退屈だ。
フィールドには22人もの選手が駆けているというのに、ボールは1つしかない。
試合は90分、一時間半という長い時間をかけてみたところで、ゴールは三点か四点くらい入れば多いほうで、一点も決まらない試合だって珍しくない。
ボールから遠いところにいる選手は、だらだらと歩いている。
単調な展開で、時間だけが過ぎていき、目に映る光景はさほど変わらない。
そのくせ、ぽーんといかにも乱暴に蹴り入れたボールが、ほんの小さなミスであっさりとゴールに繋がってしまうこともある。失望と絶望。
退屈だ。退屈だ。退屈だ。そのうえいくらか理不尽だ。心が崩れる。
中盤、近距離で鎬を削る攻防も、前線での創造性も、全身全霊の守備も、大きな流れのなかの、ほんの一瞬に過ぎない。
一人の選手が試合のなかでボールを触る時間、回数など、数えるほどだ。
それ以外は、なにもないところで走っているだけ。
試合が終わり、勝利したところでまた、次の試合が待っている。
退屈だ。退屈だ。退屈だ。退屈だ。退屈だ。
そして、疲れる。苦しい。息がつまる。絶え間なく次の問題が突きつけられる。
そんな、なんとも退屈なスポーツ……
のはずだけど、それはなにかに似ている気がする。
別件。
『名のない人々』のPVが10kを超えました。うれし。(実はだいぶ前に超えていた。現在は10.8kくらい?)
お読みいただいた方々、ありがとうございました。