チクチクネズミ

華山かおりは魔法使いの一族、魔法が使える女の子。だけど、その実力は水を五秒だけ動かせる、ライター程度の火をつけれるそんなしょっぱい魔法しか使えないのだ。ある日、美化委員の仕事をし…

ヴィルシーナ・バイオレットは有名な絵師オルファンの孫娘。オルファンの絵を求めてアトリエに人々がやってくるがヴィルシーナはそれを悉く断り続けている。オルファンはすでに絵を描いてなく…

神無月紗綾がまた彼氏と別れた。今度の彼氏が好きだったピースのタバコを未だに吸っている。 彼氏が変わるごとに、彼女が吸うタバコの銘柄も変わる。 プリン頭の金髪もピアスも歴代の彼氏…

伝説の女傭兵と呼ばれた『黒豹』リーザ・ブリュンヒルドは冷凍睡眠を経て百年後の未来に蘇った。だがそこは戦争もない平和な世界で、戦争しか知らない彼女には生きづらい世界となっていた。 …

ナターシャは学がないと親に叱責されるのが当たり前であると思い込んでいた。有望な夫を見つけられなければ将来はどこかの貧乏貴族の女中か娼館行きであると、男を拐かす事ことを考えるよう言…

地球消滅。 それにより人類は滅亡の危機に瀕していたが、人工授精により種の保存は保たれていた。生まれてくる子が女子のみを除いては。 異性間結婚を夢見るミュラーは、婿探しの旅に出た…

田辺久能にはヤンデレの女性に好かれる不幸体質を持っていた。好かれる女性の皆が皆、田辺への愛が行き過ぎて狂ってしまうほどの過剰の愛を捧げてしまう。ゆえに田辺の周りにはまともな女性 …

家永万由里は無人の屋敷に住まう幽霊である。 屋敷から出られず、毎日食べることができない食事を自分で用意して捨てる毎日を続けここを病みかけていた。 屋敷は幽霊騒動で恐れられて、誰も…

小野道子は井戸に落ちて死んでしまった。 宮中の資料整理の激務に貴族からの執拗な誘いなどで疲れ果て生前に未練はなかったが、笹井夏見でも地獄行きの閻魔大王からの裁きに身を震わせていた…

樺山大は飢えていた。 一週間にもおよぶ勉強合宿。しかし実態は、不味くてひもじい食事、女子と遊ぶ余地も許されない別名プリズン合宿であった。 若く食べ盛りの男子高校生には限界であ…

小学4年生の白居みうのできることは、絵を描くこと。絵を描くことで誰かの役に立てると、頼み事を断らない。 　絵を描き終わった放課後、隣の美術準備室から物音がして入ると、そこに血まみ…

錬金術師ミリアムは、金を作り出して高利貸しをする悪女と自宅の壁に落書きされる日々を送っていた。 研究で成果が出ず金貸しに色気を出しただけで、ほかの錬金術師たちから誹謗中傷を受け続…

間叶夢の見る夢はいつも誰かの脇役である。 現実でも夢でも自分は誰かの脇役で、自分は誰かの話題の中心になれることすらできない。叶夢は自信を喪失していたあるとき、クラスメイトの白澤秀…

私あかりは元魔法少女である。 しかし大学進学を機に魔法少女を引退して、晴れて普通の女の子に戻りキャンパスライフを満喫してついに彼氏を自分の家に招き入れるまでに発展した。 が、私…

　十九世紀中期のイギリス、ロンドン。産業革命により人々は繁栄を謳歌する……のは一部の資本家と貴族だけ。 　金がない人間は貴族と資本家に労役を強いられるか盗むんで売るの二択しかない…

『本日のメニュー ・主食　サラサラマッシュポテト ・主菜　香るミート（遺伝子組み換えではない） ・副菜　サプリメント四粒 ・飲み物　蒸留したて水　』 　クソッたれ！ 　田舎から…

ミステリーを動かすには死体を転がせという。 しかしあまたのミステリーの犯人たち全員そんなコロッと人を殺し、わざわざ複雑なものを組むだろうか。 答えは下請けがいるのだ。 自分の代…

「何勘違いしているの？」 　何度も会いに来ていた相田ふなみへの愛の告白に見事撃沈した俺、渡会仁。 　演劇の練習で振られた傷をごまかすが全く癒えない時、幼馴染にしてノリで付き合っ…

エルフのクレモア死去。享年500歳以上。 エルフ族は長命であるのが特徴であるがゆえに、寿命で死ぬことはめったになくほとんどが病死や戦争などが原因で亡くなる。幾多の死の危機を乗り越…

どんな宝石でも一発で鑑定できる眼を持つキャラット・マクレガーには夢がない。出世欲もない。とにかく与えられた仕事をそつなくこなし、食うに困らない生活の安定に勤しむ毎日を送っていた。…

いつのころか世界は海に沈んでしまった。 大地も建物もすっかり海の底に消えてしまった。 人々は残ったビルの上や中で生活するのが当たり前に過ごすが、僕は大地を求めてマンタクシーの背…

親友の葵は可愛い。ジーンズを着るだけで男の子に間違われる私と違って。 クラスの人気者でいつも羨ましくてたちくらんでしまうほどの輝きを持っている葵とある日男装デートすることになった…

恋愛というものがわからない僕は、結婚生活で悩んでいる紗英さんの間男となった。 どこか影のある彼女はベッドの上ではとても情熱的である一方、旦那の前では影を増やす。そんな彼女に僕の…

