丸毛鈴

自作と向き合う画家。 彼はその上から、黒の油絵具を一閃し――。 大切だからこそ、遺したくない。 大切だからこそ、壊すのは忍びない。 その葛藤の行きつく先は…… ＊＊＊ 分散…

人でごった返す渋谷のハロウィン。 そこで男は、昔の知り合いの姿を見つける。 それは、mixi、Yahoo!チャット…… インターネットの“あの頃”を共に過ごした人だった。 ずっと…

インタビューライターの主人公は、ある老人に話を聞くことに。 その老人は、自称・吸血鬼。 インタビューの条件は、「喫煙ができて酒が飲める店」。 紫煙の向こうで、片腕の老人が語る、明…

無職の女が抱えもったある秘密。 それを知った隣の女は……。 無職で気弱な女と、それを振り回す隣人の女。 社会の端に生きるふたりの無軌道ドライブ。 ※自殺、テロについての言及が…

熊になりゆく男とそれを見守る「わたし」。 元生体兵器のふたりの、末路のはじまり。 ＊＊＊ 血のにおいにつつまれて、「わたし」は回想する。 軍の施設で出会った生体兵器の「お前…

不遇な家庭と学校の往復。 それだけだった暗黒の青春。 でも、君が手を取ってくれたから。 君がいたから。 たったひとつの触れ合いが、わたしの日々を変えてくれた。 ガールミーツガール…

即席ラーメンのキャラクター“トリ”に熱狂する主人公。 そのジャンボぬいぐるみの抽選に外れたとき、心の一句を詠む。 悠久の時を経て、その句はやがて……。

ゾンビパニックのなか、命からがら警察署にたどり着いた少女。 助けを求める彼女に対し、「感染者では」と招き入れることを渋る署員たち。 そんななか、ひとりの婦警が進み出る。 「わたし…

都心のカフェテラスで向き合う女ふたり。 ハイブランドに身を包み、どこからどう見ても華のある彼女は、「箱」にまつわるある願望を口にして……。 ＊＊＊ 直接的な性描写はありませんが…

「全てを破壊しながら突き進むバッファローの群れ」というフレーズにインスパイアされた、世界の終わりの一風景。

年に一度、春に逝った君への、三分間の近況報告。 よみがえる思い出。去り行く人たち。時の流れがほどいたわだかまり。 進んでいく「わたし」の、十年の記録。 ＊＊＊LGBT、同性愛に…

仕事で書いてます。雑誌のライターです。 プライベートでも書いてます。ここカクヨムで、SNSで、ブログで。 小説、エッセイ、いろいろ。 説明したり、妄想を文章にしたり、気づいたこと…

わたしたち夫婦は、病的な猫好き。 でも、いまは犬を飼うことを考えている。 それはなぜなのか、という話。 ※※※不妊まわりへの言及があるので、苦手な方はご注意ください。※※※ ブ…

友人のレニーから、「2月14日のバレンタイン・デー、好きな子にチョコレートを渡したら？」と提案された、主人公のテイ。 だいたいバレンタインになんでチョコレート？　 かつてニッポ…

皆さんは、旅行先で体調不良になったことはありますか？ わたしはけっこうあります。 うち一回は、海外のリゾート地で。 どうにもならず、一泊入院しました。 言葉の通じぬ異国で動けな…

人生を“変えなかった”無職時代の旅とヨーロッパの光、 “バカンス”というと思い出す沖縄の台風、 “その音”に感じる夫の変化、 ひとが夢をあきらめる瞬間、 日常のなかでぱちぱち瞬く…

いつものワンルーム。 いつもの残業帰り。 仕事で疲れ切った男は今日が十五夜だと聞いて、ベランダで月見をする。 ほろ酔いの男の前に現れたのは……。 シュール寄りのホラー風味、不穏…

余命いくばくもない父に、ある花を見せようとする娘の話。 Misskey.designでの「第1回 誰の文章だゲーム」に寄せて書いたものに加筆修正したものです。テーマは「花」。レ…

猫好きですが、いろいろあって猫とは暮らせません。 モフ恋しさに保護猫カフェに通い詰め、 最近では、猫でも犬でも、馬でもガチョウでも、なんでもかわいくなってきました。 インスタの…

遠い未来。 惑星ソロンソでは、あらゆる兵器が死と再生を繰り返し、戦争を続けていた。 人類が撤退して百五十年が経っても、プログラムに従って動く無人自律兵器たちの争いは止まらない。…

どちゃくそ私的な、人生のはなし。 こんな人間でも生きてるんだな～、書いてるんだな～と誰かの参考になったり、踏み台になったりしたらいいなと思って書きました。 マンションから落ちかけ…

勉強だって就活だってなんだってがんばってきた。 人より言い訳が少ない人生を送ってきた自覚はある。 そのうえ美人。 そんな自覚があるしっかり者のミヤちゃん。 でも、目の前にいる彼氏…

それは、一般的な食レポ取材のはずだった――。 ライターの「わたし」は、食通として知られるギガンティックゆうこからの紹介で、超高級中華料理店を訪れる。 しかし出てくる食材は何やら…

《アンラッキーセブン。七つの不運を背負い、それに打ち克つ七人の子どもたち――。》 その物語を、男はスラムの片隅で書きつづけた。 子どもたちがしあわせに暮らせる世界を夢見て。 男…

＊＊＊特定の性嗜好への差別的な表現、直接ではないですが、性暴力描写があります＊＊＊ 大学二年生の「わたし」は筋肉質のラガーマン、笑顔がまぶしいノリクラ先輩に憧れていた。 同じく…

静かな深夜の快適な散歩を楽しむ「俺」は、自分の姿を見て騒ぐ「うるさい生き物」と出会う。 やがて閉じ込められた「俺」はある場所へ連れていかれ……。 「俺」と奇妙な生き物との暮ら…

「なんでも切り裂く☆デスクロー」 そんなキャッチフレーズで売り出されたクマのぬいぐるみ。 かわいいけれど、鉤爪付きと血のりつき。 その“こわかわいい”ギャップで大人気に。 制…

――行き倒れていた俺を救ってくれた“女神様”。 あのひとに、いつか胸を張って会いに行きたい――。 貴族の屋敷で庭師見習いになった孤児の少年は、“女神様”と再会を果たす。 しかし…

クリスマス・イブの夜、ごちそうを求めてさまよう父と娘。 たどりついたのは――。 「赤いきつね」「緑のたぬき」幸せしみるショートストーリーコンテストに寄せて書きました。