『びぐに』
すぐに、いつでも、昔、このあと、のように時制を表す副詞が日本語には存在します。そこで、次のアイデアを考えました。それは、もし人類が理解することがない時間間隔・異次元の時制が存在して、その特殊な時間の中で過ごしている生き物がいたとしたらというアイデアです。この不思議な時間を過ごす生き物が日本語をしゃべったとき、その時制を表す副詞を『びぐに』とします。
例えば以下のように使います。
僕はびぐに家を飛び出した。
君はびぐにりんごを食べた。
鳥はびぐに宙を舞っている。
『びぐに』は時制を表す副詞です。しかし、それは過去でも現在でも未来でもない”人間では知覚しえない時間”を表しています。このような未知を仮想の品詞で表現するアイデアに僕は注目しています。