わたくしは自室にて、読書をしておりました。
日野日出志先生のお描きになった、「銅鑼衛門」です。
あの不朽の名作である「ドラ○モン」のパロディでございますが、猟奇ストのおかたなら勿論ご存じですわね。
食い入るように、一コマ一コマ、時間をかけて追いかけますの。
手元には定規、分度器を置き、キャラクターの目線の角度や手足の長さなどを計測いたしまして、専用のエクセルシートに数値を入力いたします。そのため目薬は必需品、ですわね。
えっ? 皆さまは漫画を分析などされないのでしょうか……
その時です。
自室に緊急のアラームが鳴り響きました。
わたくしはすかさず本を壁に叩きつけるように放り投げ(いつも後から自責の念にかられますの。なぜ、希少性の高い本を乱雑に取り扱うのかと)、すぐさまデスクに向かいました。
デスクの前には、屋敷内を二十四時間監視いたしますカメラから送られる映像が、モニターに映し出されます。
敷地が少々広うございますゆえ、モニターの数は五十ちょうど。
以前は警備会社などに依頼しておりましたのですが、だめですわね。
だってすぐさま駆けつけていただくのはよいのですが、庭園内を捜査に出た係員のかたがたは、ご自身が迷子になってしまいますの。
そのために、また別の警備会社から人を雇って捜索せねばなりませんでしたから。
わたくしの切れ長二重の目が、まるで鷹のように五十個のモニターを見つめます。
カメラは高感度の暗視装置付き。
ふと一ヵ所に目が留まりました。
庭園の奥深い森の中、何やら動くものが。これが赤外線センサーに引っかかったのね。
わたくしはデスクに設置された、ドローンの発進装置をオンにいたします。
ドローンは遠隔操作によって、自室に居ながら目的地まで飛ばすことができますのよ。
発進装置の横には専用モニターがあり、ドローンのカメラが捉える画像が克明に映しだされます。
高速で移動するドローンが目的地周辺に到着いたしました。
わたくしは操作盤で器用に操り、ドローンの高度を下げていきます。
カメラ・アイがズームになり、真っ暗な木々の間を走る影を捉えました。
あれはナニ?
もしや、またUMAかしら?
UMAとはご存じのように、未確認動物のこと。
それは存在の可能性があり、噂などで知られていながら生物学的に確認されていない未知の動物のことでございます。
以前にも庭園にございます池で、まるで太古に死滅した恐竜のようなドデカイ姿を見たことがございますわ。
でも今回は二足歩行で、ドローンから逃げるように森のさらに奥へ逃げるUMA。
もしや、あれはビッグフットかしら……
ちょっと待って。
ビッグフットって、モスグリーンの作業服などをお召しになっていらしたかしら?
ドローンから送られる映像には、くっきりとその後ろ姿が映っております。
黒い剛毛で全身を覆われたビッグフット、ではなく、見覚えのある作業服姿。
あれは、よもや先だって忽然と姿を消された庭師のおかたでは……
わたくし、てっきりナッキーとジュンのお腹に吸収されたものだと思っておりましたのに。
残念、いえいえっ、ホッと一安心ですわね。
でもすっかり野性にお目覚めのようでございますわ。
ちらりと振り返られた口元には、池で捕まえた魚をおくわえになっていらっしゃいますもの。
ご本人のご意思であれば仕方ございません。
そっとしておいて差し上げましょう。
わたくしはドローンを帰還させましたの。
緊張感から解放されましたわたくしは、アイスティで乾いた喉を潤しつつ、カクヨムさまをチェック。
ここにもUMAが!
いえ、燦々と輝くお★さまです。
松村 佑太(+南)さま、
初めまして!
この度は拙作「ひねもす漫研、オタクかな」をお読みいただき、ご丁寧にお★さまを下さり、誠にありがとうございます!
どうぞこれからもよろしくお願いいたします♡
TACOさま、
先ほどはご丁寧にありがとうございます。その上、拙作「猟奇なドール」にお★さまを頂戴でき、つばきは感無量でございます。
猟奇スト以外のおかたには少々エゲツナイない内容でしたのに、ありがとうございます!
今後ともよろしくお願いいたします♡