ふぅっ、困ったわね……
わたくしは日本人形のような小さな口元を少しとがらせ、形の良い眉を八の字にしております。
読書や音楽以外の趣味と申しますと、わたくしは時間があるとテレビの前に釘付け乙女でもありますの。
バラエティは好みませぬ。もっぱらドラマとアニメ、そして観損ねた映画が中心でございます。
65インチの4K液晶画面のテレビの横には、2TBのブルーレイ装置が五台設置されてますの。
ですから多忙な時期になりますと録画を機械にお任せして、時間に余裕ができた時にゆっくり鑑賞いたします。
以前わたくしは、CD十枚を同時再生しながら音楽を楽しむという希代の怪人を描いたことがございます。
でもあれは物語だから可能ですのよ。
実際に十枚のCDを同時に再生なさって? ただの騒音ですから。
そうそう、それで録画された番組についてなのですけれども。
皆さまは溜め録りなさった録画を、すべて鑑賞されておられますでしょうか?
わたくしの場合、残念ながらNOでございます。
HDDが満杯になりますと、中味をブルーレイにダビングし、HDDの容量を空けますわよね。
そのブルーレイだけでも膨大な数。ましてやそれを観るか、と訊かれますと「ウームッ」なんて腕組みしてしまいますわ。
そこでわたくしは、知恵を絞ります。ある企業さまでは「乾いた雑巾を、さらに絞る」などと言われておりますれど、わたくしも考えました。
そこで、ポンと膝を叩きます。
映画やドラマは「必ず肝になるシーンがある」ってことです。つまりそのクライマックスとでも申しましょうか、
作り手がその作品で一番見せたい場面があるわけでございます。
言い換えますれば、わたくしたち鑑賞者はそのシーンを見たいがために、そこへ物語が行きつくまで我慢している。
であるならば、でございますわ。
すべての映画、ドラマ、アニメを編集いたしまして「一番観たいシーン」だけをピックアップして作り変える。
そうすれば大量のブルーレイも必要ございませんわ。
わたくしは自分の考えに打ち震えながら、すぐさま作業にかかりましたの。
ええ、かなりのお時間が費やされましたわ。気の遠くなるような、途方もない時間がかかりました。
でもそのかいがございまして、今や編集された「ツバキー’s コレクション」は、ようやく二百枚程度のブルーレイに収められております。「一番観たいシーン」だけの貴重盤。
これでツンドクだけでありました膨大なブルーレイも、ようやく一段落。
……ちょっとお待ちになって。
わたくし、結局全部観てしまっているのではないでしょうか?
ま、まあ、あまり深く考えないでおきましょう。
すっかり疲弊した(ほぼ飲まず食わず、眠らずでの作業でしたゆえ)心身を、ソファに委ねます。
気を取り直しましてのカクヨムさまチェックでございます。
拙作「ひねもす漫研、オタクかな」にレビューをいただいておりますわ!
坂江快斗さま、
平素は大変お世話になっております。
ご多忙の中にも関わらず、お読みくださりかつ望外なレビューを頂戴できまして、ありがとうございます!
わたくしの物語を三つもご覧になるなんて、もしや自暴自棄におなりではございませんかしら……
つばきは心配でございます。
いずれあの物語には着手いたしますれど、このところすっかりアチラの世界に入り浸っておりますゆえ、再開時にはまったく異なるお話になってしまうのでは、と小さな胸(バスト、ではございませんのよ、念のため)を痛めておりますの。
でもそうおっしゃてくださり、嬉しい♡
またその節には、よろしくお願い申し上げます!