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レビュー御礼&御礼~「受付」

わたくしはインフルエンザの予防接種を受けに、町内にございます総合病院へ来ております。

待合室には風邪が流行っておりますのでしょうか、大勢の患者さまが順番をお待ちです。

わたくしは受付前のソファに腰を下ろしまして、持参いたしました文庫本を開きます。今日は乱歩先生の傑作、『吸血鬼』でございますの。
すでに暗唱できるほど何度も読んでおりますけれども、何回拝読いたしましても新鮮なワクワク感にひたれます。

「受付はここかのう」

ひとりのご老人が受付前にやってこられました。
野良作業の途中なのか、土のついた生成りの作業服に、なぜかテンガロンハットをお被りに。

「はい、どちらの科をご希望でしょうか」

「いんやあ、どちらの科と問われましてもなあ」

「お風邪ですか?  それとも腰痛かしら」

「わしゃあのう、こう見えても元来丈夫いでな。風邪ではないわい」

「ああ、でしたら予防接種でしょうか」

「いやいや、ちと先生さまにな、診てもらいたいだけなんじゃ」

「こちらは総合病院ですから、患者さまのご容態に応じまして承りますけど」

「そうかいな。なに、実はな、去年だったかのう。わしゃあ、改造手術を受けましてな」

え?  カイゾーですって?  改造のことよね。
ププッ、このご老人ったら、怪人?  それともライダー?

「改造、手術、でございますか?」

「さよう。改めて造る、改造手術じゃな。したがってじゃ、今のわしは首から下はほとんど機械なんじゃ。
お蔭でのう、畑仕事がはかどることはかどること」

ご自身をサイボーグと思われておいでなのね。

はあっ、まあわたくしもいずれは年を取って、脳みそが休憩し始めますけど。
できるならそうなる前に他界したいわぁ。
美人薄命?  とも言われますし。おほほっ。
憎まれっ子、世にはばかる?  いえいえ、わ、わたくしは憎まれるような性悪女ではございませぬ。

受付の女性職員さまは、さぞかしお困りで……

「はいはい、わかりました。メンテナンスですね。
そういたしましたら、五番窓口まで行かれて、そこで診察券をお出しください。
今日は整備士も待機しておりますから、バッテリー交換もできますので」

は?  整備士?  バ、バッテリー?

ちょっと待って、マジにこのご老人ってサイボーグなの?

わたくしが知らないだけで、いつのまにやらそこまで科学は進んでいたの?

エ~ッ!

わたくしは世に疎い女と思われぬよう、何食わぬ顔で驚愕した顔の表情筋を急いで緩めました。


そうだわ、こんな時にこそカクヨムさまをチェックして、平常心を保たねばねりませぬ。

あ、「面妖な金属男」に、お★さまをいただいております!

狼狽 騒さま、
いつもお世話になっております。年末のお忙しい時期にご覧くださり、輝くお★さまと応援コメントを頂戴いたしまして、誠にありがとうございます!
タマサブこそ、サイコパス・キャラの原点でございます。応援コメントは本当に嬉しい♡
心より御礼申し上げます♬


ま、「夜空いっぱいのシューティング・スター」にレビューを頂戴しております!

秋保千代子 さま、
どうも初めまして!  この度は師走のご多忙時にご覧くださり、また江戸前のレビューをいただきまして誠にありがとうございます!
キレの良いお言葉、嬉しい♡
親っさんはお子さまに、ちゃんとご褒美を配ります。オトナには、ございませんわよねえ。残念。
心より御礼申し上げます♬
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます!

坂江快斗 さま、
平素は大変お世話になっております。ご多忙の中、わざわざお目通しくださり、またレビューまで頂戴いたしまして誠にありがとうございます!
屈指の名セリフだなんて、嬉しい♡
プレゼントを配り終えましたあとは、もちろん親っさんはアチコチの忘年会へ呼ばれもせぬのに顔を出して、お酒をいただきます。残務処理に今年も除夜の鐘を聴きながら、トナッちは捩じり鉢巻きでございますでしょうねえ。
心より御礼申し上げます♬


あ、「ひねもす漫研、オタクかな」にレビューをいただいております!

