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いくひ誌。【811~820】

※日々得たものを失い、前進していく。


811:【排除の理念】
綺麗で正しいことだけがまかり通る世界を望むのは構わない。何かをよりよくしていこうとするのも間違ってはいない。しかし、どんなに抗っても、この世から汚く、歪んだものを失くすことはできない。なぜなら人間そのものが汚く、歪んでいるからだ。綺麗でありつづけたい、正しくありつづけたい、そう願うことそのものがどこか淀んでいる。まずは、世のなかには汚れたものがあることを認め、それを前提によりよくするにはどうすればよいかを考えていこう。人間はクソをする。クソのあることを前提としない社会は、疫病が蔓延し、目も当てられない惨状を生みだす。衛生管理を徹底することと、クソを失くすことはイコールではない。


812:【流行りなの?】
ツイター眺めてるとそこそこお年を重ねられているおじさま方がこぞって「グラデーション」という言葉を使っている。流行っているのかなぁ。


813:【つぎにくる題材】
宇宙冒険譚はきますよ。とくに小説で、ガチガチのSFじゃなく、現代版銀河鉄道999みたいなの。SAOの宇宙版って言ったらそれっぽいかも。業界人の方は要チェックや。


814:【グラデュエーション】
視点となる層がある。層から視える景色(グラデーション)がある。しかし、またべつの層から視れば、グラデーションの色合いは変わってくる。年齢、性別、世代、人種、住んでいる場所、育った地区、年収、主食、嗜好する性、好む曲、色、味、飲み物……etc、区切る基準によって、その層から視える景色はがらりと変わる。区切られた枠内に収まる人々の顔ぶれも様々だ。グラデーションは、層の数を増すにつれ、モザイクへと変容していく。やがて層は重複し、モザイクは折り重なり、黒へ、或いは白へと向かう。色彩から原色へ。原色から無彩色へ。色合いは脱皮を重ね、無へと向かう。ビッグバン。爆心地へ。グラデーションからグランドゼロへ。グラデュエーションを重ね、カオスへ。そしてコスモへ。原点へ。無へ。線となり、面となり、層となり、彩りは連なり、奥行きを帯び、堆積する一連の流れを、想像しよう。目を持とう。多重の目を。


815:【またの名を孤独】
誰からも必要とされず、誰からの責任も担えず、滅びたとしても世界は何も変わらない、なんてすばらしい、名を自由、わたしという枠組みの持つ性質。


816:【自己言及】
すべての批判は、まず自分に向けてみることをお薦めする。自分たちはどうなんだろう、と考えられないコミュニティの声に説得力は宿らない。そう、いくひしのように。


817:【怒り】
もうガマンならん! いくひしは怒ったぞーーーー!!! と、いうわけで、なかなか書店さんで手に入らなかった漫画本をいっせいにネット注文しました。あってよかったamazonアカウント。もうね、できればね、書店さんで買いたかった。わかってますよ、わかってます。いくひし程度がご購入をためらったり、まとめ買いしたところで、書店さんにとっちゃあ、そんなのあってなきがごとくの雀のえんえんだってわかっちゃいるけど、やめられない。もはや書店さんで利益を叩きだしたきゃ、本より雑貨を買いなさいよ、なんて叫ばれて久しい昨今だけれども、コンビニの書店化はもはや珍しくなく、書店さんのコンビニ化もいまじゃ目新しくもないときたものだ。いくひしの住まう地域の書店さん、ここ三年で四軒消えてますからね。もはや行きつけの二店と、繁華街の駅前ビルにあるおっきな書店さん以外で、ないんじゃないの書店さん。だって品揃えよくないんだもの、本が据え置かれてないんだもの、なんだったら新刊届くの週間遅れとかザラですからね。田舎だからってバカにしとんのか。バカにはしてないのか。そっか……。ごめんなさい。でもさ、でもさ、どこかのおっかない作家さまとかはさ、読者のほうこそ読みたい本を注文しなさいよ、書店に言いなさいよ、なんてそんな清く正しい注文を放ってくるのよ、いいよいいよ、そうすりゃ作家さんのお財布は潤うし、出版社の在庫も余裕ができるのかもわからんけれども、でもさー。んな暢気なこと言ってるから書店さん消えちゃうんだよ、分かってるのかね、きみたちそこんところ、えぇー。いくひしはちょっと怒りたいよ。優しい書店さんの代わりに、業界のズサンさを怒ってやりたい。さいきんどの書店さんにも設置されてる在庫検索機あるじゃない? あれさ、検索件数多いやつとか、かってに入荷してくれたりしないんですかね。してるんですかね。検索件数のデータ、ちゃんとビッグデータにして全国で共有してる? してるんならいいんだけれども、してなくてもいいんだけれども、どっちかと言えば、でも、しておいてほしくない? もちろんしてるとは思うよ、だってせっかくの電子機器だもの。でも、ならどうして在庫が潤わないの。いくひし、あんだけたくさん検索してるのに? なにゆえ入荷してくれないの。じつは入荷してたりする? 入荷した矢先から横からトビが買いあさっていくのかい? どっちにしたってひどいじゃん。べつにひどくはないけど、ひどいって言わせて! 怒り甲斐がないからさ。怒りたいのよ。ストレス発散。おとしごろってやつなのかなーってね。だからいくひしは怒って、ネットで注文しちゃったよ。馴染みのお店でお買い上げしたかったよ。すっかり店員さんの顔覚えちゃったよ。BLとか買うの恥ずかしいよ。GLとか、その顔で百合ですかーみたいに笑われそうで恥ずかしいよ。でもね、行きつけのお店の笑顔がすてきな店員さんのレジでお買い上げしたかった! ああそうだとも、せっかくの機会を奪いやがって。激怒ーーー!!! はい。テンションに任せてみました。だいじょうぶ? 気分害してない? ごめんね。たまにはね。こういうのもいっかなーって。ダメだった? ごめんねー。


