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レビュー御礼&御礼~「珍客 2」

世紀の大怪盗、怪人二十面相が我が屋敷のリビングにて、くつろいでおられます。

わたくしは急いでお茶の用意をいたしてリビングへ。

ドイツ製の革ソファに、身を委ねておられる怪人二十面相。

でもその見てくれは、どこからどう観察いたしても “わたくし” なのです。しかも目にも鮮やかな、真紅のカクテルドレスに身を包みました……

正体を自らバラしたからでしょう。ソファに胡坐をおかきになり、爪楊枝をシーシー言わせながら、鼻をほじっておいでです。

もし他人さまが偶然このシーンだけをご覧になれば、間違いなく「つばきさんって、普段は清楚でお淑やかなレディを演じていただけなのね。ご自宅では、まあなんと破廉恥なお姿」などと思われるに違いありませぬ。シクシク。

「アイスティでございます、二十面相さま」

「おお、これはありがたいのう。先ほど商店街に一軒あった中華料理屋で、昼飯を食うたんじゃ。
店から出る時に、一気に走りだしたもんでの、喉がカラカラじゃわい」

「お食事直後に運動なさるのは、あまり身体に良くは――」

「そりゃあ、明智くん。無銭飲食するのに、走らぬ馬鹿はおらんだろう」

「む、無銭飲食!  よもや、その “わたくし” の恰好で、でございますか!」

「当たり前じゃ。明智くんと瓜二つの、このスタイルじゃよ。
店主くんがわしを追いかけながら、『待つある~!  タカオさ~んっ、代金いたたいてないあるよ~!』などと叫んでおったがの。
明智くんをどなたかと間違いおったわ。
ウワッハッハッハ」

わたくしはソファから崩れ落ちそうになりました。

このわたくしが無銭飲食してトンズラこいたなどと思われたくありませんゆえ、後ほど菓子折りなど持参いたしまして、お代金を支払いながら平身低頭謝罪せねばなりませぬ。

でもちょっと待って。

「つかぬことを、おうかがいいたします」

「なんじゃな」

「その出で立ちは、どこかでお着替えになってこられたのですわね?」

「うんにゃあ、違うわい。わしゃあ自宅でこの通り、明智くんに化けての、そのまま電車とバスを乗り継いでこの町までやってきたんじゃわな」

では二十面相さまは、夜会用艶やかなるカクテルドレスで町中を歩いたり、走ったりなさってきたの?

わたくしは一瞬気が遠くなりました。

町内を “わたくし” はドレス姿で人さまの前を駆け抜け、その上無銭飲食……

ああ、わたくしはもう町内を出歩けませぬ!
間違いのう町内の皆さまは、わたくしがとうとうイカレてしまったと思われてるわ。

人の気も知らず、二十面相さまはストローから音をお立てになりながら、アイスティをお召し上がりです。
コップを傾けながら、氷をバリボリ噛み砕きながらわたくしを見られます。

「まあ、なんじゃな。こうして好敵手がお互いにいい老後を送っておるちゅうのを確認できたらの、それでよいわな」

「ちょ、ちょっと二十面相さま!  わたくしが老後を迎えますのは五十年は先でございますわよっ」

「うんうん、相変わらず明智くんは精力的でなによりじゃ。さてっと、そろそろおいとまいたそか」

二十面相さまは、よっこらせっと掛け声とともに立ち上がられます。

「せ、せめて “わたくし” の変装を解いてからお帰りくださいませ!
これ以上 “わたくし” の品位を、無理矢理引きずり落とすようなことは、お止めくださいまし」

「それがのう、明智くん。近ごろ物忘れがひどくなってしまっての。変装用の化粧道具を自宅に忘れてきてしまったようなのじゃ。
ワッハッハ~ッ」

「ワッハッハじゃなくてですわね。あ~っ、もうよございます!  わたくしの専属車夫さまをお呼びして、ご自宅までお連れ申し上げますわ。でもその前に」

わたくしは立ち上がりますと、二十面相さまのお召しになっておられますドレスをまくり上げます。

「あれ~っ、ご無体なあ」

二十面相さまは、わたくしの声音をそっくり真似され身をよじられました。

ドレスの下には越中ふんどしをキリリと履いておられます。
そのお腹には、いつの間にくすねられたのか、わたくしの宝石箱や、高級腕時計がふんどしの紐に括り付けてあったのです。

「うふふふっ、さすがは明智くん。よくぞ見破ったな」

わたくしは汚いものをつまむように、それらを取り返しました。

この頃ご無沙汰の、斎藤タクミ似の車夫さまへ呼び出しを掛ける前に、カクヨムさまだけはチェックです。

まあっ、拙作「ひねもす漫研、オタクかな」にレビューを頂戴しております!

