・御行
本編の主人公。一応は頭領息子で、温羅の末裔。名は、かぐや姫の求婚者の一人から。
すでに書いた通り、元々主人公は無気力系貴族だったのですが、それがいつの間にかやんちゃな盗賊系になり、さらに設定が変わってこんな奴になりました。
豪快で情に厚く、まっすぐに、がコンセプト。周りにいじられているのは書くのが楽しかったです。
・麻也
名は適当につけたのが、そのまま定着しました。
最初の場面を書くときにぱっと思いついて書いてみたら、そのまま馴染んで主要人物に。突進系な御行のストッパー、かつ場面のまとめ役になるよう意識しました。
諸事情により幼少時から親兄弟がおらず、御行の家で育てられた設定です。
・春日
名は、和風に、かつ男らしくはなく、というだけで決定しました。
麻也同様、とりあえず出してみたら馴染んだ子です。一言余計なためにつっこみをくらうも、なんだかんだ言って可愛がられるお得な子。天然腹黒で可愛く、と意識しながら書きました。
実は結構強い設定です。
・葵
名は、これまた和風にというだけ。
かぐや姫の重要な要素である衣のところをどうするか、と考えた末、登場してもらうことにしました。身代わりを買ってでるくらいだから勝気でびしっと言う人、と意識しつつ描写。結果、容赦ないつっこみで御行をへこませることになりました。
・白陽
名前はやっぱり和風に、というだけです。はい。
月と言えば兎だよね!という安直な考えのもとに登場が決まりました。兎だからそんなに堅苦しくなく、という軽いノリで、こんな性格に。
・かぐや姫
ともかく美人ということは確定しているので、あとは性格。罪悪感を抱えた姫君ということで、気高くも申し訳なさでいまひとつ積極的になれない、儚げなふうにという方向に決定しました。
物語でも彼女の罪は明らかにされていないので、流罪に値する、けれどいずれ帰還させてもらえる重罪とはと考え、都の壊滅に知らず関与したことに。本来は陽の世で生涯を終えてから、月の世に戻る手筈でした。
時間を司る力は、「鬼恋硝子~」にも書きました変若水からです。
・石上彰人
求婚者の一人。名は、物語の求婚者たちの一人から。
物語では燕の巣の玉を所望され、死んでしまった人です。彼女が涙を流した=多少は気にかけていたのかなという空想から、かぐや姫が惚れるようないい男を、というコンセプトでキャラが決定しました。
御行たちと知り合いなのは、家族の犯罪行為の巻き添えで地方へ出ざるをえなかった頃に出会った、という設定です。なので、父親にはあまりいい感情を持ってません。
・陽の帝
六人目の求婚者。名はまだない。
十六、七の少女に求婚するのだから若いのがいい→物語では屋敷に突撃かけたみたいだから積極的な性格にしよう、という安直さで性格が決定しました。腹黒いけど陰険ではないので憎めない人です。でないとどろどろ系の話になりますし。
・翁、媼、賢木
姫君の流刑先として相応しい、あたたかな人たちがコンセプト。善良な人たちです。ある意味、作品で一番の被害者。
・他の求婚者たち
全員、物語の求婚者の名前や地位、所望された品を参考にしてます。唯一の登場(?)シーンは、断られて当然な人たち、と意識しながら科白を考えました。
・樟葉、敦盛
樟葉は和風に、敦盛は『敦盛』から。だって浜辺の若武者といったらそれしか浮かばなかったんだ、と言い訳します。
慕われる巫女だからという以上に職務に燃える若武者なので、幼馴染み設定にしてみました。言葉にしていないけど互いが大切、という関係。周囲も薄々気づいていると思います。
・天狗
姫君を狙う敵が必要だよねという適当さで登場が決定。さらに葵の身代わり話ともリンクさせた結果、粘着質系の悪役に相応しい奴になりました。
・災いの闇
最初は天狗をラスボスにする予定だったのですが、よりパワーアップしない駄目だしかぐや姫の物語を絡めないと、と悩みまして。それで登場してもらうことになりました。本編中の天岩戸云々のあたりは、古事記に書いてます。