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レビュー御礼&御礼~「エクソシスト 2」

狼男の喰いしばった口元が、ミリッミリッと不気味な音を立てながら伸び始めております。
その間に、背骨も弓のように反り、むき出しの腕も変形しつつございます。

変身には、死ぬほどの激痛が襲うと聴いたことがあります。
確かに狼男は窪んだ双眸を固く閉じ、血の涙をあふれさせております。痛そう……

「ホッホウ、CG映画ミタイ、デスネエ!  ファ~ンタスティ~ック!」

「し、神父! 早う早う、なんとかいたしませぬと!」

わたくしは岩肌に掴まったまま、クラウス神父に叫びます。

「オウッ、ソデシタ、ソデシタ」

言いながら降ろされたバッグに手を突っ込み、なにやらお探しの様子。

「銀の弾丸ですわね!  
西洋の化け物には致命的な攻撃を与えることができますもの」

「ウンニャア、違イマ~ス、ツバキチャ~ン」

「――え?」

「イヤ、持参シテタンデスヨ。トコロガドッコイ、没収サレチマッタノヨ~ン」

「よ~んって……」

「ワッハッハ~ッ!  ポーランドノ税関デ、見ツカッチャッタノデ~ス、拳銃ガ。彼ラノ目ハ、ヤハリ、節穴ジャナカッタワサ~」

「わさ~は、よございます!  銀の弾丸がなければ、わたくしたちも狼男の餌食にっ」

「大丈夫、大丈夫デスネ。ドロ舟に乗リ込ンダツモリデ、ド~ント、オ任セアレ~」

「いやいや、泥舟って、沈んでしまいますう~っ!」

クラウス神父はニヤケた笑みを浮かべたまま、バッグから手を抜きましたの。

その手には野球ボールが握られておりました。

「……少し、おうかがいいたします。よもや、そのボールを狼男にぶつけるおつもりなのかしら?
え~っと、確かに当たれば痛うございます。でも、それだけ。
頭にコブをこさえた狼男は、痛みで逆上するのみですわ~!」

わたくしは、ガクッと頭を垂れ、力なく左右に振りました。
ああ、異国の地でわたくしは骨となるのね……

「ウヒャヒャッ。ジャア、イックヨ~ンッ」

クラウス神父は大きく振りかぶって、そのボールを投げました。
ところが、ボールは狼男の遥か上空へ弧を描いて飛んでいきいます。

ボールすらもまともに当てられないのかいな、オイ、などとちょっぴり関西風のツッコミを入れるわたくし。

その時です。

狼男の上空でポフンッと頼りない音で破裂いたしましたボールが、なんとしたことでしょう、ブワッ!  と凄い勢いで広がったのです。
まるで漁船から投網を波間に投げましたような、そんなイメージでございます。
しかも広がった不透明膜は空中で停止したまま、さらに広がるのです。

「ああ、月が!」

わたくしはその様を見ながら叫びました。

膜は狼男に降り注いでおります月光を、遮断していたのです。

ビクッ!

狼男の肉体が大きく動きます。生えかけておりました獣毛、歪に変形していく肉体に異変が起きたようです。
浴びておりました月の光を遮断され、変身が途中で止まったのです。

「クラウス神父、これは!」

「ムッフフフ~ッ。イイデショ、コレ、ソレ、アレ?  
バ〇カン情報部ノ技術班ガ開発シタ、遮光膜ダヨ~ン」

「こ、これなら狼男を人間体として捕獲――」

あら、ヘルメットのゴーグルの端に、見えてはいけない光がチカリと。

ふり仰ぎますれば、膜はヒラヒラと浮遊しておるのですれど、一部にほころびがあり、そこから月光が差し込んでいるではありませぬか。

完全に人間体にもどった狼男の身体に、再び魔界の光が変身をうながします。
肉体がまたも音を立てて、歪に曲がり出します。

ところが風の具合か、ふとほころびが塞がり、光を遮断いたしましたの。
狼男の身体はまた音を立てて、人間体にもどっていきます。

はっ!  またほころびが開いた!