鶯ノエル先生、
いつも大変お世話になっております。
ご連載中にも関わらず、ご覧くださりまた望外なレビューをいただきまして、誠にありがとうございます!
姫二郎の初出場でございます。漫研には他にも色々なキテレツ人種がおりますのよ。もちろん、SFではございませぬ。
ですから唯一この作品だけは、連載中としております♡
リカちゃん人形は、わたくしも所有いたしております。残念ながらいたって普通バージョンでございます。
心より御礼申し上げます!


あらっ、拙作「明日へ奏でる草笛の音」に、キラビヤカなるお★さまをいただいております!

ズイさま、
どうも初めまして。この度はわざわざご覧くだすった上に、お★さまを頂戴でき、誠にありがとうございます!
つばきはさらに、ポジティブに拍車をかけております♡
心より御礼申し上げます!
今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます ♬

15件のコメント

  • こんばんは!

    う〜ん。明智くんに間違えられて大変なつばきさん。大丈夫でしょうか。

    つばきさんの近況ノート読破しましたよ〜
    楽しかった♡

    私も浅田次郎さんの作品は大好きです。特に『蒼穹の昴』からの『マンチュチアンリポート』までの繋がり、描かれた張作霖が大好きです。私は好き嫌いが激しくて。そんなに読書量はないのですが。つばきさんの次回作を楽しみにしていますね。
  • ズイさま〜!
    いらっしゃいませ〜♬

    わざわざ遠方まで、ありがとうございます。
    レビューやお★さまは飛び上がるほど嬉しゅうございます。
    でもわたくしは、読んでくださるかたがいらっしゃるだけで満足なのでございます。ですから、お★さまはとても嬉しい♡
    これからもどうぞ、宜しくお願いいたしまからす!
  • あら、金木犀の香りに混じるフローラルのこの香りは?
    やっぱり愛夏さまでした〜!

    来ていてくだすって、嬉しい♡

    浅田次郎先生をお読みになりますのね? これは気があいそう。うふふ。
    一晩中お酒を傾けながら、お話できたら楽しゅうございますでしょうね。

    近況ノートをご覧くだすって、ありがとうございます!

    わたくしも新作を考えねば、ですね。
    愛夏さまの次回作、今から心待ちにいたしております♬
  • つばっきー、こんばんは。
    あら?今日は何だかワイルド……「人間かき氷器」みたいなことしたり、木枯紋次郎の真似なんかしたりゞ(≧m≦●)ププッ 

    それはさて置き……
    早速読んでくれてありがとう(*╹◡╹*)アリガト
    今回も意外でした? でも、少しは光明が見えたかな。
    陽太くんがんばってくれるとイイけど(いいけどって……あんた)
    前半はスローでしたが、後半はジェットコースタームービーです(笑)
    あと8回か9回、10月中の完走を目指して突っ走りたいところです。
    最後につばっきーに褒めてもらえるようにがんばるね❤

    いつもありがとね(*╹◡╹*)アリガト
  • これはようこそ、いらっしゃいませ〜!

    いつもありがとうございます。
    RAYちゃんの場合、エッジの効いた情況描写と、人物の心を見事に文章にされるところも好きなのですわ。
    よほど鍛えておりませぬと、これはできませぬもの。

    本当はすぐにでもレビューを書いて、他のおかたにお知らせしたいのです。
    でもその前に、一読者として、一ファンとしてじっくり読みたい気分が勝っております。
    ごめんなさい。シクシク……

    以前アメリカの著名な音楽プロデューサーが、ボブ・ディランの最高傑作は何かと記者から尋ねられた時、「最高傑作は次の新作だ」とか仰ったよう。
    RAYちゃんの御作はもれなく拝読いたしておりますれど、「聖夜のスプリンター〜」はまさしく最高傑作の予感がしております♬

    ここから苦しいかもしれませぬ。
    でもわたくしは最後まで応援いたしておりますゆえ♡
  •  ドレスの下に越中ふんどし、ですか……はぁ、はぁ、ごくり。
     ――て、怪人二十面相のほうかよっ! くそ何だよ、つばきちゃんかと思ったのに……。

     あっ、いや、こ、こんばんは、つばきちゃん。

    『ひねもす漫研、おたくかな』楽しく拝読させてもらいました。
     いやー、“事実は小説より奇なり”じゃないですが、とんでもないオタクがいるものですね。しかもつばきちゃんの知り合いなんですよねっ? ちょっと怖いですけど、そういう知り合いが一人いると何か楽しそうですね(⌒∇⌒)

     姫二郎のほかにも、リミッターの外れたいい感じのおたくがいそうで、今後の連載も追いかけさせてもらいまっせ。
     と、同時に、つばきちゃんのほかの作品も定期的に読んでいくんで夜露死苦ッ!

