とても良かったので感想を書いてから、自作の更新の報告をするつもりでした。
ですが……感想がうまく書けない。
何度も書いて消してを繰り返しながら、蠢く思考と感情を言葉に落とし込もうともがいているのですが、終着点がまるで見えない。
いえ、それだけじゃありません。出発点すらもあやうい。
結局今もこうして書きながら考えているわけですが、ここまで心が揺さぶられるのは、自分が描きたかったもの、描きたいものと共通した部分があるからなのだろうと思います。
多様性やポリコレは時代のテーマのように感じられますが、実際は今に限らず人間の持つ普遍的な問題に根ざしています。
私とあなたは違う。簡単に言うと、それかな、と。
と、昨日ここまで書いて寝ました。
『おいしいごはんが食べられますように』は可愛らしいタイトルに似合わず、その日常に潜む静かな相剋を描いています。
そこには明確な怒りと、そして悪意があります。
心のうちに悪を生み出すものとして、とても端的に嫉妬が描かれているのですが、その嫉妬の質がとても平凡でありきたりで自然だからこそ、どうしようもなく苦しいのです。
私の自然とあなたの自然が異なるという不自然から生じる不都合は、善意や優しさ、親切心によって容赦無く駆逐される。
思いやりに隠された欺瞞こそが、人を悪へと駆り立てる。
正しさなどどこにもなくて、塗り替えられつつある社会規範と、過剰に適応した勝者と、変化の煽りを受けた敗者だけが存在している。
そうした日常は静かで、平らかで、穏やかな地獄なのです。
要するに、とても面白かったですよ。
『おいしいごはんが食べられますように』高瀬隼子
でした。
で、本当は昨日のうちに更新しましたという報告をするはずだったのですが……
まあ、一応しておきますか。ね。
簡単にでもいいから、更新報告って大事ですよ。PVに繋がります。ならちゃんとやれよ、と我ながら思いますが……
『白い猫、少女、星の欠片』
https://kakuyomu.jp/works/16816700426633383705/episodes/16817330649536990554