で、また狼男の身体が変化していきます。

と、申しますか、これが延々と続いていったのでございます。

結局、狼男は人間の肉体と、怪物の身体へ行ったり来たり。その度に憐れになるほどの激痛にさいなまれたようでございます。化け物の咆哮から、人間の悲鳴に変わっていきました。

最後なぞ、とうとう岩肌から転がり落ち、わたくしたちに土下座しながら泣き叫びましたの、狼男が。
頼むからどっちかにしてくれと。こんなに秒単位で変身したり戻ったりする時の激痛が、アンタらにわかるか、と。

己の大罪を棚に上げて訴えます。

まあ、それで結局狼男はわたくしたちにお縄を打たれてチョンでございました。

ただ、クラウスさまが持参いたしました遮断膜は、まだ開発途中の段階で、こっそりくすねてきていらしたようなのです。
ですから、未だに回収できないまま、あの異国の地にて浮遊したままらしゅうございます。


回顧話にやや喉が枯れ気味のわたくしは、用意してありますアイスティをば失礼してと。
さあ、カクヨムさまのチェック・タイムよ。

あ、拙作「ひねもす漫研、オタクかな」にレビューをいただいております!

平原志恩 さま、
いえ、しおんちゃん。お忙しい御身でありながらご覧くださり、レビューまで。誠にありがとうございます!
ええ、これは私小説。97%は事実でございます。3%ほどチョッピリ脚色いたしておりますれど。うふふ。
世界を救う!  もしかしたら、本当にわたくしたちが知らぬ間にした行為が、そうなってるやもしれませぬ。ただ、逆の場合、ちと想像したくございませんわねえ。
深く深くお読みくだすって、嬉しい♡
心より御礼申し上げます!


ま! 拙作「猟奇なガール」にお★さまと、レビューを頂戴いたしております。

@NAAAAさま、
どうも初めまして!  
この度はお目通しくださいまして、誠にありがとうございます!  いただいたお★さま、つばきは大事にいたす所存でございます。
猟奇な世界はいかがでしょうかしら。年に一度くらいはこの世界にいらしていただけたら嬉しい♡
心より御礼申し上げます!
今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます♬

平原志恩 さま、
しおんちゃん、お時間いただいて恐縮でございます。レビューまでいただいて誠にありがとうございます!
猟奇、と申しましても、やはり乱歩先生の前では霞んでしまいます。
つばめちゃんはいつだってポジティブ・シンキングの女子でございます。すこ~しだけヤバいかもしれませぬ。
人を想う心、百人百様でございますわねえ。でもちょっと引いてしまいますでしょうか。うふふ♡
心より御礼申し上げます♬

あらま!  拙作「トリック・トリップ 無限大」にレビューをいただいております!

(13)ひとみ さま、
いつもいつもご贔屓くださいまして、誠にありがとうございます!
この物語、すっかりジュラ紀あたりの地層まで沈んでおりましたの。
ですから、喜びもひとしおでございます♡
どこまでお話を広げたものかと、試行錯誤の末に今の形に落ち着きましたの。もっと広がる内容かもしれませんわね。ただ、わたくしの力が及ばず、でございました。
心より御礼申し上げます♬

10件のコメント

  • こんばんは、つばきちゃん。

    秒単位で人間と狼男をいったりきたりって想像するだけでグロいな(;^_^A
    相変わらず近況ノート劇場は続いているようですね。継続は力なりということで、これからもがんばってね♪

    ところで、改めましてレビューをありがとさんっ。いやでもびっくりしたよね。何がって、つばきちゃんからお☆さま貰ったあと、その連鎖なのか色んなところから☆が投じられちゃってさ( ゚Д゚) みんな案外、ホラーに飢えてるのかなぁ。ま、カクヨムを題材にしているからってのもあったんだと思うけどね。

     最終話で『デスノイズは連鎖する』とか書いちゃったから、執筆しようか検討中。ネタはあるからすぐ書けるけど、ホラーを読んでもっと勉強しまーす。

     それといつもありがとね、つばきちゃん。では、また(^▽^)/
  • つばきちゃん、こんばんわ!

    私が書いたレビューよりも、つばきちゃんの書いたお礼のノートの方が断然素晴らしい件。

    狼男哀れなり。
    すっごい面白かったです!(笑)
    神父さま、ただの役立たずじゃん! とか序盤思ってごめんなさい。
    他のお話も、これから読むのが楽しみでなりませぬ。

    それから、私の方のノートにも書いたんですが、拙作の短編にレビューを頂きまして、ありがとうございました。
    すごく嬉しかったです♡

    つばきちゃん、本当にいつもありがとうね!
  • あ! ノエル先生のお出ましよ!

