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嘘は貴方から教わりました 裏話

 本文には書けなかったけど、ネストルの弟は王になってから「ノンナはスパイだった。兄は騙されて婚約者のオリガを捨てた。オリガは気の毒な被害者だった」とオリガの名誉回復している、という設定。
 更に見舞金として年に一度使者を送ってオリガに金品を渡しているという。なので弟のほうがオリガの好感度が高い。
 その関係でオリガは母国の情報を得られるのだが、それで元婚約者がいつまでも自分を待っていることを知ってしまう。

 苛めをした令嬢にやられたこと以上のことをするのはどうか、と言っていたオリガだったが、落ちぶれたネストルが今も自分との思い出だけに縋って生きている事実にぞくぞくしてしまう。復讐ってこんなに甘美なのね、と。
 毎年ネストルが劇場で自分を待っていたか使者に確認し、弟王の方も「実は待つのをやめたら離宮からも追い出そうと思ってる。王家の恥だし」と言うのでそれは良い考えだと伝える。
 自分は顔に傷があるけれどそれ以外は素敵な男性と結ばれて幸せだが、それはそうとして嫌いな人間の不幸は蜜の味。帰る時はいつも泣きながら帰ってると聞いてニッコニコ。死ぬまでネストルが幸せでない様子を聞いて幸せになっていたオリガ。

 母国のことがトラウマで溺れる犬を叩けメンタルと化したオリガのエピソードは流石に削りました。リアリティあるほうが面白いかと思ったけどそこまで形にすると誰得感強い。本編の復讐までならやられたことをやり返しただけ、後のことはオリガの知らんことでセーフですよね。

 あと最後にネストルのもとへ現れたオリガは本物なのかという疑問について。
 その時点でオリガは隣国で元気にしてます。ネストルの走馬灯というか妄想です。幽霊か生霊だったらそのまま観劇してると思うんです。でも次の瞬間には辺りが真っ白になった=入ったことのない劇場がどんな風なのか知らないから。なのでそこでぶつりと切れてるんです。

 ……と思ったけどifものとして先に亡くなったオリガが生前妹に「まだあの男のこと許せない?私、毎年劇場で待ってるらしいって聞いてちょっと可哀想になってきちゃって」と聞かれて「婚約破棄されて二か月、私は学園で針の筵だったわ。一年に一度待ちぼうけくらうのが何だというの。しかも好きで待ってるみたいだし。でもそうね。あの二か月と同じだけ劇場で待っていたら許してもいいわ」と言う。
 休みの日を除いて五十二日。つまり五十二年待ったら許すと言うのだ。
 どうせ途中で飽きるか病気で止めるかと思っていたら、意外にもそれ以上の月日、ネストルは待ち続けた。
 オリガは夫と妹に見守られながら亡くなり、その魂はネストルのもとへ向かった……というのも有りかな?

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