『な、なんですと! これがいわゆる「イジメ」なる悪質かつ陰湿な行為か……
くうっ、我が国の行政機関は、いったい何を手をこまねいているんだ。
なんならこのボクが神より与えられし、この脳髄を少しだけ使って「イジメ」に対する報復手段をネットで拡散してあげてもいいんだぴょ~ん。
ふむふむ、でもちょっと待てよ。
これらの「イジメ」行為って、ボクが中学時代にクラスメートから受けていた “ 愛情表現 “ に、似ているかも、かも、グヘヘヘッ。
研究室と住居を兼ねたマンションの一室で、ボクはPC画面を見ながらニヤリと笑う。
とてもニヒルな笑みだ。それも、極めて自然に浮かべてしまうボク。
神はボクに、二物も三物も与えたもうたようだ。その分、一物も持たない輩生まれてしまうのは、仕方あるまい。摂理だ。
中学生のころ、女子たちがひざまづいてでも拝みたいとこい願った、クールかつインテリジェンスなボクの微笑み。
男子でさえ、同性のボクに微笑みかけてもらいたいがゆえに、あらゆる手練手管を使って接触を試みてきたっけ。
まあ、それでも中にはボクの関心を引きたいがためだろう。
「あいつの笑った顔は魔界に住まうインキュバスのように、卑猥で不気味だ。絶対変質者に違いない」などと陰で言っている友人たちも、いるにはいたさ。
懐かしき思いで。
おっと、また大きな声で独り言を口にしているぜ。でも大丈夫さ。だってこの室内は、完全防音。
パーフェクトに音が遮断されているんだ。もちろん天才であるボクが、独自の工法で壁を加工しているからなんだぜ~。
ムフフ~ッ、大家にはもちろん極秘で。
実験で火薬の量を誤って、室内で大爆発させたことなど数えきれない。それでも近隣の住人からはなんの苦情もこないんだぜ、だぜぇ。
家財道具を度々木端微塵にしてしまったが、ボクはまったく気にしてないんだぴよ~ん。
だって銀行にはボクが発明した数々の特許料が、いつも入ってきてるからね。お金は、あるところにはあるってことさ。
おっとっと、自己紹介を忘れるところだった。
ぐふふっ、紳士たるもの、あまりに完璧すぎてもダメ。
ワザと忘れることで、凡人たちに安堵感をいだかせてあげるのさ。
結構気苦労が多いな、ボク。
ボクは、炉治珠三郎(ろち たまさぶろう)。
日本が誇る天才発明家だ。
IQ190で、これはあのアインシュタイン博士と肩を並べる。
どう? すごい? 褒めてもいいんだぜ。
話をもどすとするか。
そうそう、ボクの中学時代の話だったね。ちなみにボクは、中学を途中で抜けてやった。
履歴書なんて書くことは生涯ないだろうけど、だから最終学歴は「小卒」かな。それとも「中学中退」のほうが何か恰好いいかな、グフッグフッ。
天才にとって学校などというところは、幼稚園のお砂場よりもつまらなかった。エジソンも多分そうだったんだろうなあ。
だけど、友人たちがボクを慕ってくれていたことは忘れはしないさ。
今ごろみんなは大学受験とやらでヒーヒー言ってるんじゃないかな、可哀想だけど仕方ない。
凡人に生まれた星を嘆くしかないのさ、この国ではね。
クラスメートたちは、何とかボクに振り向いてほしかったんだろう。色々と手を変え品を変えてボクにすりよって来てた。
登校して下駄箱で上履きに履き替える。そうすると隙間なく画鋲がボンドで張り付けてあるんだ。
でもね、その針の位置がさ、ボクの足裏のツボの位置とピッタンコ合うんだ。グッフフ~ッ。
誰かしらないけど、一生懸命鍼灸の勉強をしたんだろうさ。ボクに喜んで欲しくてね。
机にしまっておいた教科書。
国語は丁寧に全ページが糊付けされていたし、数学はマジックインクで数字を全て塗りつぶしてくれていた。
これは思わぬサプライズ。
ボクは天才だから、一度、いいかい一度だ。目を通した書籍類は余すことなく脳にインプットされている。だから教科書なんて、はっきり言えば必要なかったんだよ~ん。
そのことをボクの隠れファンクラブのメンバーが、どこからか情報を仕入れてきて、ボクが教科書を開く、もしくは開こうとして苦笑する。その笑みをワクワクしながら見ていたんだと思う。
多分、ボクのとっておきの笑顔をスマホで隠し撮りして、みんなスマホの待ち受け画面にしていたんじゃないかな。
特に女子からは、いつも熱い視線を浴びていたから、年中身体は熱かったさ。冬にランニングシャツでも汗をかいてたし。
夏の体育で、プールでの授業があった。ボクは二百メートル程度なら息継ぎなしで泳げるんだ。河童?
