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さよなら、初恋 の蛇足

 本編はマルシオと胡桃のカプで確定したかのような終わり方だったけど、そういやあのキャラどうなったっけと考えると安泰にはいかないだろうなと思った。
 あのキャラことマルシオの元カノだったベリンダが暗躍するとミゲルルートへの道が開かれます。

 高位貴族令嬢らしくプライドが高かったベリンダはマルシオから「君とはやっていけそうにない。僕は慣例通り聖女と婚姻する」と振られたのを許せず、怒りの矛先が聖女の胡桃に向かう。

 その頃の胡桃は、忠実な侍女ソフィアが結婚懐妊して一時傍を離れており一人だった。
 ベリンダはそりゃあもう当て付けるしあることないこと言う。

「まさかご自分がマルシオ様に愛されてるとでも思ってるの? 彼は先祖代々の風習に逆らえなかっただけよ。それに二度も治療を受けたらさすがに聖女をないがしろに出来ないでしょ。王も王妃も息子が何度も不幸な事故に合う運の悪さを考えて聖女を手元に置くしかないと思ったのよ。貴方のような他人のお下がりでも仕方なかったの。何のことって? 昔貴方がクビにした侍女がこちらにいるのよ。ミゲル様と貴方は幼いころから自室に出入りする仲だったのでしょう? そんな関係で何も無かったなんて無理があるでしょ。本当、汚らわしいこと」

 元々悪意のストレス耐性がない胡桃、考え込むあまり鬱になってマルシオとの結婚前にぽっくり死亡。神殿に居た時はあんなにそうなりたかったのにね。
 色々補足しておくと、胡桃とミゲルは付き合ってると胡桃が思っていた時でさえミゲルのほうにその気がなかったので綺麗な関係です。ミゲルは色々アレだけど、胡桃が未成年なうちは一切その気を起こさなかったというとても健全な大人でした。夜に私室に入ったりしたのは単に安全確認のため。あと胡桃が未成年だったから保護者としての責任もありました。
 なおベリンダのほうは王妃確定したと思って婚約者のうちからマルシオと関係を持っていたので、本当にヤバいのはどちらなんでしょうねという。

 胡桃が亡くなって呆然とするマルシオだが、胡桃が幸せになれると思って送り出したミゲルは憤慨。
「俺のところが悪いと思って王宮に引き取った結果がこれか?」
 マルシオは何も言い返せないし、かといって胡桃に操を捧げることもできない。数少ない王家の直系だから。適当な令嬢と結婚して子供をもうける。死ぬまで死んだように生きた男。
 暗躍したベリンダさん、マルシオにも王と王妃にも見限られて一生自宅の地下牢に幽閉処分。でも本人は「聖女が幸せになるくらいなら幽閉バッチこい」な思想だったので満足。罰になってないけどそれ以上の被害は出ないのでセーフ。ちょっと擁護しておくと、既にマルシオとの仲が知れ渡っており貴族令嬢としてまともな婚姻は望めなかったので、胡桃が憎くなるのもやむなしな面もあります。
 正直ベリンダより問題だと思うのがミゲルの元カノのエリーさん。彼女はミゲルが模範的な大神官として名をあげるにつれ「あの大神官にこんな過去が!」と暴露本出したりして一儲けしてます。そうです領地内でただれた日々を送っていた頃の話です。過去のやらかしを償うためにミゲルは更に大神官として頑張らなければならなくなり、やがて話題にされなくなり悪名より良い評判が勝った頃にまた過去話を持ち出して一儲けするエリー。負の無限ループ。大神官の人権?ないよそんなの。こっちは事実書いてるだけだし。その商才を見込まれて婿をとって最後までぶいぶい言わせていたエリーさんでした。エリーにとってミゲルは出会った時から金の生る木。なので神様も「ミゲルはその人生内で罪を償ったと言えるなこりゃ」と同情して……。
 

 とここまではヒロインの死ネタ。
 というか死なないとミゲルルートが開かれない。

 何十年かあとに、田舎の村で胡桃の生まれ変わりが現れる。記憶は無し。胡桃は評判の聖女だったので名前もそのままクルミ。
 その近くには年齢が一歳差のミゲルの生まれ変わり。記憶有り。「いつ恋愛しても問題無し!やった!」
 村長の息子と流れの薬師の娘に生まれ変わった二人。クルミは会った時から不自然なまでに優しいミゲルに困惑しつつ、それでも好かれるのに悪い気はしなかった。
 穏やかな恋愛しつつ最終的に結婚。
 と思ったけどここに記憶有りマルシオぶっこんだらまた修羅場だなあ。

 この話を作品化してほしいって方はいるんだろうか。いたらちょっと考える。なおオチは決まっていない。

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