『はあっ……
うん? やあ、戊馬くん、久しぶり!
いやあ、元気なんて言葉は、僕の辞書には載ってないよ。なんてね。
はあっ……
きみは元気そうだね。それは、なによりだよ。
えっ? 元気の出るいい薬があるって?
それって、人間辞めますか、っていうクスリじゃないの?
漫研の同期の子がいつも持ってる、自家製のお薬だって?
大丈夫なのかい、それ。
でも薬って、家で作ってさあ、薬事法とかの違反になるんじゃないのかなあ。
詳細は知らないけど、服用すればとにかく食わず眠らずでハイテンションをキープできるってかい。
ちょ、ちょっとコワそうだから遠慮しておくよ。
はあっ……
いやあ、このところマンションに帰るのがコワくてね。
先日もオカルト研究会の友だちに相談しようとしたら、逃げられちゃってさ。
えっ? よければ話を聴いてくれるっていうのかい?
心霊現象には百戦錬磨のオカ研部員でも逃げ出しちゃう内容だよ。
とにかく話をしてみろって、かい。
ありがとう。
実はさ――
――っていう内容なんだ。
どう、こんな話はあの稲川淳二か山口綾子だって語らないだろう。
いや、作り話じゃないよ!
マジに得体のしれないナニモノかが留守中に忍び込んで、綺麗に片付けてくれてるんだ!
ここまではさ、オカ研の友人にも話をしたんだけど、その後の内容のほうが怖いんだよ。
大丈夫、話してみろって言ってくれるんだね。
実はさ……キムチ、なんだ。
あれっ? 戊馬くん、急に目が泳ぎ始めたよ。
キムチ、苦手なのかい。
好きだったけど、今は見たくもないって?
ああ、それ、僕と同じだ!
そのキムチがさ、って大丈夫かい? 顔色が悪くなったよ。
いいのかい、話を続けて。
だけどキムチに畏怖を覚える僕と、顔面蒼白になるきみって、世間ではどう言うのかなあ。キムチ恐怖症、キムチ・アレルギー、あまり聞いたことないね。
それでね、そのキムチなんだけどさ。
部屋が片付けられるようになってから、冷蔵庫にいつの間にか……
お、おい、戊馬くん、どうしたの不審者みたいに周囲を見渡して。
すごい汗をかいてるよ。やばいクスリ、やってない?
どうしたの立ち上がって。
えっ、 悪いけどまた今度って、ちょっと待ってよ。
キムチの話を聴いてっ――
ああ、走って行っちゃった。
僕はどうしたらいいんだろう……』
草雄くん、試練の時、ですわね。うふふ。
またまた独り言をつぶやきながら、カクヨムさまをチェックです♡
これは独り言ではございませぬ!
拙作「猟奇なガール」にお★さまが!
雪星/イルさま、
燦々と輝くお★さまを、ありがとうございます!
つばきは、なんとお礼を申したらよろしいのかしら。
嬉しい♡
心より御礼申し上げます。