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第二章の深淵の黒鶴を、茉凛側の回想から少しだけ振り返り

第二章の深淵の黒鶴を、茉凛側の回想から少しだけ振り返りまとめます。具体的には「白い迷宮の回想」の部分です。

加茂野 茉凛という少女が、これまでどのような思いを抱いて弓鶴くんのそばに立ち続けてきたか――そして、心にどれほどの葛藤や不安、決意を抱いているのか――そうした流れが一貫して描かれます。

物語としては

弓鶴くんとの出会いと、当初のすれ違い
彼の背負う過去(呪い)や力の謎が徐々に明らかになっていく過程
黒鶴という運命を共有する“相棒”としての関係と、そこから芽生える茉凛の感情
アキラちゃんや洸人くん、虎洞寺さんたちが加わり、三角関係や周囲の思惑が絡み合う展開
劇のエピソードを経ての絆・心の揺らぎ
曽良木の襲撃・“掃除屋”との対峙から浮かび上がる、弓鶴くんの命に関わる危機感
茉凛が“導き手”だとわかり、さらなる試練へ立ち向かわざるを得ない――という大きな転機

――という、段階を踏みながら茉凛の気持ちが大きく動いていく構成になっています。以下、主に「茉凛の心理面の描写」と「物語全体の印象・今後の展開への示唆」という切り口で、感想と考察をまとめます。

1 茉凛の心理面の描写
弓鶴くんへの“相棒”としての想いと、ほのかな恋心

当初は「安全装置」「道具」のように扱われていたところからスタートし、茉凛自身もまだ自分の役割をよく理解していないまま、ただ彼の心の奥に潜む優しさを感じ取り、「放っておけない」という強い思いで動き始めます。

いわゆる“利他的な関心”と“好奇心”が、いつのまにか「恋に近い感覚」に変わっていくプロセスが描かれていて、「いつこの子は『好き』を自覚するのか」と思いながら読み進める楽しみがあります。

ただし、その自覚は物語の進行がけっこう深まってから(劇中のキスシーン前後など)徐々に芽生える。恋愛面でのときめきが穏やかに積み重ねられる分、彼の命をめぐる重々しい状況と合わせて、読後に余韻が残るようになっています。

アキラちゃんへの複雑な感情
アキラちゃんが“元許嫁”というポジションでありながら、深淵の呪いを解くために必死で弓鶴くんを支えようとする。

一方、茉凛は“ただの友達”から始まって、自分が「安全装置」として必要とされているけれど、それ以上の思いを抱き始めてしまう。

二人の女の子がお互いを“ライバル”として拒絶するだけでなく、ときに手を取り合い、互いにできないことを補完し合っていく姿は、いわゆる三角関係のもどかしさに加え、“女性同士の共闘”としても読み応えがあります。

茉凛があえてアキラちゃんに弓鶴くんを譲ろうとしたり、逆に彼女の思いを踏みにじってしまったり……。その都度、どこか自己犠牲的な行動に走る茉凛ですが、内心にはしっかり「自分も彼の特別になりたい」という欲がある。そこを“偽善”として苦しむくだりが、彼女の生身の人間らしさを感じさせます。

自分の存在意義に揺れる心
事故の後遺症で、大好きだったバイクトライアルができなくなってしまったこと、導き手としての特殊な力が実は事故と同時期の深淵の出来事とリンクしていること……。

こうした背景から、「自分はただの女の子なのに、彼を守る立場でいいのか」「アキラちゃんのほうがずっと強いんじゃないか」といった劣等感や、道具としての“便利さ”しか価値がないのではないか、という自己否定が垣間見えます。

しかし物語が進むにつれ、“導き手=羅針盤”としての使命が明らかになり、同時に弓鶴くんからの必要性・大切な存在だと認められていくことで、最初は戸惑いつつも「自分もここにいていいんだ」「彼を支えられるのは自分なんだ」と少しずつ肯定感を高めていく様子は、茉凛の一番大きな成長要素と言えます。

