づいて来られました。
「お客さまぁ、そちらは女性用でございます。お客さまですと、こちらの生地などいかがでございましょ」
そのおかたは黒変わり市松やら、黒紺色の七宝繋ぎを小脇に抱えていらっしゃいました。
「背丈は少々お小さいですけど、ご立派な体型でいらっしゃいますから、グレー地に白黒縦縞なども、男前がアップされますわ」
おほほっ、と口元を隠しながら営業スマイルを浮かべられます。
その細い目元でイリアママを見下ろされました。
イリアママはたくましいお髭を伸ばされた頬を、プクーッと膨らませました。
「キ~ッ、失礼しちゃうわねえ。ワタクシにそんな地味な柄を勧めるなんて。
それにワタクシは乙女よ! どこからどう見たって、カワイらしい女の子よ!
こうなったら、生地からオーダーいたしますわっ。
ショッキングピンクのシルク・サテン地に、スパンコールで髑髏をあしらってちょうだいなっ」
言いながら挑むような目つきで、店員さまを見上げられました。
わたくし、ちょっと想像し、ブルッと身震いしてしまいました。
どう考えても、花火大会へ赴く浴衣ではございませぬ。
むしろ、納涼大会のお化け屋敷か、賽の河原二丁目界隈のママたちが夏用にコスプレしてお店に立つ姿です。
結局その日は、プリプリと憤慨したイリアママを慰めるだけで終わってしまいました。
はあっ、一日を無駄にしてしまいましたわ。
でもまあ、イリアママが激昂なさって本来のお姿にもどられなくて、よしとしませぬと。
三メートルを超す身の丈に道服姿でお怒りになれば、あのポッチャリ店員さまは二度と戻れぬ世界へ行かれてしまうところでしたわ。
イリアママをお見送りいたしまして、わたくしはホッと息をつきながらリビングで、お気に入りのアイスティをいただきながら、カクヨムさまをチェックいたします。
あ、「二十歳のおばあちゃんへ」にレビューをいただいております!
鶯ノエル さま、
ノエル先生、ご執筆で超ご多忙でいらっしゃいますのに、時間をやりくりしてくださり、誠にありがとうございます! 素敵な恋の話だなんてお褒めいただけて、嬉しい♡ 若いカップルのお話など、わたくしには無理でございます。あ、わたくしが年寄りってことではございませぬ、念のために。色恋沙汰なら、ドンと来いって、ノエル先生のご専門ですものね☆
心より御礼申し上げます♬
にぎた さま、
いつも大変お世話になっております。この度はお時間を割いてくださり、またレビューまで頂戴いたしまして、誠にありがとうございます!
主人公に感情移入してくださって、嬉しい♡ もちろん空想の出来事でございます。生涯にたったひとりだけの相手なら、お互いに尊敬し、愛し、いつまでも仲良くいきたいものでございます♪ 難しいかしら。
心より御礼申し上げます♬
六月菜摘 さま、
いつも大変お世話になっております。お忙しい中にも関わらず、お目通しくださり、またレビューまで頂戴し誠にありがとうございます!
書き手冥利に尽きるお言葉、嬉しい♡ そうなのですわよ、桜って色々なシーンに華を添えてくれます。悲しいときに涙をぬぐって見上げる桜並木は、きっと勇気や希望をくれるはずです。そして静かに散っていくの。
心より御礼申し上げます♬
あ、「ひねもす漫研、オタクかな」にレビューとお★さまを頂戴しております!
真白 小雪 さま、
どうも初めまして♪ この度はご丁寧にありがとうございます。そしてお目通しくださりレビューまでいただき、つばきは舞い上がっております!
好感を抱いてくだすっただなんて、嬉しい♡ 漫研のわりに、漫画を描く人物が登場しません。別の角度から狙ったお話でございます。しかも私小説とする以上、マジな部分も多ございます。漫研は、異界ですの☆
心より御礼申し上げます♬
神山イナさま、
いつも大変お世話になっております。ご多忙の中お目通しくださり、またお★さままでいただきまして、誠にありがとうございます!
心より御礼申し上げます♬
七色あすかさま、
どうも初めまして! この度はわざわざご覧くださり、またお★さままで頂戴し誠にありがとうございます! 心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!