ヴィルと美鶴の6年後のプロット
救世の英雄となったミツルは、リーディスに帰国します。祖父である先王から、グロンダイル家の復権を認められ、爵位と領地を拝領し、領主としての新たな生活を始めることとなります。
一方、ヴィルは「騎士」という形式上の肩書を持ちながら、後見人として支える立場にあります。とはいっても、主な任務は領地内を巡回し、各地で剣の指導と自衛組織を編成することです。また、情報収集も兼ねています。そのため、執務に追われるミツルとは距離が空いてしまいます。
また、彼らの間には身分差と年齢差(ヴィルは50歳、美鶴は18歳)が存在し、二人の関係には複雑な緊張が漂っています。
ですが、ミツルはこの頃ヴィルを完全に意識しており、ヴィルも表に出せないものの、しっかりと彼女を意識しています。
先王からは婿を取るように勧められ、ミツルは思い悩みます。結婚して領主として自立することと、本当に愛する人との究極の選択。それなとなくヴィルにモーションかけますが、彼は煮えきらない。
花婿候補との面会――園遊会には、先王が厳選した若者たちが集いました。銀翼騎士団の若き副団長、魔術研究の新星、文学に造詣が深い人物、自然を愛する穏やかな人柄の人物など。
でも、美鶴にとってはどれも満足できる相手ではありません。それらの人物と向き合えば向き合うほどに、ヴィルがいかに自分にとって大きくて、彼以外に考えられないと悟るのです。
ヴィルは歓談の様子を後ろから見守っていますが、動揺していることは明白でした。でも、彼は決して動かない。動けないのでした。彼は身分差と年齢差の呪縛から抜け出せません。
園遊会が終わり、先王は結論は急がないと言ってくれますが、ミツルには答えを出せそうもありません。ヴィルもまた苦悩します。
ミツルはヴィルと会話し、最後の覚悟で、自分に必要な結婚相手に求める条件をずらずらと独白します。それらはすべて……ヴィルにあてはまることで、彼は衝撃を受けます。そして、二人の間に共通する思い出に揺さぶられます。 そして、数週間後、運命の選択の時が訪れます。 先王に結婚相手を誰にするか告げようとしたその時……。
まあ、ミツルがただ流されるだけの人ではないのでww