(書き下ろし投稿用の下書きです・タイトルも仮だよ)
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???:
「――俺はお前に嘘はつかない。考えてもみろよ。もし全員がお前を騙しているのだとしたら、俺もその一部であるということだ。俺はそんなことはしていない。だから、周りすべてうそ、てことも、ありえないんだ」
???:
「いいぜ、それでも疑ってかかるってんなら、先に言っておいてやる。俺はヒトが大好きだ。踊らされる立場のやつ〝ヒトを喜ばせる存在〟を体現したモノを見て、うっとり現実逃避をしたがる連中も大好きさ。何故かって? 教えてやる。連中は金になるからだ。つまり俺は金が好きなんだよ」
???:
「連中は金を払い夢を買う。俺は金を得て夢を売る。それはまさに可能性の権化であり、俺と連中をつなぐ拡張性の基盤だったと知った。すべてが終わった後になって、連中の気持ちってのがなんとなく分かった気はしたよ。理屈的にはな」
???:
「……そう、お前もだんだんわかってきただろう? 余裕のある連中ほど歪むんだ。他人の悲観的な顔をみたくもなる。どうしてかっていうと、シラフのカオを浮かべて奔走する、お前さんの中に宿るであろうタマシイに深く共感する。したいと錯覚するからだ」
???:
「不思議なもんでな。連中は表を大体食らいつくすと、今度は何も持ってない、知らなかった方が自由で良かったとか言い始めるんだよ。だけどしばらくするとまた、物足りない、乾くんだと喚き始める。ありもしない、きらびやかな物を求めて駆けていく」
???:
「連中の証なんてそんなものだ。そんなものの繰り返しだ。……ところでお前、今日までに物語を読んだことはあるか? そうか、俺はひとつだけあるよ。言ったろ、俺はお前に嘘はつかないってな」
ーー*
俺のもとへ、一通のメールが届いた。
【重要】
(4月2日)
アルティメット・リアル・ファンタジー運営事務局よりお知らせ。
『アルファン』プレイヤーの皆さまへお知らせです。
平素より当VRMMOを遊んでくださる方々へ。
この度、アルティメット・リアル・ファンタジーは諸々の理由から、サービス終了を決定せざるを得ない状況となりました。
サービス終了の予定日は、GW明けの翌週。
5月14日(日)23:59を予定しております。
これ以降は、ゲームにログインすることができなくなります。
サービス終了と相成り、本日24時より課金に関わるシステムの一切を中断いたします。
課金のクレジット残高が残っているユーザーの皆様には、サービス終了までに、個別にて別途連絡を行い、返金をさせて頂く運びとなります。その間に購入されたアイテムに関しては保障しかねますので、クレジットを利用する際はご注意ください。
アルティメット・リアル・ファンタジーは
今年の5月15日にて、10周年を迎えます。
ここまで続けてこられたのも
ひとえにプレイヤーである、皆さまのご支援あってのことでした。
残り少ない時間ではありますが、
運営一同、粉骨砕身の姿勢でサービスを続けていく所存です。
GWのイベントも、過去最大規模となる予定でございます。
これまで長きにわたりご愛顧いただきました事を
心より御礼申し上げます。
アルティメット・リアル・ファンタジー
運営事務局一同
「……なん、だと……?」
9年間、遊んできたVRMMOが、とうとつにサービスの終焉を迎えようとしていた。俺はその事実を知って愕然とした。
