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天皇制イデオロギーと丸山的ラディカリズムの共犯

旧帝国日本の軍隊や天皇制が戦時の大衆を「滅私奉公」であるかのように動員し、その利己的な権力構造や下剋上をもって朝鮮人や中国人を迫害したり、知識人の安全を脅かしたこととGHQが発布した憲政議論にのっかった民主主義的な法律尊重主義の道徳観の抑圧は分けて考えなければならない。というのも確かに戦時的なイデオロギーの遺産が過去の植民地の加害意識を歴史的に忘却しようとしていることが国家的献身の大義としてありうるとしても、そのことと憲政の文官内治主義を占領政策と重ね合わせることとで民衆をコントロールしようという戦後の米国の政治政策は異なる観点から実践されているからである。そしてその時、学校教育上の性的な加害やいじめなどの抑圧が戦前の天皇制イデオロギー的な献身から行われているとか、外国人への差別意識から行われているとか見るのは当事者の主観的にはそうかもしれないが実際的には名目的な教育に対する反動的な言説が植民地主義の歴史の正当化だからそれが選ばれているだけであるからである。それを憲法議案の対抗意識として搔き立てるだけであるのは特権的意識の隠蔽として極めて有用な言説配置から大国の侵略を道徳的に非難できる立場に立てるからにほかならない。

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