陽野ひまわり さま、
ひまわりちゃ~ん、本当にご多忙なのに、わざわざご覧くだすって。しかも嬉しいレビューまで頂戴し誠にありがとうございます!
漫研部員は、まず間違いなくどこかトンでおります。もちろん、わたくしだけはフツーの思考でございましたわ。本当よ。神さまに誓ってもよございま……ちょっぴりだけ、フツーのおかたよりも角度が違う程度かしら。おほほほっ。
読後感を褒めてくだすって、嬉しい♡
ちなみに私小説でございますため、97%はノンフィクションですの。
心より御礼申し上げます♬

11件のコメント

  • 高尾つばき様
    近況ノートで触れていただきありがとうございます。
    高尾様の作品は独特の世界観なので、私と思考が全く違って尊敬します。ああ、このような感性の方もいらっしゃるのだな、と。
    これからも独自の世界観を貫き通してください。
    では、体調にお気をつけてこれからも執筆活動のほど頑張ってください。
  • まあ! 狼狽さま、こんばんは♬

    わざわざ遠方までお越しくださり、恐れいります。

    そんな買い被り、でございますわ。
    わたくしなど、ホントにどこにでもおります平凡な乙女でございます。
    書き物されるおかたは、みなさま独自の感性をお持ちでいらっしゃいますゆえ。

    エールをお送りくだすって、ありがとうございます♡

    狼狽さまも、どうぞ厳しき寒さゆえ、ご自愛くださいまし🎶
  • お邪魔いたします。

    『夜空いっぱいのシューティング・スター』楽しませていただきました。
    江戸っ子トナカイという触れ込みに驚き、親っさんの心意気に心打たれ… オトナにはカクヨム珠は無いのですね(笑)。
    他の作品へも伺せていただきます、よろしくお願いします。

    寒い日が続いております、高尾様もお体に気をつけて、お過ごしくださいませ。
  • いらっしゃいませ〜♬

    秋保さま!

    わたくしには、「様」は似合いませぬ。どうぞ、「つばき」「つばきちゃん」もしくは「つばきち」などとお気軽にお呼びくださいまし♡

    え〜っと、わたくしの紡ぐお話は、猟奇な物語が多ございますゆえ、不快になられるやもしれませぬ。
    本当に死ぬほどお暇な時にでも、チラ見していただければ幸いでございます。

    秋保さまも、どうぞご自愛くださいまし🎶
  • こんばんは。
    先ほどは私の作品読んでいただき、さらに嬉しい応援コメント、さらにさらにレビューを寄せていただきありがとうございました!つばきさんには連載当初より応援ボタンたくさんいただき、たいへん励ましていただきました。改めてお礼を言わせてください。
    ありがとうございます。
    ということで今後とも仲良くしてやってください。
    ではまた!
  • 関川さま、こんばんは〜♬

    まずは「賢者の手」完結おめでとうございます!
    丹念に仕込まれた良品で、楽しい読書タイムを頂戴いたしました。
    ありがとうございます♡

    もちろん、こちらこそでございますわ、関川さま。
    ちと風変わりな乙女ではございますれど、仲ようしてあげてくださいまし🎶

    新作も楽しみにお待ちしております♡
  • ま! 関川さま、こんばんは♬

    師走の中、遠方までお運びくだすって嬉しい♡

    童話のようなクリスマス物語を描く予定でしたのに、やはりキャラが濃くなってしまいましま。
    素敵なレビューを頂戴し、つばきは舞い上がっております🎶

    今年もあとわずか、どうぞご自愛くださいまし♡
  • つばきさん、こんにちは♪

    「夜空いっぱいのシューティング・スター」、読ませていただきました。
    トナちゃんやおやっさん、みなさんチャキチャキの江戸弁でひょうきんで(笑)そこに、ぐっとくるストーリーを絡める…読む者の心を完全に鷲掴みにするこの演出。う〜〜〜ん、ずるいっ!!!♡(笑)

    心の温まる優しい物語を紡いでくださって、ありがとうございます。とっても幸せな気持ちを分けていただきました♡♡

    「掬い上げるもの」お読みいただいて、とても嬉しいです!つばきさんにこんなにも丁寧に作品を読んでいただけるなんて、幸せすぎる…♡♡
    応援コメントのお返事、少しずつ書かせていただきますね♪

    クリスマス、もうすぐですね!
    素敵なクリスマスになりますように♡♡
  • アオイちゃん、こんにちは~!

    あら、「夜空いっぱいの~」をご覧くだすったの!