開いた口元からパンを零し、ぽちゃりとマグカップの中に落とすとかいう、なんともベタな過ちを犯したらしい俺を見て、父親が言った。
「すぐる、遅刻するぞ」
いまだに紙の新聞を広げて読む父親に返した。
「っ! のんきに学校なんか行ってる場合じゃねぇ!! 嫁と娘が危ねぇんだ!」
「……またゲームの話か」
「ゲームじゃねぇ! 現実(リアル)なんだよー!!」
地方都市。高級でもなんでもない普通の住宅街。ごくありふれた中流家庭の屋根が並ぶ一角に俺の実家があった。
少し離れたところに、去年の春に新装開店した、親父の美容院がある。母親は小さな頃に死別していて記憶も定かでないが、現在の父親の店はそこそこ繁盛している。
「ヤベェ! 早くリアルにログインしないとっ!!」
「こら、すぐる。学校は――」
「大丈夫だって! 中間、期末も成績上位で安泰余裕だから!!」
「……いやお前、そういう問題じゃ……」
「大問題だよ!! 俺の世界はリアルで成り立ってるんだよ!!」
自分で言うのもなんだが、親父は俺にずいぶんと甘い。あきらめた様にため息をこぼした。
「せめて食べた物ぐらい片付けなさい」
「わかった!」
ぱさり。と新聞を畳みながら父親が言って退けた。反して俺は大急ぎで皿を片付ける。苦節数十年(父親の)汗と涙の結晶の階段を駆けあがる。ありがたいことに、一人息子で長男である俺「柏樹すぐる」は、さして苦労もせず得られたマイルームの扉を開く。
用意しておいた学生鞄を退け、クローゼットを開いてラフな私服に着替えた。VRゲームの中でも使える、拡張現実装置を兼ねたスマホを充電機に差し込み、さらにVRのヘッドディスプレイへと無線認証を施した。さっさとヘッドギアを取り付け、椅子に座る。
散髪用のリクライニングチェアを倒す。親父の店で払い下げた物を頂いたのだ。VRゲームをする時には、これが絶好の塩梅となる。
ヘッドギアのスイッチをON。
目前が一瞬で暗闇に代わり、白いメッセージが表示。
お決まりの如く『長時間の仮想現実へのログイン注意点、未成年者の月間規定時間の注意事項』が表示される。
リアルを大切にしましょう。ゲームへの過度な依存は、あなたの健全な社会復帰を妨げる恐れがあります。
バカめ、ゲームこそ、俺のリアルよ。
ちなみに『未成年者の規定規約時間』を超越すると、アカウント認証に制限が掛かったりするが、機械とプログラムの造形に詳しいオタ友の手によって、その制約はクリア済みだ。
さぁいくぞ。アバターを纏い、仮想現実の中を駆ける。まずは『アルファン』に関連した大手サイトや総合ゲームサイトの情報体を覗き込む。
「……なんてこった、やっぱ、マジなのかよ……」
1つのゲームが終わろうとしていた。
サービス開始当初から、よくて『そこそこ人気の量産型』だった。
俺の人生の半分以上、9年間も続いたVRオンラインゲームが終わる。けれど大半のゲームアプリが、即座に『爆死』していく中で、それは大往生とも呼べるだろう。
俺と同じく噂を聞きつけたのか、なつかしい、昔はよく遊んでた。始めてのVRゲームだった。という声が、関連するプラットフォームに続々と寄せ書きを集めていた。
『――仕方がない。始まりがあるものは、いつか終わるんだよな』
『まぁ新しいゲームも絶えず出てるし、みんなそっちでまた会おう』
達観を気取ったコメント群を見て、しかし俺は激怒した。
「終わってたまるかあー!! あの世界には、あの世界にはなぁ……俺の嫁と娘がいるんだよーーーーっ!!」
