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レビュー御礼&御礼~「餃子定食」(閲覧注意!)

わたくし、久しぶりに町内の中華料理屋さまに来ております。

以前にもご紹介申し上げましたように、このお店のご主人さまは本場中国で腕を磨き、一級厨師の免状をお持ちなのです。
もちろん生まれも育ちも、この日本でございます。

「それではご主人さま、今日は餃子定食のWをお願いいたします」

「はいよう、高尾さん。キョーッツァテーショク、タップルね!」

なぜかお言葉が、中国訛りでございます。中国訛り?

わたくしはカウンターに座り、オープンキッチンになっております厨房を眺めます。

Wでございますから鉄板に餃子が四十個並べられ、ジャーッと油のはねる音が食欲をそそりますの。

「はい、高尾さん、てきあかったよう! 熱いから気をつけるあるねえ」

カウンター越しに餃子四十個のったお皿、ドンぶり大盛りご飯、中華スープ、そして漬物の小皿がわたくしの目の前に置かれます。

「美味しそうですわね」

わたくしは割り箸を口に咥えて、パチンと割ります。

いざ、実食!

「あ、高尾さん」

「は、はい?」

ご主人さまは、今まさに餃子を箸で掴もうとするわたくしを、いつになく真剣な眼差しで見つめてきます。

「たいちょぷ、たからね」

「えっ?」

「たからぁ、うちの料理はたいちょーぷあるよ」

「ええっと、いったい何が大丈夫なのでございますかしら」

ご主人は餃子を指さされます。

「ちゃんと火を通してあるから、たぷん死滅してるあるよ」

「はあっ?」

「ほら、知らないあるか、高尾さん。今、わたいふっとうのアレあるよ」

「話題沸騰? その前に、し、死滅っておっしゃりましたかしら」

「ネットて、わたしの息子、調ぺたね。アレはロクチュウトて一分、ナナチュウトて完璧死滅するのよ」

「六十度で一分、七十度で死滅? って、ま、まさかアニサ――」

「シーッ! 高尾さん声テカイあるな。料理屋てその固有名詞たすの、よくないよ」

いやいや、ちょっとお待ちになってくださいまし。

アレは生魚に寄生しているのでは、なくて?

なぜ焼き餃子でアレを気にしてらっしゃるの?

はっ! ま、まさか……

「そうあるのよ、高尾さん。先週ウチからテマエしたキョーッツァにアレが入っていたって、文句言われたねえ。はんぷん食ぺたところて、発見したて」

「で、ですけど、こうしてちゃんと鉄板で焼いていらっしゃるのに」

「ちょうと、たぽうな時あったよ。たから焼くのを忘れてそのままテマエしちゃったあるなあ」

焼き忘れ? 一級厨師のおかたが?

でもって、このお店自慢の餃子って、生魚が隠し味に? タラ? アジ?

それよりも、配達先のお客さまは、どうやって気づかれたの?
よもや生春巻きとお間違えに?

想像しながら目の前の餃子を見ますれば、さすがにわたくしの食欲は失せてしまいました。

いえ、もちろん完食いたしましたわ、テヘペロ。



お口直しにジャスミン茶をご主人が淹れてくださり、わたくしはカウンターでカクヨムさまをチェックいたします。



あ、「二十歳のおばあちゃんへ」にレビューとお★さまをいただいております!

森 翼さま、
どうも初めまして。コンテスト作の中から拙作をチョイスいただき、またお★さままで頂戴いたしまして、誠にありがとうございます!
普段は恋愛モノは手を出さぬわたくし。恋愛は不得手ではございませぬ♪
心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!

林檎亭爆発丸(๑ÒωÓ๑) さま、
ま! 大変ご無沙汰いたしております。さようでございますの。いったい誰が描いたの? ってなお話にレビューまで頂戴いたしまして、誠にありがとうございます! その上、「明日に奏でる~」までご宣伝くだすって、嬉しい♡ 思いを花びらにのせて。なんて素敵なフレーズでございましょう♪ さすがは、あっぷ、いえ、爆発丸さま☆ 愛の詩人ですわね♡
心より御礼申し上げます♬


あ、「面妖な金属男」にレビューをいただいております!

