『ジャーッ!
フライパンで豚肉のスライスと玉葱を炒める音。そこへすった生姜と醤油が手早く入れられる。
香ばしい音と、食欲をそそる香りがキッチンに漂っていく。
トントントン!
包丁のリズミカルな音が、キャベツを千切りに変えていく。
フライパンの横では、お豆腐とアゲ、ネギが鰹節で出汁をとったお味噌汁の鍋で湯気を立てていた。
ピーッ、ピーッ、炊飯器からご飯の炊けた合図が送られる。
「よっしゃ、ほならもう一品作ってまお」
茶色に少し白髪が入ったパーマヘア。豹柄のシャツの上に髑髏マークの散りばめられたエプロン、紫色のスパッツを履いた中年女性は冷蔵庫を物色する。
「なんや、しけた中味やなあ。これやったら、もっと買(こ)うてきたったらよかっやないの」
キッチン横にある玄関がガチャリと開いた。
「あっ、お帰りやで。ちょうどエエわ。今ご飯も炊けたさかいな。早う着替えておいでや」
「えっ」
「え、やあらへんがな。帰ったら、ただいまやろ」
「あ、ただいま」
「はいはいお帰り。なに突っ立っとんねん。はよ入り。しかしなあ、ろくなモン食うとらんなあ。冷蔵庫にほとんど買い置きがないやないの」
「あ、ほとんどコンビニ弁当なんで」
「ええ若いモンが、そんなモンばっかし食べとったらあかんで。はよ会社でエエ子みつけて、所帯持たんとお」
「あ、はい。でもなかなか出会いがなくて」
「さよか。まあエエわ。今日は豚の生姜焼きやけど、おみおつけはギョーサン炊いてあんで。
冷蔵庫入れといたら、まあ三日くらいはもつやろ」
「あ、はい」
「なにしてん。はよ着替えておいでや」
玄関先に立つスーツ姿の若い男性は、中年女性をマジマジと見つめる。
「あのう」
「はいな」
「どちらさま、でしたでしょうか」
「どちらさまいうて、アタシのことかいな」
「え、ええ」
「オバちゃんはな、ボランティアや」
「はい?」
「町内のな、若い独身の男の子たちをやな、食の面から応援する婦人会のボランティアや」
「えーっと」
「気にせんでエエで。こうしてまたオバちゃんが夕飯作りに来るさかい。
玄関の鍵やったら心配せんかてな。オバちゃんたちは町内にある独身向けアパートの合いカギを、全部持ってるんやで。
さあ、はよ着替えておいでや」』
……町内婦人会、恐るべし、でございます。しかし、なぜ関西弁?
親御さんも、これで安心してご子息を独り暮らしさせられますわね。
と、言ったところでカクヨムさまをチェックです。
あ、「みかんをのせた、もっちん」にレビューをいただいております!
まとりくれあ さま、
いつも本当にお世話になっております♪
ご多忙にも関わらずお目通しくださり、またレビューまで頂戴いたしまして誠にありがとうございます!
優しい物語だなんて、嬉しい♡ つばきにはまったく似合わぬお褒めの言葉ですけど、やはり感激でございます。
昔話から未来へつながるようなお話にしとうございました。
心より御礼申し上げます♬
あ、「カクヨム・パラレル・ワールドにレビューとお★さまを頂戴しております!
新戸皆鳴 さま、
どうも初めまして。この度はわざわざご覧くださり、またレビューまでいただきまして誠にありがとうございます!
お★さまを三つもいただけて、嬉しい♡ もちろんこの現在においては、ながらカクヨムはご法度でございます。ここまで徹底しておりますと、本当にホラーな世界でございますわねえ。
心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!
@mayayaさま、
どうも初めまして。ご多忙の中お目通しくださり、誠にありがとうございます!
お★さまをいただける出来栄えでございましたでしょうか。
心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!