    嬉しい♡
    ありがとうございます♬

    さっそく御礼のノートを立ち上げなくては、ですね。

    わたくしは毎年クリスマスには、エア彼氏とともにキャンドルライトを灯しながら町内を歩きますのよ。仲良く腕なんか組んだフリをしながら。
    ちょっとイタイかしら。うふふ♡

    アオイちゃんもスパークリングワインなどかたむけられ、年に一度っきりの聖夜をお過ごしくださいませ♬
  • 私、結局ウイルスICHO-ENに感染いたしまして、お腹を抱えながら総合病院にやってきました。

    ああ、早く診察していただいて薬をいただきたい…。
    すがる思いで診察券を機械に通しましたところ、「5番窓口へ」の紙片が出てまいりました。
    ヨロヨロと5番のブースへ行き、診察券を出して順番を待ちます。
    猫背でソファに座る私の視界に入ってきたのは、テンガロンハットをかぶった作業服姿のおじいさん。
    ブースの窓口のお姉さんに「メンテナンス」とか「バッテリー交換」とか、車の修理のようなことを相談されています。
    こういうお年寄りを相手ににこやかに応対しなければならないスタッフの方は大変ですわね…って、今は人のことを考えている余裕などないのでした。

    「陽野さーん」と呼ばれて診察室へ入ります。
    と、白衣を着たお医者様の横に、なぜかグレーのつなぎを着ていらっしゃる男性が一人。
    機械油のような汚れを顔や手につけており、看護師さんではなさそうです。
    「陽野さん…は、こちらの科は初診ですね。ということは、今日は改造手術のご相談ということでよろしいですか?」
    「は?カイゾー、シュジュツ…?私は胃腸の調子が…」
    「ああ、医長からの許可は後日改めてで問題ありませんよ。こちらの科はかなり先進的な医療を手掛けてますから、私の一存で適切な治療であると判断すれば手術可能ということになります」
    「え?私のお腹は手術が必要なほど深刻なのでしょうか?」
    「そうですね。手術すれば定期的なメンテナンスとオイルやバッテリー交換程度で10年以上は健康を保てるかと」

    オイル交換?バッテリー?

    「えっと、こちらは胃腸炎の治療をしてくださる内科では…」
    「え?この5番ブースは改造内科ですが」

    そう言われて、どビックリ。診療室を改めて見回すと、車の整備工場のような機材が並べられ、先生の手元にもレンチやらドライバーやら、およそ医療とは関係のなさそうな道具ばかりが並んでおりました。

    「し!失礼しましたーっ!!」
    私は診察室を飛び出し、改めてポケットに入れた紙片を確認いたします。
    …と、どこをどう見間違えたのやら、案内された窓口は「5番」ではなく「2番」でした。

    腹痛にくわえ、動悸眩暈がおさまらぬまま長い廊下をふらふらと歩きますと、かすんだ視界にぼんやりと「2」の白い数字が見えてきました。ソファには一人、見覚えのある女性の人影が。
    「あら、つばきちゃ…」
    声をかけようとした私に、突然ズンドコと突き上げるような腹痛が襲ってまいりました。
    私は慌ててトイレに直行したのでありました。

    …と、遊んでいるうちに下ネタになってしまいお恥ずかしい限りです。
    実は本当にICHO-ENにかかりまして。ええ、もうすっかり回復はしたのですけれど、健康のありがたみを改めて実感しております。
    5番診察室で改造手術を受ければ健康の悩みからも解放されるのでしょうけれどねぇ(;^ω^)
  • 乱歩先生の御作は、タイトルが素敵なのよねえ。だって、仇討ちのお話に「吸血鬼」よ。

    わたくしの切れ長二重の目が、左から右へ突風が吹いていくのをとらえました。

    「え? 病院内に、ツムジ風? でもドタドタ〜ッて走る音が……」

    「高尾さ〜ん、診察室へどうぞ」

    わたくしは「は〜い、ただいま」などと、よそ行きの声でお返事。

    なぜいい歳をした乙女が、注射一本で泣きべそをかきながら診察室から出てきたのか、などと思わないでくださいまし。

    誰にでも得て不得手なるも……え?
    今度は右側から左へ突風が凄まじい勢いで吹いていったわ。しかもドタドタ〜ッて足音を響かせて。

    さあってと、涙を拭いまして、お会計をすませ……は? またまた左から右へ突風? ドタドタ〜ッて何の音?

    いったい病院内で何が?
    まさか妖魔!

    でも今日はダメ。
    だって予防接種を受けた日は、絶対安静にしなければなりませんもの。

    わたくしは、脂汗をかきながら走り回る可哀想なひまわりちゃんに、ちっとも気づかずに病院をあとにいたしました。


    あらま、ひまわりちゃん、師走真っ只中にICHO-ENだなんて、かわいそう!
    もうお加減はよろしくって?

    ちゃんと手洗いなさってくださいな。
    なんて、お子さまではございませんわね。失礼いたしました。

    でもいずれ人類は自身を改造してでも、長生きしようとするのでしょうねえ。
    わたくしは、美人薄命♩
    おほほほっ……はあっ……
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