一之瀬ゆん さま、
どうも初めまして! この度はご多忙の中、わざわざお目通しくださり、またレビューまで頂戴いたしまして、誠にありがとうございます!
流れるような文章だなんて、嬉しい♡ かなりキワモノのキャラでございます。わたくしの創造したキャラでは、多分ナンバーワンかと♪ 拙作「魔陣幻戯」で、そのキモさが大爆発いたしております。
心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!


あ、「予想外な涼ノ宮兄弟」にレビューを頂戴しております!

さつきまる さま、
いつも大変お世話になっております。お忙しい中にも関わらずご覧くださり、またレビューまでいただきまして、誠にありがとうございます!
巧みな文章だなんて、嬉しい♡ 今作はマジに純文学を――いえ、おっしゃられますように、徒然なるままにウケ狙いのみで描きました♪ 兄愛一郎はともかく、弟誠介はどう見てもオッサンでございます☆
心より御礼申し上げます♬

22件のコメント

  • 001つばっきーへ

    突然で申し訳ありませんが、本日をもって「光合成倶楽部」の活動を停止し、関連するノートをすべて削除させていただきます。せっかく書いてくださったコメントも削除させてもらいますが、どうかお許し願います。
    (理由はボクのノートに書かせていただきました)

    今後は「自主企画」のコーナーで活動をしていけたらと思っています。
    ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。
  • こんばんは、RAYちゃん♩

    先ほど、RAYちゃんのノートを拝見し、コメントを残して参りました。

    相互クラスタとかいう扱いなのでしようかしら?
    わたくしは光合成倶楽部の全員の皆さまを、存じあげているわけではありませぬ。それに、全員のかたから評価いただいているわけでもありませぬ。

    なんだか世知辛い世界でございます。

    小説の嗜好が似たかたの作品を拝読する。それすらもダメなのでしょうかしら……

    なんだかつまらないわあ。

    カクヨム界はもっと自由かと思っておったのは、幻影でしたのね。

    これは身の振り方を、考えねばなりませぬ。
    このまま続けてもいいのかどうか。

    RAYちゃん、ご苦労さまでございます。
  • つばきちちゃん

    こんばんは~☆
    とやってきましたが、RAYちゃん……。

    楽しくしていればそれをよしとしない風潮もあり困ったものですねぇ。

    なんだかね……。

    あのう、レビューの御礼をノートで書いたのです。
    お手すきのときにでも遊びにいらしてね、とお知らせに来たのですが、はぁぁぁ、どうしてこうなるのかしら。

    自作を気に入ってくださる方の書く作品ですからね、感じ方や考え方が似ていて共感するところも多いですよね。それを素直に感想にのせるのがそんなにいけないことなのかしら?

    困ったことですね。
    ただ楽しく作品を書き、それを読んでいただける。
    楽しい作品を拝読して、「おもしろかった!」と感想を書く。
    それだけのことがしたいだけなんですけどね。

    ため息の週末ですね……。
  • 今日子ちゃん、こんばんは♩

    レビューの御礼だなんて、恥ずかしゅうございますわよ、今日子ちやん……
    でもわたくしは今日子ちゃんの紡がれる文章、ストーリー、着想、構成、どれをとりましても大好きなのです♡

    わたくし、ほら、ゲテモノが主流でございましよ。ですから今日子ちゃんの小説やエッセイで、我が暗い心を浄化させていただいでおりますのよ☆

    RAYちゃんの件、誠に残念でございます。
    ええ、巷では相互だのクラスタだのと他のかたでも言われておるようです。

    おかしな話でございます。
    わたくしも、今日子ちゃんのご意見に、両手を挙げて賛成でございます♩

    楽しくカク、ヨムをしたいものでございます。

    では、今日子ちゃんのお屋敷までひとっ飛び〜♬
  • カラカラカラ……
    音の軽さとは裏腹に動きの鈍いアルミの引き戸を力いっぱい押し開くと、もあっとした油混じりの熱気が外に漏れ出てきます。

    「イラッシャイ」
    どこか片言風なご主人のいつもの挨拶に会釈をし、いつもの席にあるパイプ丸椅子に腰掛けた私は、いつも注文する定食名をメニューも見ずに口にします。

    「たらの甘酢あんかけ定食一つね」

    けれども、ご主人から帰ってきたのはいつもの「アイヨ」という返事ではなく「アイヤー!陽野サン、コメンコメン、今日のタラはオワチャッタアルヨ」という声でした。
    「え?そうなんですか」
    「さっき、キョーッツァ、タップル食べたお客サンいて、使ちゃたネ」