　僕、伊香カナタの夢は空を飛ぶこと。だけど飛行機乗るのではなく、自分の翼で生身で空を飛びたいことを夢見て日々動画配信をしていた。でも自作の翼では飛ぶことはできず傷と壊れた翼ばかり…

『ようこそデスゲームの屋敷へ。君たちには恐怖と殺戮が混じり合うゲームをしてもらおう』 デスゲームの主催者は参加者を嘲る笑いと共に現れた。十のゲームをクリアして生き残るのは一人だけ…

16になって久しぶりに私はおっぱいが欲しくなった。 赤ん坊があまりにおいしそうに飲んでいたからつられてしまったという何ともおかしな対抗心から欲しがってしまった私であるが、無理なも…

入学早々幼馴染の安藤怜に告白された三城勇樹。元々怜に恋心を持っていたのですぐに承諾し、入学早々新カップルができたと一時期話題になった。 だがある日、男子更衣室に盗撮カメラが仕掛け…

とある町の警察署に脅迫状が届いた。『不要不急の外出をしている人、並びに大勢で買い物に行く人を見かけましたら殺します。男も女も老人も子供も関係なく殺します。手始めに私の目の前でうろ…

同級生の忍が所属する映研メンバーが、彼女を除いて撮影場所である屋敷の中で失踪する事件が起きた。 捜索しても見つからず捜査は打ち切りとなると、忍は「忍者屋敷に殺されたんだ」とうわ言…

環境と核汚染により死の星となった赤い大地でクローン人間たちは、大地を直していく。 全ては、人工雨と生命の種子が詰まった『シード』を起動させるために だが数百年経っても、大地は改…

大学時代同居生活を続けていた奏と就職するのをきっかけに住処を離れることになった。 家賃を分担する節約のためだけで、恋愛も肉体関係もなく続けていたからちょうどよい潮時だった。 就…

悪役令嬢クレイシスは自分が悪役令嬢であると自覚した。 だが自分がただ無様に断罪されるだけの日々を過ごすのはまっぴらと、断罪される時を待っていた。だが何をしても、王子様がクレイシス…

私の父は有名な音楽家、清水楽堂。四年に一度にでるその音楽は、四年に一度にしか出ない完成度の高さでオリコンチャート一位を必ず獲得するとその道に通じる人でなくても知っている。 だけど…

そう遠くない未来。所得格差の拡大と食事の外部化、そして家畜の供給不足により、料理という行為そのものが上級国民のみの特権となってしまった。 一般庶民の料理は専ら、水と空気と植物を機…

小学五年生の深山霊和は怖いものいっぱい。 一つはお化け、二つは死んだおじいちゃん、三つは集団圧力……挙げたらきりがない。 得意ことも、物を大事にするようにしつけられて鍛えられた…

母校が廃校になった。 君島から聞きつけたその日の晩、私は廃校になった母校に侵入した。 私がここにいたときはこんなことしなかったのに。 君島と共に私は過去を振り返る。 ただ素直…

毎年恒例の花火大会で、僕は毎年誰かを待っている彼女を見つける。 毎年誰かが来ると思っていたが、一度だって来る気配がない彼女。 誘う勇気もない僕は独りで花火を見に行くはずだった。ふ…

安住秀美は死んだ。しかし、目を覚ますと小学生五年生に戻っていた。人も建物もまったく同じだった――見た目が男の子の時のまま女の子になっていることを除いては…… 何が原因で死んだか…

パンツが食べられないとはだれが決めた！ パンツ≠食べ物でないの構図はおかしいとわたしこと白野初都は宣言する。パンツ≒食べれるものであると。 そして今日、栄えある平成最後の月にて世…

ハルには天使の羽が生えていることを俺は小さい頃から知っていた。 小学生のころ、木の上から天使のような見た目のハルにはお尻に羽があった。俺は好奇心からそれを見たくて何度もパンツめく…

ここは数多の作品の星を管理する天体観測所『カクヨム』。 ここの住民は、作品を読むと感動した分だけ夜空に作品の星を贈る。そんな不思議な能力を持っている。 その作品を届ける配達部門の…

男はある日異世界に召喚された。 魔物を封印するためであると言われたが、男はニートであったため剣も振るえない、だが聖職者たちが言うには何もしなくてもよいという。 魔物封印までの間…

今日はぬいぐるみのフニュちゃんと出会って三周年。 今日がお誕生日でもあり、お別れの日です。 どうしてわたしがフニュちゃんとお別れないといけないのか。 どうしてわたしはフニュちゃ…

今や生活は便利になったものだ。洗濯物は乾燥から折りたたみまで洗濯機がやってくれる。料理もボタン一つでポン。つくづく、進歩したものだ。もうここから一歩も出なくても生活できるのだから…

タカキはこの春、都会の大学に進学する。 次の列車が来るまでに俺は何を言えばいいのか考える時間があった。だって、ウチの田舎の列車は二時間に一本、停車時間は三分もあるのだから。

３秒ルール。それは、落ちた食べ物は３秒以内なら菌がつかないからセーフというなぜか世界中で信仰されているルールである。 触れたものには必ず菌が多かれ少なかれ着くのだが、当の本人は一…

スカートが捲れ上がったとき、僕は失望した。 今までパンツを穿いていた彼女が、今日はなぜかノーパンだった。 名前を知らないまま百四十七回も観測してきた僕は初めて彼女に会おうと思った…