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『荒磯の姫君』の連載を始めました

 『荒磯の姫君』の連載を始めました。
https://kakuyomu.jp/works/16816700426904751796/episodes/16816700426998490988(第5話)
 『日本史研究室の午後』は、『やまざくら』のサイドストーリーと、『荒磯の姫君』の予告を兼ねていたわけです。
 「現代の物語の『やまざくら』が終わっていきなり時代ものの『荒磯の姫君』というのもどうなの?」……ということで、『やまざくら』のお城の物語と『荒磯の姫君』をつなぐお話として、大学の日本史研究室のお話を入れたわけです。
 主人公の杏樹が取り組む「明治時代の公議機関」というテーマがどちらの物語にもつながってませんけど。泉仁子の北関東の古墳もそうですが。それ以前に、ここの研究室、3年生がいないようだけど大丈夫か、とか、杏樹と仁子、就職活動どうなってる、とか。
 あと、ここの大学は、『ネコ・まこ・ロンド』で舞子と稲子が学校公開に来た高校の隣の大学でもあります。

 『荒磯の姫君』は書いたのは2012年から2013年にかけてで、『やまざくら』と同じ時期です。
 海女さんのお話なんですが。2013年春、NHKが宮藤官九郎の脚本で海女さんのお話を朝ドラでやると知って、先に本にしておこうと、3月、急いで版を作って印刷会社にお願いしたのを覚えています。たぶんこれが最初のPDF入稿の本だったと思います。
 けっきょく『あまちゃん』とは傾向のぜんぜん違うお話ですけどね。
 で、そのときの少女がいまののんさんなので、感無量だったり。
 ほかにも、2012年に部分的にコピー本で発表したときには『魔法少女まどか☆マギカ』ネタがむりやりねじ込んであったりしました。
 そういう時代だったんですね。

 ところで、この物語は時代考証その他の「考証」をしていません。そのため実際とは違っているところがいろいろとあります。
 たとえば、この物語では、海女漁は村の年齢別集団(娘組、大人組)で行っていることになっていますが、実際には、家族経営で、たとえば夫が船を出して妻が潜るというような形式だったようです。もしかすると年齢別集団の海女漁もあったかも知れませんが……ここで年齢別集団の物語にしているのは、現在の女子高校と同じで、「少女だけの集団」の物語を書きたかったからですね。
 また、この物語では、海女さんたちが素目(ゴーグルなどを使わない状態)で潜っています。江戸時代ですからゴーグルとかはないわけですが、淡水ならともかく海での素目の潜水漁は相当にきついはずで、実際には海上に油を垂らして波立ちを抑え、獲物の場所に見当をつけておいて潜る、という方法だったようです。
 時代は1750年代(宝暦年間の前半)で、将軍吉宗の享保時代から田沼時代へ続く中間にあたります。「江戸の発展で市場経済が活発になって、漁村にも市場経済が浸透する時代」というのは、たぶんそれで合っていると思いますが。
 基本的にファンタジーなので、そういうものとしてお楽しみいただければ嬉しいと思っています。
 よろしくお願いします。

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