    「ギョウザにタラを使ったんですか?」
    私の質問には答えず、メニューに目配せして別の注文を催促するご主人。
    「あ、えっとじゃあホイコーロー定食で」
    「アイヨ!」

    トントンとリズミカルに野菜を刻む音がして、やがてジュウッという熱された油に材料が投入された音が聞こえてきます。
    いつもの定食は食べ損ねましたが、ここのご主人の腕は超一流。何を食べても本場の味がするのです。
    香ばしく炒め合わされた甜麺醤の香りが鼻腔をくすぐり、空腹を刺激します。

    「たいちょぷ、たからね」

    湯気の立つホイコーローがたっぷりと盛られた皿をカウンター越しに出したご主人が笑顔でそう言います。

    「は?」
    「タカラ、ちゃんと火を通したから、アレは死滅してるハツアルヨ」
    「アレって?」
    「今、巷でわたいふっとうチュウの……」

    え!? まさか、生魚に寄生してるっていう、あの──!?

    ていうか、私が注文したのは回鍋肉なんですけど、それに魚が入ってるってことかしら……?



    ──と、久しぶりにノートジャックをさせていただきました(^^)

    倶楽部のことは、RAYちゃんのお気持ちを思うと心が痛みますね。
    カクヨムを楽しく盛り上げ、かつお互いを高めあう機会の場としたいという思いのはずが、一部の方からは穿った見方ができてしまうと……。
    とても残念ではありますが、RAYちゃんに非難が集まることも本意ではないので、仕方ないですね……。
    とにもかくにも、「楽しく切磋琢磨」のモットーを失わず、今後も皆さんと楽しく活動していけたらと思っています。
    つばきちゃんの改稿も楽しみにしておりますね♬
    お体に気をつけて楽しみながら頑張ってください(*'▽'*)♪
  • 「あのう、私が今から食べようとしているのって、ホ、回鍋肉で間違いないんですよね?」

    「ウチのホイコーローは、まちかいなしね。ぴみあるよう」

    「ぴみ? ああ、美味ってことですね。ところで、死滅って……」

    「アイヤー、あなたも高尾さんと同ちこと訊くあるかあ。たいちょぷ、たいちょぷ。キャペツと一緒に飲み込むよろし。
    キャペツは胃にいいよう」

    「い、いえ、飲み込むって……ええっ!」

    「ウハハハッ! かる~いチョークあるね」

    「チ、チョーク? ああ、ジョークってことですね」

    私は少しぎこちない笑みを浮かべて、甘辛い特製味噌ダレの回鍋肉を頬張りました。

    「お、おいしい~っ!」

    「当たり前あるよ。わたし作る料理はとれもツェッピンね」

    本当に絶品なのです。

    「これって、やっぱりこの味噌ダレに隠し味があるんですよね」

    私は何気なく訊いたのです。
    すると、ご主人は急に挙動不審になられました。

    「な、なしぇわかったあるか!」

    「はっ?」

    「ウチの料理のアチに、隠してあるモノ、なしぇわかったあるか!」

    「え~っと」

    「アレは国内に持ち込むの、むつかしいのよ。ツェーカンの目をこまかすのは至難のわつぁ、あるね。いいこと? たから、シーよ」

    ご主人は口元に指を立てました。

    税関の目を誤魔化してまで持ち込む、隠し味って……

    私は聴かなかったことにして、美味なる回鍋肉を堪能いたしました。




    ひまわりちゃん、いらっしゃいませ~♪

    久しぶりにノート・ジャック、ありがとうございま~す!
    またいつでも乱入をお待ちいたしております♡


    さようでございますわねえ。今回はRAYちゃんが大層ご苦労なさっておられて……
    わたくしも以前ノートの書き込みを削除されましたから、そのときのことを考えますれば、RAYちゃんの受けられたショックは計り知れませぬ。

    これだけ多く公開されておりますれば、どうしたって自身の好みに合うお話を選択してしまいます。別に皆さまも、徒党を組みたいと思ってはおられないはずです。

    ただ、わたくしどもはこの場を拝借いたしております身ゆえ、規約は厳守せねばいけませぬ。

    どうぞひまわりちゃんも、暑さにお気をなさってくださいな。

    わたくしはアイスティをヤカンに入れまして、まるで高校球児のようにラッパ飲みをいたしております♬
  • 新たなリレーの兆しに誘われて(笑)
    カクヨム界のフラワーガール達の勢いは衰えを知らないですね(*^^*)