818:【KDPレポート(1)】
電子書籍の売り上げレポートです。2017年7月21日からKDPを開始しました。60日経過したので初めての振り込みがありました。7月分の売り上げです。実質10日分のデータになります。占めて1139円の利益となりました。初めて手にした本での対価となります。物語の対価ではなく、電子書籍化するにあたってかけた労力への対価です。そこはこちらにて「https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054883739704」「https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054883963362」もうすこし詳しく書いてありますので、気になるぞ、という奇特なお方はお読みください。八月分の売り上げ分もロヤリティとしてすでに換算されてデータとして表示されています。国によってレートが異なるので、ざっくり概算しますとだいたい4500円が振り込まれる予定です。前にも書きましたが、おそらくこの八月分がしばらくいくひしの最高売上高となる見込みです。だいたい十か月くらいかな? 一年後には月一万円の収益を超す月が数回出てくるようになると思います。希望的観測ですが。九月の売り上げはだいたい2000円くらいになると思います。KENP(既読ページ数)以外に二冊有料でご購入してくださった方がそれぞれおります。ありがとうございます(やったー、うれしいー)。タイトルはそれぞれ「千物語1~7」と「そらたかくおちるきみへ」です。「千物語シリーズ」は短編集です。ほかの自作との相対評価ですが、なかなか好評です。既読ページ数が多いだけでなく、たとえば「千物語8~32」は気鋭の成人向け漫画家さんがおすすめしてくださっていました。ありがたや~。(イクビシ的に「右脳」さんを越えられる逸材だと思っております。失礼な絶賛のし方をしてしまいました。すみません)(お名前をだしたいけれども、だしたら売名のために利用したようで、なんだかいたたまれないので、伏しております)。後者の「そらたかくおちるきみへ」をお選びの方はなんとイタリアのamazonサイトからご購入くださっています。海外にお住まいなのでしょうか。ほかにも全体の三割くらいが国外からのアクセスとなります。ブラジルと欧州が多いですね。海外にお住まいの方で、日本のコンテンツを安く仕入れるため、amazonの読み放題を利用している方が相対的に多いのかもしれません。いまのところ、Kindleunlimitedに加入しているのは個人出版が多く、大手の出版社は加入していない割合が高いです。なので、今後、大手の出版社がアンリミに参加しはじめたら、個人出版の人たちはいまの比でないほど読まれなくなるでしょう。大手の出版社がなだれ込んでくる前に、市場を開拓できるかが、個人出版主にとっては勝負となります。いくひしに勝算はないです。ただ勝てなくても損はなく、のほほんとつづけていけるのが、電子書籍のよいところです。以前にも書きましたが、いくひしの小説は無料で公開しています。どうしてもKindle端末で読みたい、という方以外は、わざわざお代を払ってまで入手する必要はないと思います。もちろん対価をいただけることはうれしく感じますし、次回以降のモチベーションが上向きになることもたしかです。ですが、それと同じかそれ以上に、いくひしは、じぶん以外の名も知らぬ誰かに、じぶんのつむいだ物語が読まれ、間接的に他人と繋がれることが何よりの報酬になります。一作だけで飽きたらず、二作目、三作目、といくひしのつむいだ物語にダイブする方がいらっしゃったら、おそらくあなたといくひしは、どこかしら共有できるところのある同素体なのだと思います。物理世界で出会ったらまず以って分かち合えない存在でありながら、物語を通してのみ、触れあえる。なんだかそういうのって、ステキじゃないですか? 夢見がちだとバカにされようが、なんといわれようが、ステキだと思います。あなたのようなひとがこの世のどこかにいてくれることを祈りながら、いくひしはもうしばらく物語をつむぎつづけていきます。お互い、同じ時代にはいないかもしれません。これを読んでいるあなたが、ひょっとしたらずいぶん未来の、スマホという言葉すら知らないひとかもしれません。安心してください。いくひしのつむいだ物語のほとんどは、スマホという言葉を使っておりません。もっと分かりにくい単語で代用しています。ですからひょっとすると、あなたが使っている翻訳機能では意味蒙昧な言葉として並んでいるかもしれません。親切心が仇になる、というのはいつの世も有り触れたできごとなのだと、それを示したいがために、そうしていたのだと好意的に解釈してくれると、作者はいたくよろこびます。いったい何を書いているのかがよくわからなくなってまいりました。KDPの話題はどこいったという感じでしょうか。どこにいったのでしょう。来月までには戻ってくると思います。そのときにまたお会いしましょう。では。ごきげんよう。