     え? リカちゃん人形持ってるんですか? なんか可愛らしいっス。やっぱり女の子ですねぇ(*^▽^*)
  • ヘリコプターのローター音が、お屋敷上空から聞こえます!
    ま、まさか、また法王さまが……

    と思いきや、牽引ロープを伝って降りられたのは、まあっ、ノエル先生!

    さすがにわたくしは、おふんどしなどはいたしておりませぬ。うふふ。

    「猟奇なガール」も当初は「ひねもす〜」の第四話に入れておりましたの。でも、まったくPVが増えませぬゆえ、「えいっ」とばかりに独立させてしまいました。まあ、それが正解かどうかはわかりませぬ。

    それよりも先生の新作、絶好調でございますわね♬
    当たり前ではございます。
    だって、面白いんですもの。
    続きを早う早うと、いつも以上に駄々をこねますつばきで〜す♡
  • つばっきー、大丈夫よ♪
    気を使って読んでもらうのはツライけれど、その逆はすごくうれしいから。「読みたい」って思ってもらえるのは書き手冥利に尽きます。
    つばっきーの気持ちはしっかり伝わっていますよ☆彡
  • よかった!(ホッと安堵する小さな胸、あっ、バストではございませぬ)

    これほど続きを渇望するだなんて、少々はしたのうございますわね。
    でも、悪いのはRAYちゃんよ。だってあんなに素敵な物語を描かれるんですもの。うふふ。

    思う存分お描きくださいませ♡
    しっかりと、全て受け止めてみせますわよ〜!
  • つばきさま。

    さっそく読んでくださって本当に嬉しいです!

    つばきさんが苦手とされているセントレアも描かせていただきましたが大丈夫でしたでしょうか。

    私はいつも自信がありません。つばきさんも、私の駄作など切って捨ててくださいな。

    ご意見をいただけると、とても嬉しいです。

    では、騎士メンさまたちを読ませていただきますね〜☺︎
  • 愛夏さま、何を仰っいますの?
    駄作だなんてとんでもございませぬ!

    わたくし、書き手といたしましては異端であり万人向けはよう描きませねど、読み手としては、それなりの眼力はあると自負しております。
    愛夏さまの紡がれる作は、もれなく拝読いたしております。どのお作もとても素晴らしく、このまま書物として出されても何の不思議もございませぬ。

    どうぞ、ここに愛夏さまの大ファンがいることをお忘れなく♡
  •  そうなんだっ。『猟奇なガール』にはそんな裏話があったんですね。つーか大正解じゃないですか! ……あれ? え? つまり墓尾つばめ嬢の存在も実話に基づいているってことなのだろうか――。

     お、恐ろしいぃぃぃぃぃッ(@_@)

     この際、『姫二郎VSエイリアン』も短編として公開すれば、姫二郎君も一気にメジャーキャラクターになれまっせ(笑

     
     ――そして、拙作をお読みいただきありがとうございます。絶好調かどうかは正直わからないのですが、ただ『書きたいものを書いて、且つ楽しんでいる自分がいる』というのは事実なので、モチベーションという意味では絶好調かもしれません。

     先日もある方から、本当に楽しんで読んでくれているんだな――と伝わってくるメッセージを頂いたこともありますしね。

     暇で発狂しそうなときでいいので、目を通してくれるととても嬉しいです。では、また(^▽^)/

     
  • 再びヘリのローター音よ!

    あら、一枚の密書が降ってきたわ。
    ノエル先生からよ。

    勿論つばめちゃんは実在……
    多少脚色しておりますれど。うふふ。

    もうすでにアップされております分は拝読いたしておりますわ。
    やはりノエル先生の世界観は面白うございます!
    続きを早く早くとおねだりいたします♡
  • おはようございます
    ノートへの書き込みありがとうございます。
    私の新作読んでくれてありがとうございます。本当に読んでいただけるだけでうれしいのに、こうしてお言葉までいただけるとなおさらです。いつもありがとうございます。
    私もつばきさんの近況ノートは更新のたび読んでおり、楽しみにしております。今度はまた作品を読みにきます!
  • まあっ、関川さま!
    いらっしゃいませ~。

    わざわざご足労いただかなくても、よございますのに。
    寝ているはずが、いつの間にやら深夜徘徊していることがたま~にございますのよ。うふふ。

    それはさて置きまして。
    御作、始動されましたのですわね!
    これは楽しみでございますわ ♬ なんと申しましても、あの関川さまが紡がれる物語。ワクワクしながら続きをお待ちいたしております。

    あっ、わたくしの場合、近況ノートをご覧くださるだけで、充分でございます。拙作よりも、どうぞ新作にお励みになられてくださいませ♡
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