    ⬆の文、私は何の集まりにも参加していませんしRAY様とも交流がありませんが、読んでいて言い様のない怒りが込み上げてきました。
    なぜ交流を推し進めようとすると、周囲から批判がでるのか、理解に苦しみます。作家同士交流して切磋琢磨し、そこで新たなアイデアも出し合うような関係が何故いけないのか。一部の心無い人達が扇動しているのでしょうが、そのあまりにも稚拙なやり方には納得ができない思いでいっぱいです。
    そもそも何某かの会に属しているからといって、同じく所属している方の作品を読んでも『自分に合ったものでなかったら評価なんてしないという良識は大人なのだから持ち合わせている』という事を、批判する人は解るべきです。作家同士で鼓舞し合える場を作ったRAY様の行いは正しいものだと思うし、それに異を唱えるのはどうかと感じます。
    こういう日進月歩的な行いが潰されるのだとすると、カクヨムの将来が不安でなりませんね。
  • さつきまるさま、おはようございます♪

    いえいえ、これはあのガラナさまのようなリレーではなく、ノート・ジャックと呼ぶ単なる言葉遊びでございます。
    あ、でも遊びとは申しましても、オフザケのほうではなく、超ショートストーリーをいかに紡ぐか、というものでございます。

    フラワーガールズ……あら、たしかに、ひまわりちゃんとつばきだと、そうなりますわね☆
    躍動感、清涼感たっぷりのひまわりちゃん。
    陰湿かつ粘着質のわたくし。

    集まりと申しましても、近況ノートでたまに語るくらいでしたのよ。
    ですからお互いに、意図的なお★さまの投げ合いなど、一切ございませんでしたわ。
    そう、皆さまは大人のお付き合いでしたの。

    残念ではございますれど、今まで通り変わらず描いて読む、それでございます♬

    あ、ノート・ジャックは気がむかれたときなど、いつでもお気軽にどうぞ♡ 
  • 今回のノートといい、ひまわりさんのジャックと言い笑わせてもらいました。実はこの中料理屋さんシリーズはファンなんですよ。
    このクオリティについてくひまわりさんもさすがです。

    RAYさんの倶楽部の件は残念でしたけど、絆としては今まで通り残りますからね。
    ノートでのやり取りを楽しく続けていきたいですね!
  • つばっきー、こんばんは。
    わざわざ来てくれてありがとう(*╹◡╹*)アリガト
    本日夕方――復活しました!ダ━o(`・д・´)ノ━!!
    手ぶらではカッコ悪いと思って、手土産代わりに掌編を携えての登場です。三時間で書いたからクオリティには目を瞑ってね(ダメじゃん!)

    倶楽部が無くなったのは残念ですが、倶楽部を通して構築された繋がりがあります。光合成はボクたちの心の中で行えばいいです。みんながいればいつだってできる。だから、活動内容は何も変わりません。楽しく切磋琢磨――残ったのは20~30人ぐらいですが、真面目で熱いメンバーですから、きっと大丈夫です。

    と、自分に言い聞かせての復活です。
    やっとお布団でのゴロゴロ状態から抜け出せました(マジで)

    引き続きよろしくね☆彡
  • 高尾つばき様。

    初めまして。こんばんは。(*´∇`*)。真白 小雪です。😃💕。
    読みたい作品がありましたので、フォローさせていただきました。(/ω・\)チラッ。誰かと驚かせてしまったら、すみません。(^_^;)。
    ぺこり。_(._.)_
  • 関川さま、おはようございます♩

    あら、中華料理屋さまのお話もご覧くださっていたのですわね?
    嬉しい♡

    ここの餃子はツエッピィンなのでございます。
    ひまわりちゃん、まさかのホイコウロウに、わたくしも笑わせていただきました。

    また関川さまもよろしくお願いいたします♬
  • RAYちゃん、おはようございます♩

    今回は本当にお疲れさまでございます。
    こういう世界ではいくら気をつけていても、過ぎるってことはありませんのね。描いたり読んだりするだけではなく、常に周りにも注意を怠らないってことかしら。
    勉強になりました。

