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【自主企画2】 感想3日目


【タイトル】
 すれ違う絆。

 感想というよりは、改善提案に添った上での意見になります。
 あくまでも、素人の意見であることをご了承ください。 

 まず、全体的な感想は『話に起伏が無い』です。

 どうして起伏が無いのか。物語の出来事として『マイナスのイベント』しか発生していないからです。

 特に『親友が事故で死ぬ』という、もっとも大きなイベントの前後に、プラスとなるイベントが見受けられませんでした。

 重要となる、中盤以降の「物語の流れ」を簡潔にすると、


 1.主人公と友達が遊びにでかける約束をする。(プラス・小)

 2.主人公が友達に約束をすっぽかされる(マイナス・中)

 3.理由が判明。関係がさらにこじれる(マイナス・中)

 4.風邪をひいて寝込む。会わない日々が続く(マイナス・小)

 5.夢のお告げ。予兆。翌日に友達が死ぬ【マイナス・大】
 
 6.後悔する主人公。時間だけが過ぎる(マイナス・小)

 7.年が明ける。亡くなった友達を想い、完結する(プラマイゼロ)


 以上のように、マイナスイベントが続くことになります。


 これは仮定の話ですが、もしも、とある運動部の青春ストーリーを書いたとします。エンディングAとエンディングB、どっちが良いか考えてみてください。

【エンドA】
 ・弱小の野球部が、やはり今年も予選1回戦で敗北。
 ・何も結果は残せず、主人公はくやしい想いをして終了。

【エンドB】 
 ・弱小の野球部が、やはり今年も予選1回戦で敗北。
 ・何も結果は残せないが、主人公は先輩の意志を継いで再起を誓う。


 選ぶならどっちだと聞かれたら、まず【B】です。そして大方の作者も【B】を目指し、物語を書きあげるのですが、結果として【エンドA】に見られるパターンが多々あります。

 作者が【B】に至る話を書いたつもりが、
 読者にとっては【A】だった。

 その最たる理由は、物語に起伏が無いからです。わたしがこの物語(すれ違う絆)を読んだ時も【A】のパターンであると思いました。
 つまり、作者さんの意志がどうあれ、この物語はわたしにとって、何もプラスとなる事例が残りませんでした。単純に『友達が死んだ。哀しい』という話です。

 
 物語を改善するなれば、どこを、どうすればいいのか。


 以下は、わたしの創作論になります。まずは原稿を印刷して、紙媒体のアナログにアウトプットしてみてください。赤と青のボールペンを用意します。そして紙に直接、イベント内容に青ペンで「プラス」を、赤ペンで「マイナス」を記入して、自作品の【持ち点】を意識してみてください。

 わたしがやるとこうなります。

持ち点【10】
イベント重要度・大

 1.主人公と友達が遊びにでかける約束をする。(プラス・1)

 2.主人公が友達に約束をすっぽかされる(マイナス・3)

 3.理由が判明。関係がさらにこじれる(マイナス・3)

 4.風邪をひいて寝込む。会わない日々が続く(マイナス・2)

 5.夢のお告げ。予兆。翌日に友達が死ぬ【マイナス・5】
 
 6.後悔する主人公。時間だけが過ぎる(マイナス・1)

 7.年が明ける。亡くなった友達を想い、完結。

合計(マイナス13)

10-13=-3

 数字は適当で構いません。プラスやマイナスも、各々独自の解釈で構いません。だいじなのは、癖をつけることです。

 作者は自分の作品に愛着がありまくるので、書いてる時や、後で読み返してみる時に「今、わたし何点もってる?」と、自作品を俯瞰する、客観的に見つめる、それを意識的に行うために、わたしは【得点】をつけて、紙に直接ボールペンで記入しています。

 そして、マイナスイベントが多すぎると思ったら修正します。
 意識的にプラスを挿入して【持ち点】をあげます。

 1.主人公と友達が遊びにでかける約束をする。(プラス1)

 2.友達が待ち合わせ場所にやってくる。私服可愛い(プラス2)

 3.映画を見る前に、オープンカフェでお茶。
 友達がしきりに携帯を見つめる。顔色がすぐれない(変化なし)

 4.理由が判明。祖父の体調が思わしくない(マイナス1)

 5.映画館の前。開演直前で友達に電話。祖父の体調が急変した。
  映画は見られず、お揃いの小物だけ買って帰る(ゼロ)

 6.深夜、友達から電話。祖父が死んだ(マイナス2)
  
 7.学校で再会。元気のない友達。
 落ち着いたらまた遊びにいこう。
 ポップコーンの大きいやつを二人で食べようよ。(プラス1)

 5.夢のお告げ。予兆。翌日に友達が死ぬ【マイナス5】
 
 6.呆然とする主人公。時間だけが過ぎる(マイナス2)

 7.一人きりで映画を見に行く。
 ポップコーンを食べる。
 映画の主人公が言う「それでも前に進まなきゃ」
 共感。しょっぱい。泣いている。再起を決意。(プラス2)

 8.数年後。高校を卒業し、一人暮らしを始めた主人公。
 テレビ放送で、あの時の映画が放送される。
 亡くなった友達を想い、完結。


 ざざっとやって、こんな感じになります。
 こんな感じに仕上がったら、わたしの場合は職場の人に見てもらい、意見をもらい、意識合わせをした後、また修正にかかります。

 ちなみに「んー、あきらさん、生まれた瞬間からやりなおそ?(笑顔)」と言われる可能性もあります。無かったことにされたら、それはそれでまた、前進している事になります。なっていると思いたい。なれ。

 盛大に脱線しましたが、要は『今のままでも悪くないけれど、意識的に起伏を作ってみれば、もっと良い物ができますよ。それは約束できます』という事になります。

 感想は以上です。
 今回は自主企画にご参加いただき、ありがとうございました。

 秋雨あきら
(2017/11/15)

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