そう。
高校二年の俺には、べつの世界に、嫁と娘がいるのだ。
ーー*
それは、狭義的に言うところの〝弱い人工知能〟だった。
今から10年ほど前に、チェスに続き、将棋の分野で目覚ましい発展を遂げた――正確に言うならば『人間界の頂点に立つ連中に勝ち始めた』――人工知能は、特定分野に限定した場合、人間に勝るとも劣らぬ実力を持つことが証明されつつあった。
その数年後、VRゲームと呼ばれるジャンルの開発が進み、人が仮初の肉体を持ち、電子世界との邂逅が現実化されたゲームの世界においても並行して生かされた。
該当する世界を攻略するパートナー。
プレイヤーのゲーム攻略を〝アシスト〟するAI群は、VRゲームという世界でも一角の存在感を発揮した。
〝どこかで見た同じようなシステムのゲーム〟が乱立する昨今。
『アルファン』が9年のサービス維持を続けてこれたのは、他のVRゲームよりも、AIのサポート存在に力を注いできたからだ。
どんなゲームでも、サービスが続いていくと、俗に言う『インフレ現象』が発生する。後から出た武器や魔法は、同じレアリティであっても、先に出た物よりも、少し強い。少しずつ強くなっていく。
そうして、古びた最高レア武器は『かつては最強だった』物に成り下がってしまうのだが『アルファン』はこのインフレシステムを、パートナーAIの成長、育成に回すことで補ったのだ。
ゲーム歴の長い、俺たちのようなコアな連中が辿りつく、エンド・コンテンツと呼ばれるもの。それは『アルファン』においてこのように呼ばれた。
エンド・コンテンツ――あるいは人生の墓場。
結婚。
そこに至るまでの道は果てしなく険しかった。
面倒極まりないクエスト。膨大な量が必要となる収集アイテム。
時には週末限定。合コンと揶揄される、複数人数を強要されるクエストも多々あった。ランダムでフラグの成立する選択肢は涙をのんだ。時間だけはかかるのに、極悪なドロップ率をほこる指輪の素材。さらにそれを製錬しようとすればランダムで破壊される。さらにさらに指輪が完成したとしても、渡そうとすれば拒否されることもある。すると最初の合コンからやりなおしだ。このループにハマると、普通に一ヶ月、二ヶ月と無為な時間が過ぎていたりする。
――リアルで婚活する方がマシかなと思った。
最後にそう言って引退し、マジで結婚したプレイヤーもいた。
だが……俺はあきらめなかった!
『アルファン』で婚活を続け、ついにAIと真なるパートナー契約を結ぶに至った! 結婚した!!
翌年、運営はさらなるエンドコンテンツとして『神々の子供たち』というアップデートを行った。俺たちは予感した。
運営の連中……今度はイクメンを押し付けてきやがった……。
さらに過酷になったドロップ合戦。どれから手をつけていいかわからない複数混合のクエスト。中には「子供はしばらくいいかな……」と脱落したプレイヤーもいたが、俺は耐え抜いた。無事、子宝を授かった!!
システム上、全年齢なので、そういうアレはなかったが、とにかく苦労したことだけは記しておきたい。……それが原因でサービス終了するんじゃねと言われても、うん、否定できないな。
とにかく『アルファン』の世界には、俺が小学生の時から始め、中学生の頃には、テスト勉強などの合間に婚活し、高校に入ってからも心血注いで育児を貫いてきた今があるのだ。
なのに、その世界が終わるなんて……ありえねぇ!!
俺は認めねぇ!!