    これからもお互いに、と申しましてもRAYちゃんとわたくしでは次元がかけ離れておりますゆえ、恥ずかしながら切磋琢磨させていただきとうございます♡

    今週も張り切って参りましょう♬
  • 真白さま、おはようございます♩

    どうも初めまして!
    猟奇の館へようこそ♡

    わたくしのお話は、少々奇っ怪な領域でございます。
    お目汚しでなければ幸いでございます。

    いつでもお越しくださいませ♬

    ちなみにお奨めは、実はこの近況ノートだったりしますの♡

    本末転倒の語り部、つばきをどうぞよろしくお願い申し上げます♬

  • 今日は私、新聞配達のお給金が入ったのでちょっと町に遊びに来ています。

    私の右手につかまっているのは、まだうら若いギャルです。
    キャバクラとやらに勤めている『さつき嬢』です。
    じつはアパートが同じで、よく話をする仲なのです。
    いわば友達、出勤前の同伴というやつではありません。

    「ねぇ関川さぁーん、ドコ連れてってくれんのぉ?」
    彼女はカールした長い髪をクルクルと指先でもてあそびながら、甘えた声を出します。
    「今日は隠れ家的な名店をご紹介いたしますよ」
    私はちょっと得意になって答えます。
    ほら、女性は意外とこういう店に弱いでしょう?

    「え?ココ?ただの中華屋さんじゃーん」
    「そう思うでしょう?しかし、味は超本格派なんです。
    なんでも店主は本場中国で腕を磨き、一級厨師の免状をお持ちだとか」
    「ふーん、関川サンのおすすめならだいじょぶか♡」
    さつき嬢は語尾にハートマークが見えるような可愛い話し方です。
    ちょっと化粧は濃いですが、とても素直ないい子です。

    カラカラカラ……
    動きの鈍いアルミの引き戸を開きますと、中華鍋が立てるリズミカルな音といい匂いがしてきます。
    そして店主のいつもの声が響きます。

    「イラシャイッ、おぉ セキカワさん、ヒサシプリね。
     今日はかわいいオジョーサン、いっしょネ」
    「こんにちは」
    ホイコーロー定食を大盛りのご飯で食べている女性の横を通り、カウンターに座ります。
    もちろんさつき嬢に丸椅子をひいてきっちりエスコートします。

    「えっとー、餃子を二人前づつと、瓶ビール、グラスはふたつ」
    「アイよー。キョーッツァ、タップルね」

    やがてカリカリの焦げた面も美味しそうな餃子がカウンターの向こうから届きます。
    「たいちょぷ、たからね」
    カウンター越しに出したご主人が笑顔でそういいます。

    「関川さん、酢醤油でいい?ラー油もかけるよぉ」
    さつき嬢は小皿に手早くタレを作ってくれます。気の利く子です。
    「まぁ、あつあつを食べてください。本当に美味しいんですよ」
    「楽しみ!いただきまーす!」
    さつき嬢はさっそく一つをパクリと一口。
    その顔つきがみるみる変わっていきます。

    「なにこれ、チョーヤバイ!」
    その言葉に店主の顔色がさっと青ざめました。
    「ロクチュウトて一分、ナナチュウトて完璧死滅よ、調べたね」
    はてなにやら妙なことを……と思ったところでさつき嬢はにっこり笑いました。

    「すんごい美味しい!こんなの初めて」
    そう言ってパクパク食べ始めました。

    「うわっ、マジヤバイ!」
    「ヤバすぎ!」
    「うますぎて腹がヤバイ!」
    「ゲロヤバ!」

    若者言葉という奴でしょう、さつき嬢は一つ食べるごとに可愛い感想を漏らしました。
    一方の店主は何故かそのたびに青ざめていたのが気がかりでしたが……
  • 「ま、まさか摂氏100トても死滅しないいう、超アレあるか……わたし、聞いたことあるよ、師匠から。
    アレに、密輸した隠しあちのアレましぇたら、ハイプリットの超アレ生まれることもあるて」

