色々な作品の中で、裏切られて、奪われて、罵られて、どん底に落とされた主人公が復讐するものがありますよね。
私、思うんですけど復讐できる人って、本当は自分のそういった性質というか「牙」をもともと持っているんじゃないかな。
そしてそれに気が付いてる。
それを他人に対する優しさや理性で覆い隠してる。
ドロドロとした真っ暗い情念を理性というか優しさという仮面で覆い隠してる。
それも他人に知られないように完璧なまでに。
その完璧さは、相手に侮られる危険性はあるものの社会の中で平穏無事に生きていくには必要な物。
ただひとたび、その仮面がはがれればどんなに残虐なこともできてしまう。
そこに手抜きや手加減はない。
それは、報復であると同時に警告でもあるから。
復讐は空しい。
それは失われたものが帰ってこないから。
でも復讐者は、仮面をかぶり再び社会に帰っていく。
失われたもの以上に大切なものを信じられるものを探しながら……。
何故なら、人は決して一人では生きていけないから。