「そーれっ、いくわよー!」
「いらしてぇっ! はーいっ、レシーブ!」
わたくし、太陽のまばゆい陽射しの下、プライベートビーチにて、ビーチバレーに興じております。
真紅のタンクトップ・ビキニに、切れ長二重の目元にはサングラス。
えっ? いくらなんでも、独りで砂地のコートを駆け回るほどの酔狂はございませんわ。
お相手してくだすってるのは、イリアママ。はい、地獄を統べる閻魔大王さまでございます。
イリアママは、ドギツいショッキンピンクのタンクトップ・ビキニ姿です。スパンコールで胸元には髑髏マーク。
なんでも今日は裁判をおサボりして、地上界へトンズラこいていらしたとか。
試合用のビキニは横幅七センチと、決まっております。
わたくしはようございますのですが、イリアママは……
「回転レシーブよ!」
「ちよこざいなぁ、やるじゃない」
「そーら、稲妻落とし〜っ」
「えーいっ、これならどうかしらっ」
高校時代には国体予選まで進んだ経験のある、わたくし。
名アタッカーの腕前をくらいなさいな!
二時間近く、わたくしたちはプレイいたしました。
その後、白い砂浜に二人して腰を下ろしてティータイムです。
「ふーっ、楽しかったわあ」
「本当に。閻、いえっ、イリアママがアスリートだなんて、わたくし、ちっとも知りませんでしたわ」
イリアママは、五センチはあろうかと思われるつけまつ毛を、バチバチさせながら微笑みます。
「意外でしょう、つばきチャン。こうみえても、アタシはズバ抜けた身体能力の持ち主なの」
「さようですわね。わたくしのアタックを見事に受けられてましたもの」
「あ〜あっ、今日はちょっとイヤなことがあって、ここへ来ちゃったけど、つばきチャンのお陰で元気をいただけたわ。
アタシ、明日からまた頑張れそうな気がするの」
「何よりでございますわ、イリアママ」
イリアママはたくましいお髭の生えた口元に笑みを浮かべ、寄せては返す波をじっと見つめておられます。
やはり、お裁きになるってさぞや大変なんでございましょう。
イリアママは立ち上がり、肘をお身体にくっつけながらヒラヒラと手のひらを前後に、内股でオネエ走りしながら海に向かって走られて行きます。
わたくしはその間にカクヨムさまをチェックいたします。
あらっ? 拙作「ひねもす漫研、オタクかな」にレビューを頂戴してるわ!
山下ひろかずさま、
この度は大切なお時間を費やしていただき、拙作をお読みくだすってありがとうございます!
あのお話は、私小説。
つまりほぼ事実、そういうことでございますの。
もし、漫研にお知り合いがいらしたら、ぜひお話を伺ってみられてはいかがでしょう。
下手なドラマよりもワクワクいたしますわよ。
心より御礼申し上げます♡