819:【右傾化する国、不敬なクズぶり】
2037年に普及したトウモコロシにより人類は食糧危機の問題を払しょくした。トウモコロシとはゲノム編集技術により、砂漠のような劣悪な環境下でも通常の倍の速さで育ち、実をならす新種のとうもろこしである。貧困による争いはなくなり、国家間の秩序は保たれる。世界平和の足音が聞こえてくるようだと、一時期、人々は久しく味わうことのなかったおだやかな日々を過ごした。しかし、事態はみなの思うようには運ばなかった。食糧問題を解決できる技術が確立されたことで、人口爆発の歯止めが壊れた。これまで先進国主導によって経済を維持してきた国々――なかでもアフリカは、国内生産のみで食糧を確保し、その文化圏にて飢えという言葉の枠組みを縮めた。多国籍企業を締め出し、国内企業の拡大を国をあげて目指した。先進国から搾取されつづけてきた過去の汚名を払しょくするがためにそうするかのような、ガムシャラな奔走ぶりは、まるで受精卵の細胞分裂を彷彿とさせる勢いがある。アフリカが第二の中国と謳われるようになるまで、十年とかからなかった。そのころ、中東や欧州では、難民問題が、こじれにこじれ、勃発する紛争の数は2000年初頭の倍にまで膨れあがった。テロ対策法が強化され、国と国はかつてないほど、厳格に区切られた。食糧問題やエネルギィ問題は、おおむね新技術により解決する。しかし、その新技術を国内に留め、他国の優位に立とうとする風潮が蔓延しだす。と、いうのも、そもそもがアフリカにおける人口爆発と経済発展によって、世界経済の均衡は大きく歪んだ。米中露の三竦みに、猛然とアフリカが割り込んできた構図だ。むろん、三大国はいい顔はしない。歪みは、どこかで発散させねば、世界の均衡がもたない。とすれば、国家間に亀裂が生じて久しい、中東欧州にて、これまでアフリカが担っていた、ビジネス牧場を構築し直そうとする動きが活発化しだす。新技術はそのころ、主としてインドやシンガポールなどのアジア諸国が起点となって発信されることが多かった。かつて期待できたシンクタンクの役割を、欧州に見出すことはなくなった。日本? 自然環境保護の対象として俎上に載るくらいがいいとこだ。米国との友好条約がなければ、かつての北朝鮮が担っていた役割を引き継ぐくらいが関の山だ。人口爆発と、新技術の内部留保によって、世界をとりまく環境は悪化の一途を辿る。大国と発展途上国との貧富の差はますます広がり、かつて先進国だった日本や韓国、そしてスイスを除く欧州は、発展途上国と大差ない貧困にあえぐことになる。かつての栄光が、贅沢な貧困という社会問題を生みだしているのだ。トウモコロシごときで満足できる文化水準をすでに上回っている国々では、身の程を弁えない生活により、飢えが絶えない。いっぽう、発展途上国を発展させぬように大国はこぞって、頻繁に紛争を起こさせ、文明が熟すのを阻害する。アフリカへは技術提供を謳い、安くて扱いやすい労働力を提供させ、いくらでもこき使い、大国はその地位を維持しつづける。事実上の奴隷制度である。かつて根絶された奴隷という悪しき風習が、国際的に合法で行えるようになったのだ。このころになると、すでに核の均衡は崩れ、時代は生物兵器とワクチン開発による凌ぎあいが、国家間の優劣を左右するようになる。むろんその時代にあっても生物兵器禁止条約は、多くの国で締結されている。しかし自国でつくれないならば、つくれる国につくってもらえばいい。仮に締結していようが、条約を歪曲して捉え、抜け道の範疇で兵器をつくることは可能だ。生命科学の原理上、医療研究との区別はつけられない。核の均衡は崩れたが、他国への核による威嚇は有効だ。優位に立ち、甘い汁を吸わせれば、新技術の開発に名乗りをあげる国はいくらでもある。