    おはようございます♬

    相変わらずの近況ノートでございます。御新作の「キンキョウノォト」に比べますれば、まだまだですわねえ。
    ホラーに加え、カクヨム界に住まうかたがたが読みたくなってしまうシチュエーション、流石でございます。
    やはり読まれてナンボ、の厳しき世界でございますゆえ。

    さらにグロテスクなホラーを、ワクワクしながらお待ち申し上げております♡
  • しおんちゃん、おはようございます♡

    わたくしの近況ノートは、単なる言葉遊び。あくまでも「御礼」が主役でございます。あまり真剣にお読みいただく代物ではございませぬ。

    「春の足音」、短編ながらとても素晴らしい作品でございます。
    昨今、イチャラブ、であるとか、胸キュン、と枕詞のつく恋愛小説が主流ではありますれど、やはり御作のような長きにわたり読まれる物語を、わたくしは好みますわ。

    ご多忙の中、わざわざご足労くださいまして、こちらこそありがとうございます♬
  • つばきちゃん、おはようございます♡

    真剣に読まないともったいないほど面白かったです!

    ありがとう。
    本当は、イチャラブとか胸キュンが書けないだけなのに……
    そう言ってもらえると救われます。

    いつも丁寧にコメントしてくれて本当にありがとうね!

    今日もつばきちゃんにとって、素敵な一日でありますように☆
  • おはようございま〜す♬

    しおんちゃん、お運びくだすってありがとうございま〜す!

    「春の足音」に続いて、ぜひしおんちゃんの世界を紡いでくださいませ。
    なんでもそうでございましょうけど、小説って書けば書くほどケタ違いに技術力が上がりますものねえ。

    長編は長編なりに、短編は短編なりの難しさがございます。でも書き上げた時の心地よい脱力感、達成感は同じ。

    などと、わたくしには似合わぬ真面目な展開、失礼いたしました。

    もうすっかり冬の大気に包まれております。どうぞご自愛くださいまし♡
  • つばきお姉様

    いろんな所でお姉様の後ろ姿だけはお見かけしていたのですが、お部屋に来るのは久しぶりでございますわ。

    いえいえ、ノートはいつも読ませて頂いておりますの。

    11月になってコンテストの期限が迫っておりますので、途中まで読み進めているお作品だけでも、なんとかレビューを書ける所までは読まねばと焦っておりました。

    恋愛コンのお作品にきゅんきゅんしながら、スキップで寝落ちの泉に引き込まれる日々でございますわ。

    ほうっ。ひねもす漫研気になる……。
    姫二郎様があんな事やこんな事をされてるのでは……。

    ああ、いけない。
    もうお時間が来てしまいました。
    行かねば……。

    いつも「野球ドル」に応援ありがとうございます。
  • あらあら、ライオンちゃん♬
    お久しゅうございます。

    「ゼグシオとゼグロス」の回、拝読いたしました。まねちゃん、監督さまにもしかしたら……
    続きが待ち遠しいわねえ。

    拙作は、う〜んと後回しになさってくださいまし。なんなら、とばしてくだすってもよございます。近況ノートだけで、充分ありがたいと思っておりますのよ。

    あ! そうそう。
    近々、ライオンちゃんからご提案のあった物語、発表してみようかしら。などと思っております。わたくしの猟奇キャラ、原点でございます。
    その節には、どうぞよろしくお願い申し上げます♡
  • つばきちゃん、おはよ♡

    こちらこそ、ノートに足を運んでくれて、どうもありがとう!

    つばきちゃんの真面目な話、とても好きですよ。
    勿論猟奇ストのつばきちゃんも大好きですけどね!

    本当に長編、短編、どちらにもそれぞれの難しさがあって、勉強になりました。

    つばきちゃんこそ、いつ寝てるのか私はとても心配していますよ。
    風邪ひかないように、暖かくして夜回りしてね(笑)

    今日もつばきちゃんにとって、素敵な一日でありますように☆
  • しおんちゃん♬
    おはようございます!

    不真面目をマジメにする性分のわたくし。真面目をマジメに語っても面白みがございませんわねえ、うふふっ。

    わたくしの
    身を案じてくだすって、ありがとうございます♡
    睡眠欲はあまりありませぬ。あ、でも年金生活者ではございませんわよ。
    きっちり労働して、納税しておりますゆえ。

    町内パトロールが少しづつ辛い季節になって参りました。
    しおんちゃんも、どうぞご自愛くださいまし。あ、インフルエンザ予防接種もお忘れなきよう。
    わたくしはすでに済ませておりますのよ。
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