これは、猫の一生の物語である。
タイトルであり、作中にもたびたび出てくる、「俺はうるさいのも変化するのも嫌いなんだ」という文言。
繰り返しながら、けれどその言葉が意味することは、変化していない状態がなんなのかは、変わっていく。
歩んできた生涯の中で、変わっている。
彼にとってどういう状態が「変化していない状態」なのか。
その変遷が彼の生き様で、彼の幸福であったろうと思います。
変わらない状態が変わっていく、新しい「普段」を受け入れている、その事実がただ、うれしい。
素敵な作品を、ありがとうございました。