自国内部で危なげな兵器を扱わずに済むのであれば、それに越したことはない。なにせ、生物兵器である。核兵器は国を滅ぼすが、生物兵器はことによっては、生命すべてを滅ぼしかねない。ゆえに、ワクチンの開発はセットであり、強請るならば核兵器よりも頭一つ秀でて映る。他国への交渉には一役どころか二役も、三役も買う。バイオテロは、人間だけでなく、その地域に固有の知能まで破壊する。DNA情報を指定し、特定の血筋のみを死滅させるウイルスが比較的簡単に生成できるようになったのは、皮肉なことに、かつて癌と呼ばれた悪性腫瘍をただの風邪並の手軽さで除去できる技術のおかげである。また、昆虫型ドローンとナノデバイスの組み合わせにより、ある分野の先駆者をピンポイントで殲滅できるようになった。サイバーテロの対策およびバックアップは比較的進んだが、人材損失への対策は、根本的なところで防ぐ手だてが見当たらない。それは、人は生きる以上死ぬという制約があるかぎり、避けられないレベルの問題だった。時代は、遺伝子操作により、人類の活路を見出し、生命存亡の危機を招く、そんな二律背反の歴史を刻みはじめている。このころになると、平和と聞いて思い浮かべる印象は、半世紀前とは大きく変わった。暴力なき世界、核兵器なき世界が平和なのではない。たとえ脅威がこの世のどこかに存在しようと、世界の均衡が秩序によって保たれていれば、平和なのである。かつて理想の平和を謳い、目指した国は、いずれも没落し、大国の肥やしとなるべく、日々、闘争し、飢え、それでも底上げされた技術により生命の危機からは程遠い生活を送ることを余儀なくされている。秩序を築く歯車としてのみ、彼らは産みだされ、平和を謳う巨大な暴力により、搾取されつづける。しかし、その国の民は口を揃えて言うだろう。弱者を救え。国は民のためにある。国を守るために、一部の権力を高めるシステムは悪であると。だが、彼らは知らない。かつてそのようにして、権力の余力を奪い、国力を民に分配することで、いまの自分たちが支配する側ではなく、搾取される側の弱者になっていることを。紛争ばかりで、大きな戦禍のない時代ではある。過去、人間は人間を支配した。一世紀前は企業が群衆を支配した。現在は、国が国を支配する。さも、家畜を牧場で飼うかのように。システマチックにそれは、連綿と意図されつづけた道程のうえに築かれている。どの時代、どの国にも正義などというものはなかった。いずれも、ある時代からすれば悪であり、誤りであり、欠陥である。理想とは程遠い。しかし、総じて否定しがたく、現実である。回路は循環さえすれば回路足りうる。肺が脳を活かすための器官だとして、それを不服と唱えても不毛なだけだ。肺が嫌なら脳になれ。嫌ならばすべてを同じ細胞としてしまえばいい。それをかつての人類は、癌と呼んだ。こうした未来を防ぐためのゆいいつの方法は、セックスを禁ずることである。童貞バンザイ、処女サイコー。セックスしたことあるやつは死ね。


820:【平和、平等、正義】
誰かを虐げたり、傷つけたり、理不尽な搾取をせずに、じぶんの思いどおりの生活をどんな人でも送れるようになることが、当面の人類の課題であり、理想だと思います。でも、すくなくともいまはそんな理想とはかけ離れた現実があるのであります。哀しいです。


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参照:いくひ誌。【481~490】https://kakuyomu.jp/users/stand_ant_complex/news/1177354054883170077

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