「――ローザァ!! リミィ!!」
王都の一等地にある屋敷の室内を駆ける。メイドと執事らが「お帰りなさいませ」と声をかけてくる中、妻と娘が同時に振り返った。
「聞いたか、おまえた――」
「スグ、なんでここにいるの」
「え」
「ハァッ!!」
妻が凄惨な勢いの裏拳をかましてきた。顔面にブチ当たった。ダメージが表示された。割とHPが減った。
「今日は平日でしょうがっ!! 学校に、行ってろ!!!」
俺はAIに怒られていた。
ーー*
「つまり、お前にとってのアルファンって、なんなんだ」
「人生だけど?」
「残念だな。――で、カズヤ。お前のターン」
「わぁってるって。ちょい待てよ。飯食ってんだよ」
昼休み。俺たちは、購買で買ったパンとコーヒーを食って教室でダベっていた。この高校に進学して構築されたオタ友人AとBは、可視光子線(フォトン・ライン)を搭載した、最新の現実拡張スマホをポチり、カードゲームに興じている。
「んぐ……あー、卵サンド最近食い過ぎてあきてきたわー。龍騎士ファルテを召還。疾風効果を発動、トオルにダイレクト」
『了解、マスター! 相手マスターに直接攻撃をしかけるっ!』
教場の雑踏の中。指定されたARフィールド、三人の机を寄せ集めた領域の音声を正確に把握。立体映像化されたフィギュアサイズの『龍騎士ファルテ』が、愛龍の背の上で黒槍を構える。
『いくぞ! 我が奥義受けてみろ! 黒龍滅……』
「はいはい。秘策発動するわー」
友人Aの主力キャラが槍で薙ぎ払うモーションを浮かべる直前、Bの目前でほのかな青い光が放たれた。カウンタースペル、とかいうやつである。
『秘策:迎撃の蒼光。コスト(2)
相手のユニットがプレイヤーに直接与えるダメージを無効化する。
さらに1マナが余っている場合、ダメージをユニットに反射する。』
効果音。ばしゅーん。
Aの切り札であったろうファルテが消し飛ぶ。
「ふぁ……ファルテちゃんんんn!?」
「ぶはははは! チョッロ! マジチョッロッ! 勝ち確かと思った? ねぇねぇマジ勝ち確確信してたろ、ハイお疲れっしたぁー!」
「おま……マジクソウッゼーし。つかコントロやめーや。昼休み50分しかねーんだかんよ。男ならアグロ一本で勝負せーよ」
「アグロ同士の対決とかクソやろ。右手光らせるだけの運ゲーやし。つーか、秘策読みしねぇのが悪い」
「うっせーな。対策入れてなかったんだよ。つか調子のってっと、そのどや顔にカフェオレぶっかけんぞコラ」
「あ、おま、それはやめろよ。やめてくださいよホンマ。暴力とか絶対ダメ。決着はゲームでつけよう。登録ユーザー数2000万越。カードゲームの決定版『ダークストーン』にリアル暴力は似合わないっ!」
「知るか」
怒りでわなわなと震えるBの手。現実で販売中、今時硬貨でしか購入できない100円の紙パックカフェオレのストローが、宿敵の顔面に向けられていた。
「…………はぁ、いいな、お前らは楽しそうで……そのゲームのサービス、まだまだ続くんだろ?」
「続くだろーな。来週のGWに賞金制の全国大会開かれっし」
「優勝したら、1000万だぞ、1000万。マジパねー」
「運営どんだけ儲けてんだって話よなー。つか、俺らだってワンチャン、リアルドリームあるんやで。前回の大会、優勝者が高校生だったもんな。すぐるもやろうぜ。ダクスト」
「強けりゃ、実質無料でカード揃うしな。ダクストはいいぞ。すぐる、お前ゲーム上手いんだしさ。好きなゲームがサービス終わって気落ちすんのはわかるけど、でもそういうもんだろ。ゲームって」
AとBがそろって、ダイマよろしく、カードゲー同士を増やそうとしていた。俺はおにぎりをもそもそ齧りながら、もう一度ため息をこぼす。
「代わりの効くデータじゃないんだよなぁ……」
「あー、末期?」
「末期症状だな。その運営、他にゲーム運営してたりしてねーの?」
「してない。元々小さなコミュポータル系の運営会社だったらしいんだけど、自前の部署でVRMMOリリースしたのがアルファンで、サービス終了すんのも、大本の母体が倒産するからって噂で、ゲーム自体の引き取り手とかもないらしー」
「それまた救いのない話だな」
「けど、この時世に9年サービス続いたのは素直にすげーわ」
「MMOとか、雛型のタイプが量産されすぎて、一時期の人気は凄かったけど、ブーム過ぎたら一気に下火だしなー」
