宮田秩早

「畳の上で家族に囲まれて死ねるような人生だとは思ってなかったけど、よりによって、こんな訳のわかんねえ最期かよ」 天涯孤独の青年・出淵恭二は金に困って応募した、山を掘り返すだけのア…

「瘴土の魔王」こと吸血鬼王ラディウスは永遠の命を求め、自らの王国を侵略した者達を捕えて血を啜り拷問にかけては不死になる手段を吐かせようとしてきた。新たな侵略者達を返り討ちにした彼…

１０歳のおませな女の子の初めてのお便り、書簡体小説です。 一緒に暮らしてたおばあちゃんが入院して、迎えに来てくれた叔父さんとはぎくしゃくしてて、知らない誰かと文通をする

時司深夜は恋人をモデルに色々と小説を書いている。今書いているのは、運命の番を求める吸血鬼の話だ。

「〖新作限定〗吸血鬼の出てくる短編」参加作

高校二年生の嶋津和奏（しまづわかな）はシングルマザーの母、真理子と共に深見市の中古マンション「ロイヤルステージ深見」で暮らし始めた。 看護師の真理子は夜勤で家を空けることもあり、…

吐く息が白い冬の日の朝、宮司と権禰宜はもうすぐ訪れるとある夜のことについて話していた。そこで若き権禰宜は、「さんたくろぉす」がやって来るようになった理由を知ることになる。

ある冬の日の朝、今年で十になった六郎と、その三つ年上の五郎丸は掃除の準備をしていた。二人の話題は、もうすぐやって来る「くりすます」と「さんたくろぉす」のこと。六郎は去年、とある疑…

第1回ルビーファンタジーBL小説大賞向けのあらすじ（1200字） 「はるか昔、この視界の王たる夢秤王は、香音（かね）を聞き分けられる人々に視界樹で作られた夢秤を授けた。彼らは「…

人口減少が進む保丹屋町は、隕石落下を町おこしに使おうと20年前にプラネタリウムを建設した。地元出身の足立、地元の神社の娘の直原、得体の知れない女性解説員・井田、オリジナルプログラ…

和平のため、帝国の公女にしてソードマスターであるエレノアは、 病弱な皇女になりすまして嫁ぐことになった。 夫となるのは、戦場で幾度か剣を交えた隣国の皇太子。 皇女でないとバレては…

「novel首塚2024」によせて書きます。更新頻度は未定ですが、とにかく「しゃべる生首」が出てくる話をのんびり楽しく書いていきたいと思います。 設定されている五つのお題「おそろ…

古代インドの小国の王子シダッタは、どうしても神に尋ねたいことがあり王や神官に内緒で武勇の神インドラを呼び出したけれど、降臨した神は思っていたのと少し違っていて—— 「と、いうのが…

ある国の王子と従者の物語。 この国の王族には侍童《じどう》といって、子供の頃から主従関係を結んでともに育つ近侍を選ぶ風習がある。今の代の第一王子リオナールにもヤヌスという名の侍童…

はるか遠い未来、地球外生命体との遭遇により人類は危機に瀕していた。それに抗うのは……。

ねこがみたある夏の31景。 綺想編纂館 朧 (@Fictionarys) さん主催の企画、#文披31題 (2024年7月) への参加作品です。 お題一覧: https://x.…

（本作は仏教ベースの世界観です。ちょっと齧ったことがあると、話がわかりやすいかもしれません。） 雪山奇談（https://kakuyomu.jp/works/168180930…

草森ゆき様の「死別ブロマンスを書いて欲しいリターンズ」参加、書き下ろし作品です。 自分を照らす花をなくしたのに、それでも生活が続く話です。

死別ブロマンスを書いてほしいリターンズ（https://kakuyomu.jp/user_events/16818093078423711258）に寄せてセルフ参加です

心優しい性格で誰からも慕われた、良いおじいさん。彼が亡くなったあと、お供え物が誰かに食べられていて……

本作は草森ゆき（@kusakuitai）様の自主企画「死別ブロマンスを書いて欲しいリターンズ」（https://kakuyomu.jp/user_events/168180930…

陸軍大将が暗殺された。軍の裏切者を粛清する任務を負ったエルンストとレンツは、取調室で護衛隊員のデューラーと対峙する。 三人は士官学校時代の親友同士だった。 冷徹なレンツと違って、…

草森ゆきさんの企画『死別ブロマンスリターンズ』によせて

なぜか似ても似つかぬ同級生に間違われつづける大学生の話。 「死別ブロマンスを書いて欲しいリターンズ」に寄せて書きました。 作中のカレー中華とはラーメンの麺にカレーのルーをぶっかけ…

「お前は死なないと思っていた」と俺が言う。 「死なない人間なんていないさ」と彼が笑う。 「俺よりも先に、って意味だよ」と俺は返す。 　あぁこんな無駄なやり取りをいつかもよくして…

お前がこれを読んでる頃、もう父ちゃんはこの世にいないだろう、なんて決まり文句は要らないな。 お前は俺と違って優しい子だから、「お前の親父の幽霊を見た」って噂を聞いて、こんなクズ…

