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とらえがたい過去と記憶と私

小説なので、私の記憶ではありません。
ですが、私の記憶以外から文章が書かれることはありません。
だとしたら、私の書いている小説の中の人物の記憶は、やはり私のものなのでしょうか。

いったい私は何を書こうとしているのでしょう。
記憶や過去は生の意味やアイデンティティとかなり深いところで結びついているのだとは思うのですが、肝心のそれらがとても曖昧模糊としたもので、とらえがたい。
だからこそ、私はいったい誰なのかがわからなくなるのです。もちろん、整理していけばそれなりにあらゆる視点から「私」を考えることはできるんですけどね。そういうあらゆる視点の「私」は私にとって私らしく見えないのですよ。
そうやって私から私らしさを削いでいったその先に残るのは何かと、そんなことばかり最近は考えているような気がします。

更新しました。
お読みいただければ幸いです。

『おざなりに鳴くせみの声』(『名のない人々』)
https://kakuyomu.jp/works/16816700426633383705/episodes/16817139557178033453

1件のコメント

  • こんにちは。近況ノートから失礼いたします。

    この度は拙作を読んでいただきありがとうございました。
    まさか1部2部両方最後まで読んでいただけるとは。至らない点が多いかとは思いますが、少しでも楽しんでいただけていたなら幸いです。
    ハートもとても励みになります。重ねてありがとうございました!
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