「みんな、口をそろえて言うよな。〝ゲームに疲れた〟って」
「今RPGつったらほぼオフ系だろ。他人と競わずに、仮想現実で確実で俺ツエーできるし」
「結局のところ、みんな〝一番になりたい〟わけだしな」
「どんだけ〝他人に認められるか〟っての、あるよな」
AとBが、勝手知ったる風に言う。だけど当たらずとも遠からずのような気がした。あの世界を失えば、俺は今の自分を、どれほど失うのだろう。
ーー*
わたしは『視聴者』である。
昔からゲームやアニメが好きだった。
大学を卒業して、社会人になってからも、本来のオタク気質は抜けきらず、定時を過ぎて家に帰ってきたら、もっぱら家で深夜アニメを見るような生活を続けていた。
少し前までは〝頭をからっぽにして見られる〟と評判のアニメを好んでいたけれど、その反動からか、最近は少しマニアックな傾向のある話を求めていた。
最近のお気に入りは〝俺として〟だ。
正式名称はバカみたいに長いので割合する。これはアニメではない。現実の映像作品だ。1話30分程度。1週間に1度の頻度で更新されている。
テレビドラマとして正式に放映されているものではない。
公開はゲーム『ダークストーン』登録者の会員に限定され、その公式ホームページ内のみでの配信となっている。
〝俺として〟は、現代のある大手ゲーム会社が別部署を立ちあげ、作品に関する金銭の一切をマネジメントしているという。若手の芸人や俳優の卵を集め、少子化の影響で廃校となった私立高校を買い取っている。そうまでして、新しいエンタメジャンルに挑戦したかったらしい。まぁ率直に言って、金に物を言わせた作品だった。うらやましい限りである。
〝俺として〟の舞台設定は、近未来。
ガジェットとして、VRMMOや、拡張現実を3D投影できるARシステムが、実際のスマートフォンアプリのハードウェアに搭載されている設定が見られた。この辺りの表現は、大手ゲーム会社の得意とする分野、CGによる映像加工技術が施されており、現実とゲームの映像が、違和感なくリンクするヴィジュアルに仕上がっていた。
問題はストーリーの内容だった。
これまで、王道といえるRPGゲームと、そのキャラクターを流用したカードゲームで世に名を知らしめた会社による、初の映像作品である。
さぞ学生らが好みそうな、オシャレな現代ファンタジーが展開するのだろうと思いきや、内実は『柏木すぐる』という、どこにでもいそうなオタクの高校生男子の話だった。
小学生の頃からVRゲームにどっぷり浸かって、ゲーム世界を『リアル』と呼び、キャラクターを『嫁と娘』と呼ぶ。容姿こそ人並み以上だが、実の父親からはベタベタに甘やかされ、叱られず、痛い発言を繰り返すという、まごうことなき『残念なイケメン』だった。
1話放映直後は『死ね』『イライラする』と散々で『すべる』という仇名が即座に定着した。
一体、誰をターゲットにしているのか、そも一体どうして、こんな王道から逸れるも甚だしいストーリーを作りあげたのか。社会人になり、毎日が含みのある人付き合いばかりの今、理解に苦しんだ。
ただ、高校生を演じる若手俳優らの、すがすがしいまでの『自社ゲームの絶賛ダイマっぷり』などは、見ていて結構笑える。
そんなわたしと同じ感想を持つマニアックなオタク共は、世にいくらかいるらしい。この誰得ストーリーも徐々に共感の輪を広げていた。twitterの公式宣伝担当も「当面、打ち切りにならずほっとしている」とか言っている。
そしてわたしのようなオタクは、こういった「変な作品」から、自分の価値観を広げていくのを良しとする傾向にある。今までまったく興味のなかった「3次元の役者」の名前もいくらか覚えた。
当然、この物語の主人公『すべるさん』こそ『柏木すぐる』も検索をかけたのだが、あきらかに当人とは違う人物しか見当たらない。
若いし、新人なのか。あるいはネットの反響を受け、彼が所属する事務所が情報を秘匿することにしたのか。分からなかった。
ただ、現在のわたしの楽しみとして〝俺として〟はあった。
今月は仕事が忙しかったので、週末の今日、久々にタイムシフトの視聴を進めているところだ。
さぁ、物語の続きを目にしよう。
視聴者のわたしは、次の話を再生した。
(続)