本作は橘紀里（@kiri_tachibana）様の自主企画イベント「（まだ）存在しない物語の後日談または番外編」に参加する為に書いた作品です。企画のコンセプトに基づき、本編は存在…

同人誌『忘却と風』より。祝増刷でWeb掲載します。

大海原を航海中、海軍士官だった主人公は海に投げ出された。 漂着したのはうつくしい南国の島。現地人の娘が何くれとなく世話をしてくれる。 ここはこの世の楽園だ。自分はこの島を「発見し…

大本屋時代とも称された、はるか未来。 東アジアにある弧状列島の大型書店がそのまま空へ飛び立ったことに端を発し、宇宙には本屋による銀河が形成されていた。 イシカワはそんな銀河の辺…

浅はかでアホな王子が、王国の繁栄を祝う舞踏会で、公爵令嬢に婚約破棄を言い渡した。 腕の中には震える可憐な少女。 冷たい容貌の、悪役にしか見えぬ公爵令嬢。 睨み付ける王子を公爵令…

おつきさまの美しいひかりはみずかがみにうつって溶けてしまう。そのままだと、おつきさまの美しさが消えてしまう、と月の子は毎晩、月の光を集めている。 ある日、月を見て女の子が流した…

シャレになって無いよね。実は2016年がラノベ市場第二ピークでライトノベル市場が半減するそうです。 ※2024年7月に2023年の市場額が判明し……2026年頃にラノベ市場額の…

　あたしの、おねえちゃんは美肌持ちのそれなりの美人。 　ところが。 「あーーーまた太った！！」 　お姉ちゃんがまた叫んでいる。 「豊作！　豊作が何もかも悪いのよ！　馬肥ゆ…

世界の童話や昔話を下敷きにした拙作をまとめました。他の作品投稿サイトから再掲したものもあります。

「【レビュー募集】KADOKAWA文芸編集部もレビュー選考に参加！カクヨム文芸部の本棚をつくろうキャンペーン」で選出されたレビューと、そのレビューが投稿されている作品を紹介してい…

神原国（かみつはらのくに）の軍人、森州理市（もりすりいち）はある軍務での失敗がもとで左遷され、長らく内戦の続くはるか西の同盟国・レグラス王国へ派遣される。 派遣先での任務は、女装…

　五代十国時代の末期、周囲の者から新たな皇帝に担がれたのは、上の者への忠義に厚く、下の者への面倒見はいいが、大酒飲みでだらしない武術の達人・趙匡胤であった！ 　成り行きで北宋の…

堕落した王の腐敗した政治に業を煮やした青年将校たちが、王の首を取るために王宮に押し入る。目指すは王の弟を擁立しての新政権の樹立。しかし、ある青年が宮殿で出会ったのは、顔に傷のある…

約二千年前、古代中国初の長期統一王朝・前漢を簒奪して誕生した新帝国。 だが新も短命に終わると、群雄割拠の乱世に突入。 挫折と成功を繰り返しながら後漢帝国を建国する光武帝・劉秀の若…

紀元前620年前後、今の中国山西省あたりに晋という国がありました。 その国で最も古く尊貴とも言われる貴族のおじいさんが、孫を連れて墓参りに行きます。 孫は初めての御先祖さまへの挨…

近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。

『ずいようだいがいし──ずいようだいえんし──』大唐帝国に先立つ隋を滅亡に追い込んだ煬帝を描いた明代小説をゆるっと翻訳していく予定です。▼は訳者の補足です。

中二病まっさかり！　14歳、まさしく思春期に「増田、なんでブラジャーしないの？」と聞かれた少女増田愛音（ますだあのん）の、当時を振り返る日記。 昭和なので、いろいろと物騒。 性的…

【第二回角川武蔵野文学賞　ライトノベル部門大賞受賞作品です】 宮廷画家アルフレッドの祖国は戦に負け、新たな王の支配下になった。敗戦から間もないある日、彼の工房を旧友の将軍ギルバ…

八乙女伊緒楽が食事をしているところは、だれも見たことがないらしい。 『ゴミ捨て場』でゴミを拾って暮らす少女が、世界を守る魔法使いの秘密を探って追いかけまわす話です。

現世界、と呼ばれる世界で活躍する、コトバ修繕士ヨモのお話。 旧世界と呼ばれる、消えた文化や人と、現世界の間には謎と断絶がある。 動物の姿も異なるし、ヒトの生殖の仕組みも違う。現世…

マツさんとのコラボ本『Girick』（2020年10月刊）に収録した小説です。

　数年前から、日本を中心に世界中にダンジョンが出現するようになった。 　それに伴い、異能を持つ者も世に現れ始める。 　ダンジョン調査やモンスターを退治するする組織が次々と立ち上が…

【ヨハネス・ケプラー】 十七世紀初頭のドイツの天文学者、あるいは数学者。 コペルニクスの地動説を天文学者の立場から初めて支持し、生涯をかけた長期に渡る計算の繰り返しによって〝ケプ…