満月に誘われるように、わたくしはフラリと夜の散歩に出かけました。
ようやっと寒さも峠を越し、町内のいたるところで梅が開花しております。
濃紺に近い夜空。ピザマンのようにちょっぴり黄みがかったお月さまが、美味しそ、いえ、綺麗に輝いております。
そういえば、『翡翠の月』なるお話があったようななかったような。
ふと道路に、キラリと月光を反射するものが。
ヒカリモノの大好きなわたくし。
タダ、貰う、拾う、を身上としておりますゆえ、すかさず駆け寄りサッと手に取りました。
瓶のふた?
な~んだ、と思いっきり大きなため息をつき、投球フォームに入ろうとして念のためにもう一度確認いたしました。棄てる前にもう一度。これは大切でございます。
おや? 瓶のふたではありませぬわ。
なにやらアルファベットの文字が光っております。
B・D……
なにかしら、BとDって?
わたくしの冴えわたる勘が、アラームを鳴らしました。
BはBoys、DはDetective、の略よ!
こ、これはあの「少年探偵団」が使用するアイテム、B・Dバッジ!
団員章であり、ツブテとして武器にも使用でき、尾行する際に等間隔で地面に撒いて仲間に知らせるという万能のバッジよ。
よく考えますと、いったい何個くらい持ち歩いていたのでしょうかしら。十個や二十個では足りませぬ。
武器になるくらいの硬さなら、けして軽くはないと推察します。五十個くらいはいつもポケットに入れていたのかしら。
半ズボンのポケットをパンパンに膨らませ、重くなったズボンで犯人を追いかけるのって大変でしたでしょうねえ。
で、なにゆえB・Dバッジがこんな所に落ちていますの?
は! まさか?
わたくしの切れ長二重の目が、約五十メートルほど先の地面に光を反射する小さな物体を見つけました。
そこにもバッジが落ちていました。
さらに先にも……
これはどうやら少年探偵団のどなたかが、悪者を尾行している証拠ね。
わたくしはバッジを捜しながら走ります。
もちろん、助太刀いたすためですわ。
バッジの主はどうやら町内のはずれにあります、時計塔へ向かっている様子。
その時計塔は高さ十五メートルほどあり、今は誰も住まぬ洋館に隣接しているのです。
長針がわたくしの背丈と同じくらい。百七十センチを軽く超えております。
かなり大きな時計塔でございますの。
果たしてそこに何が待ち構えているのか?
と、あおらせていただきながら、小休止。カクヨムさまをチェックするお時間でございます。
あ、「みかんをのせた、もっちん」にレビューをいただいております!
にぎた さま、
ご無沙汰いたしております。この度はご多忙の中、わざわざお目通しくださり、またレビューまで頂戴いたしまして誠にありがとうございます!
読んで幸せに、だなんて嬉しい♡
現代と過去の行き来はストレスなく把握いただくことは、できましたでしょうか。素敵なだなんて、こちらこそ感謝申し上げる次第でございます♪ 昔話、童話なる分野に初チャレンジでございました。
心より御礼申し上げます♬