共感と換喩システムのシニフィアンの代表象がコミュニケーションで同じ配置にあるとき、それが政治的レトリックで重複されると、善と悪の分化は承認の置換構造そのものに転移されてしまう。例を上げよう。ナチスの戦車の「機械化」軍団の電撃戦は人々に共感の輪を崩すような恐怖のシンボルとなったという歴史的言説があるとしよう。そこで当時の日本が戦車の機械化をするために電撃戦の戦術を真似て、以前までの戦車の歩兵運用の輸送手段としての人馬システムを転換しなければならなくなる事態があったとする。ここでもしそのシステムの転換を阻害する要素が「ナチスに反対する」という共感運動で増幅されたとしたらどうだろうか。ナチスは人々の共感を崩してアウシュビッツによるユダヤ人迫害をしたのだ、だから機械化戦車の電撃戦という戦術は誤っているのだと。ナチスの戦略が「最終的には」間違っているものだということがナチスの戦術的要素が現代の政治戦術にいかなる意味でも組み込まれるべきではないという意味にとるのだとすると現代のあらゆるメディア論も政治的議題から失格することになるし、その似たような「共感排除運動」は悪だと見なすことが全体主義的な官僚化につながるのだ、という反省とともに機械化賛美に結びつけられる。しかし共感と換喩を区別するのに機械化（デジタル化）と技術的構造を同じ隠喩の機制で意味を受け取ってしまうというのは、差異の食的な反復を美的置換と取る態度と同じ消費行動を取ることを他者の承認と見なすことになってしまう。過去の負債の格付けを引当と連動させて債務者融資を排除するのと同じ説明をこの種の歴史化に与えるべきなのか、かなりニュアンス上の違いがあると思われる。私が思うのは日本の政治的供儀の構造化が政治的悪のコンテキストを他国の悪の象徴化から取ってきて、それを学術的に構造化するときに共感の排除が生じるその意識の翻訳を換喩として落とし込むことが現実の技術的腐敗を隠している、というわけではなくて体制の怠慢に紐づけられた腐敗の形式が生活の維持だ、という点に問題があると考える。だから哲学的な教育と死刑の恐怖の短絡が法的な境界の審査をフィクション化する美的な態度にすら悲劇的な態度を政治的悪循環の修正的な悲劇だ、という風に読み替えることしかできないのである。キャラクターが性的な隠喩とトポロジー的関係にあるのはカプセル化の適切な粒度をアーキテクチャ的に構築することが、共感と換喩の供儀体制の転倒を欲望することに集団的個別化への適応ではなくてシニフィアンを代表象するスキーマを構造的に重複したパフォーマンスとして呼び出すことができるからなのだ。