だから少しでもボクの魅惑的な肉体にあやかろとしてか、男子たちがボクをプールの底へ沈めたまま、順番に足で押さえて水面に上がれないようにしてくれたことがある。
おいおい、仕方ないなあ。みんな順番だぞ、なんてボクはVサインをプールの底から送ってあげたさ。
プールから上がって、さあ着替えようとした。
あ~、まただよ。
ボクの下着から制服にいたるまで、すべて奪い合うようにしてみんなが持っていっちゃってたんだ。
グフッ、言ってくれればサインを入れて渡してあげたのに。
身体を拭くタオルまで無くなっていたから、その後の授業は濡れたまま、海水パンツ一丁で受けたのさ。
気化熱でボクはとても涼しく過ごすことができたんだぜ、だぜ~っ。
ものの十五分もあれば、カラッカラに乾いてしまうほどの体温だったからね』
と、まあキテレツな怪人でございます。拙作「魔陣幻戯~」、「千年魍魎~」に登場いたします、タマサブこと、炉治珠三郎を主人公に描く「金属男」がまもなくアップされ……るかどうかはわかりませぬ。
おっほっほっほほ~♬ あ、けして気はふれてはおりませぬ。
独り遊びを中断いたしまして、カクヨムさまをチェックいたしましょう。
あ、拙作「予想外な涼ノ宮兄弟」にレビューをいただいております!
陽野ひまわり さま、
ひまわりちゃん、この度は大決心を賜りまして、誠にありがとうございます!
レ、レビューいただきますのにまるでアスリートのような特訓を密かになさっておられたとは……つばきは腰を抜かして恐れ入っております。洗練されたレビューを頂戴いたし、むしろ本作よりも感動モノでございます。嬉しい♡
「ダップンさん」、ありがとうございます。きしくも朝ドラで「べっぴんさん」なる物語がスタートいたしております。あ、まったく関係はございませぬ。こちらこそありがとうございます。お目汚しになっておらねば良いのですれど……
心より御礼申し上げます!
あっぷるぼんばーさま、
まあ! 戦友あっぷるさま~! レビューをいただけるなんて、わたくし気が動転しておりまする!
あら、わたくしの脳髄でございましょうかしら?
いたって平々凡々な、ツルンとむいたゆで卵みたいですわよ。わたくしは脳といえども “ しわ ” を作らぬよう日夜努力いたしておりますもの。乙女としましては、当たり前のことですわね。
え? ちと観点がずれております? うふふ♡
心より御礼申し上げます!
@hesirakumaruさま、
どうも初めまして! この度はお時間をいただきまして、誠にありがとうございます!
万人の皆さま向けでは、けしてございませぬ。それでもご覧くださり、キラメクお★さまを頂戴いたしまして、つばきは有頂天でございます♬
心より御礼申し上げます!
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます♡
ま! 拙作「猟奇なドール」にレビューをいただいておりますわ。
平原志恩 さま、
しおんちゃん、本当にご多忙の中お目通しくださり、レビューまでいただけるなんて、ありがとうございます!
よもやテロリストがああなるだなんて、おほほっ。しおんちゃんにドン引きされたらどうしましょう……などと不安を抱いておりましたのよ。しおんちゃんの描かれる世界観とは異なる魔界の物語ゆえ。
それでも嬉しい♡
これをシオに、さよ~なら~なんておっしゃらないでくださいまし。
さらなる奇怪な世界へご案内いたしとうございますゆえ。
心より御礼申し上げます!
あらま! 拙作「ひねもす漫研、オタクかな」に、燦々と輝くお★さまを頂戴いたしております!
@hesirakumaruさま、
二作も続けてご覧くださり、誠にありがとうございます!
貴重なお時間に無駄にはなりませんでしたでしょうか……ちょっぴり心配でございます。
心より御礼申し上げます!