    わたしは目の前で「ヤバイ!」を繰り返す、その可愛いらしい女の子から視線をはずすことができなかった。

    「ヤバイヨヤバイヨ〜!」

    「はっはっはっ、さつき嬢、それじゃあ芸人の、あの人だよ」

    関川さんが笑っている。
    いや、ヤバイを繰り返しているのに、そんな悠長に構えていたらまずいのでは。

    わたしは師匠から、唯一ハイブリッドの超アレを殲滅できる方法を聴いていた。だが、焦るわたしの思考は空回りするだけだ。

    今すぐ救急病院へ連れて行くしかないのか。いや、そんなことをしたら、保健所の連中がすっ飛んできて、この店は即営業停止になってしまう。

    その時、わたしの脳裏に師匠の言葉がよみがえった。

    『よいか、まんかいち超アレ現れたら、ラー油つかうよろし。
    ラー油を一升飲ますよ。そすれぱ、胃の中うこめいてた超アレ、つぇ〜んぷ死ぬあるーー』

    わたしは急いで関川さんの前に、自家製ラー油の入った一升瓶を置いた。

    「あ、あの、関川さん。これ、店からのプレシェントよ。
    ちょっぴり辛いある。てもあと引く美味さね。ささ、可愛いいおちょうちゃん、一気するあるよろし」

    わたしは動揺を、満面の笑みを浮かべて隠し、瓶の蓋を開けた。

    〜〜♡♡〜〜

    さ、今日も中華屋さまに出向いて、餃子のトリプルを食しましょう。

    わたくしは、ルンルンとスキップでお店に向かいました。

    あら、シャッターが降りてるわ。
    張り紙?

    【お客さま各位。先日、当店でラー油を無理矢理お客さまに飲ませ、そのかたが病院へ搬送されました。
    現在、店主は警察で事情聴取を受けておりますため、しばらくお休みをいただきます】

    ま!
    何故にラー油を?

    仕方ありませぬ。
    ご主人さまが無事戻られるまで、餃子は我慢ですわね。




    関川さま、いらっしゃいませ♩

    相変わらずキレの良いノート・ジャックを、ありがとうございます♡

    夏場は生ものには充分気をつけてくださいまし♬
  • つばき様
    ご祝辞有難うございました。
    そして、キレの有るノートジャック&ノートジャックジャックを見せてもらいました(^^♪ そのうち仕掛けます♪
  • 高尾つばき様🌼。

    こんばんは。(*´∇`*)。😃💕。
    拙作、『Dカップ美少女JKひなぎく』に、フォローをありがとうございます。(^-^)。今日は、コンテストに落ちましたが、力をいただきました。嬉しいわ。♪。
    ぺこり。_(._.)_
  • さつきまるさま、おはようございます♩

    BWインディーズ、わたくしは不参加でございました。
    さつきまるさまが選考突破され、我が事のような喜びでノートへお邪魔いたしました♡

    わざわざおいでくださり、ありがとうございます!

    ノート・ジャックはいつでも、どうぞお気軽に乱入なさってくださいまし♬
  • 真白さま、おはようございます♩

    ま!
    フォローでいらしてくださるなんて!
    つばきは驚くとともに、真白さまのお人柄に感銘を受けておりまする♡

    もちろん、しっかりと拝読いたします。

    わたくしなどでよろしければ、拙うございますが、応援させていただきます♬
  • つばきちゃん、おはよー♬
    今朝はエクレアをお持ちしました♡中のクリームは、カスタードクリームもあんこも生憎売り切れてたので、明太クリームにしてみました♪明太子は一級品を使用していますので美味しさは保証付きでございます( ^ω^ )※糖分と塩分の摂り過ぎにはお充分気をつけてお召し上がりください♡♡

    ノート、楽しく拝読しました( ^ω^ )餃子は大好きだけど、キョニクタプリなキョーッツァは……うーんとりあえず見るだけにしとこうかなっ♡(笑)

    最近岡崎吉野の続編に縛られて山籠りしてましたが(笑)、やーーっと自由に!!なわけで、しばらく思い切りフラフラを楽しもうと思ってます(笑)
    また遊びにお邪魔しますねー♬
  • アオイちゃ~ん、おはようございま~す♪

    あらま!
    明太クリームのエクレアね♡ お高かったでしょう、でもありがたく頂戴いたします♪

    山籠りから下山なさったということは……は! まさか続編が公開されたのですわね!

    こうしちゃおられませぬ。
    わたくしはアタフタと用意をし、日焼け止めをイヤというほど身体中にすりこみ、いざ参らぬ!

    お待ちになててねえ、アオイちゃ~んっ!
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