最近読んだ本:
・「86」
・「美森まんじゃしろのサオリさん」
おはようございます。
埋もれてた近況ノートの確認を怠りました。すいません。
今確認できたのが、
・魔王使いの監視日記
・英雄闘争ヒーローギア!!
・儚き咎は夢を知らない
です。上から読ませていただきます。確認漏れ、その他なにかありましたら、お手数ですがこちらに返信の方をお願いいたします。
感想:
魔王使いの監視日記
感想の難しい作品です。
端的に言って、物語の方向性が見えません。唯一わかるのは、魔王ルシフェルを、作者さんがとても気に入っているということ。
反して、主人公のキャラが薄い。
この世界の唯一神であるエデンや、それを憑依させた帝国の皇帝と楽しく絡んでいるのは、主役のシキではなく、ルシフェルです。
読者としては「主人公シキ」の目線で物語を追いかける。状況を把握しようと努めるわけですが、目前で神と魔王のコントが始まったり、日記が挿入されたり、コメディかと思ったら、シキの母親が何者かに殺害された、といった重いテーマも唐突に提示されます。
話や設定に、順序や整合性といったものが見られません。
単純に、ルシフェルが主人公で良いのではないか。と思った程です。
この考え方を、もう少し掘り下げていくと、
母親を殺された過去を持つ主人公、シキ・イースレイターは【ファンタジー世界の主人公】である必要があるのか。話を進めるよりも、そちらの【必然性】をもっと突き詰めた方がいいはずだと思いました。
仮に、シキという人物に、魔王ルシフェルが憑依する。
それが話の本筋で、かつ【必然性がある】とします。
では続けて、シキは【男であり、長男である必然性】はあるでしょうか? 【母親を殺された過去を持つ必然性】【性格はどちらかといえば寡黙であり、魔王が憑りついたことで非難を受ける必然性】はありますか?
その【必然性】は、物語を完結させることの必須条件ですか?
これはわたし自身、マインドマップの一貫として用いている手法ですが、まずは紙を用意して、ペンで直接メモを取り、アナログ媒体に疑問を書き連ねてみると良いと思います。
前述の内容だと、シキに、魔王ルシフェルが憑依するのは確定です。
では、シキが【女性】であれば、どうでしょうか?
明るく愉快でイケメンで、この世界の唯一神たりえるエデンの半身である魔王を従えた【寡黙で腕の立つ女性】。
エデンの契約者は、セフィロト帝国の現皇帝です。
町中にお忍びで繰り出したりしますが、エデンの翼のせいで王様だとバレるので、その過保護っぷりに、やや辟易としているところが見られます。帝王には、どこか子供っぽい、少年のような部分があります。
では仮にこの【王様】を、シキと年齢の釣り合う【王子】として代入すればどうでしょう。彼の王と、シキは【恋愛対象】になるかもしれません。
この場合、従来通りシキを主人公にしてもいいですし、
逆に【王子】を主人公にすれば、シキの母親を殺した犯人を捕らえ、贖罪させ、魔王ルシフェルを憑依させた【彼女】を、ヒロインの一人として扱うこと、仲間として迎え入れるという展開も可能です。
単体のエピソードとして話を構成させるならば、そちらの方が容易となります。この場合、シキの設定もさらに変わるかもしれません。彼女は帝国に住んでいない、【異国から来た旅人】でも成り立つますし、その正体は【魔界の姫君】でもいいわけです。
仮に上記の設定を適用させれば【天使を崇拝する帝都の住人から迫害される】もっともな理由になり、ひいては世界設定の説得力も増します。
要は、各種の要素を【物語の必然性】として分解する。自分の話を疑ってみる。そういった視線をもつことで、もっと【おもしろい話】になるんじゃないのかな? と思った次第です。
感想は以上になります。
今回はご依頼いただきありがとうございました。