拙作にお越しくださった皆さま
佐藤宇佳子です。いつも拙作をお読みいただき、ありがとうございます。
『イソヒヨドリの町で』と『ハクセキレイ(イソヒヨドリの町でー2)』がそれぞれ 5000 および 1000 PV を超えました。数多くの作品の中から、ミステリーとも現代ドラマとも言い難い、微妙な立ち位置の拙作に目を止め、読んでくださった方々の貴重な足跡だと思っています。本当にありがたいことです。
イソヒヨドリの町でー2にあたる『ハクセキレイ』ですが、今のところ、残り13話、11月半ばに完了する予定です。
相変わらず、行ったり来たり、喜んでは悲しみ、の繰り返しで、展開の遅い物語なのですが、人生ってそんなものじゃないのかなと心の中で言い訳しております。連続する人生のどこでエピソードを切り出すかにより、ハッピーエンドにもバッドエンドにもなりますよね。
例えば『桃太郎』だって、「鬼ヶ島で鬼退治をして、金銀財宝を持って帰っておじいさんおばあさんは大喜びしました」で終わったからハッピーエンドなのです。「金銀財宝に舞い上がって贅沢の限りを尽くした桃太郎一家はあっという間に一文無し、桃太郎は日雇いの仕事で糊口をしのぎつつ、おじいさんおばあさんの介護に明け暮れる毎日を過ごしました」だと、なんとも教訓めいた話になっちゃいます。
喜びがくるりと悲しみにひっくり返るのは日常茶飯事だし、人間の決意は脆いもの。苦しいと感じつつも、その苦しみだけに向き合ってはいられず、多くの場合は仕事をしてご飯を食べて眠ってまた翌朝を迎えるという日常を続けていることでしょう。傍目には普通の生活を送っている川野たちの、ちょっとだけフツーじゃない内面をもうしばらく描き続けます。
今後ともお付き合いのほど、よろしくお願いいたします!