2 物語全体の印象
ファンタジー要素と学園生活のバランス
深淵の呪いと黒鶴の力という、ダークファンタジー的な筋書きと、学園祭やお弁当づくり、友人たちとの日常が共存しているのが特徴的です。

比較的長い分量の物語ですが、そのぶん「バトル」や「術者の世界」の張り詰めた雰囲気の合間に、茉凛が“普通の女子高生らしい”青春を楽しむ場面があることで、読者は息抜きをしながら読めるようになっています。

一方、彼の命がかかった悲壮感も随所に顔を出すため、いつも穏やかな学園ものとは少し違う、切なさと儚さが魅力にもなっている印象です。

キスシーンと劇(演劇)のエピソード
特に印象的なのが、学園祭の劇のクライマックスと、それに続くキスシーン。

「女の子ヒロイン役を弓鶴くんが演じる」という設定が、単なる“逆転演出”以上に、彼の内面の悲しみや孤独を演じるうちに引きずり出してしまった、という展開にうまく繋がっています。

茉凛自身も舞台の上で“ウォルター”に入り込みながら、彼への思いが加速していく。その感情の高まりが、台本にないキスへと爆発してしまった――という流れに説得力があり、ドキドキさせられる場面です。

同時にキスの後、弓鶴くんが混乱して逃げ出してしまうくだりが、二人がまだ「恋愛を意識する状態」に収まりきれない複雑さを示していて、むしろその“未完成”な感じが物語の継続性を引き立てています。

曽良木との対峙と“予知の視界”の活かし方
茉凛の不思議な力――視界の中に揺らぎとして未来の可能性を映し出す――を、曽良木との素手勝負でフルに発揮する展開は、バトルシーンとしても映えています。

茉凛自身はほとんど武術の心得もなく普通の女の子なのに、“マウザーグレイル”の力があるおかげで一方的に攻撃を躱し続ける、というギャップが鮮烈です。

ただ「当たらずに避けるだけ」という戦い方でありながら、ドキドキしますし、曽良木のプライドがボロボロになるほど“完封”される状況がかなり印象に残るシーンです。

ここで茉凛の持つ“謎の力”と、彼女自身の「死にたくない」「彼を守りたい」という純粋な意志が噛み合い、物語のターニングポイントとして機能しています。

「呪いを解く」ことへのカウントダウンと、恋愛面の行方
曽良木から「残された時間は限られている」と言われ、さらに彼がかけてきた圧力もあり、近い将来、弓鶴くんは深淵の核心と対峙せざるをえない。

物語としてはここからいっそうシリアスな展開へと移ります。

3 まとめ
本編(茉凛視点の回想)全体を通して感じるのは、
「ただの普通の女の子」が偶然にも“導き手”という重大な運命を背負い、大切な人を守り抜くために少しずつ強くなっていく物語
そこに三角関係の切なさや、呪いによる悲壮感、命を賭けるファンタジー的バトルといった要素が織り込まれ、起伏豊かに物語が進んでいる。
いっぽうで、学園祭や海水浴、キャンプなどの穏やかなエピソードが、キャラクター同士の絆や人間味を深く印象づける大きなアクセントになっている。

とくに茉凛が抱く“自分にできることは何もない”という無力感と、“絶対に弓鶴くんを助けたい”という強い意志が、同じ人物の中でせめぎ合う描写が感情移入しやすい。

したがって
「まるで少女漫画のような胸きゅん要素」笑
「ダークファンタジー的な宿命・呪いが絡む命懸けの戦い」
「学園ものらしい青春のキラキラ感」笑

 融合している作品

 ここからがいよいよ「核心」。

「人当たりが良くてポジティブ、いつも明るく振る舞う」という“天真爛漫”さを表面に見せている一方、その奥には「臆病で怖がりな自分」がいるというギャップが、茉凛というキャラクターの大きな魅力になっています。

誰が見ても元気な女の子に見えるけれど、実は人知れず脆さを抱えている。でも、その“弱さ”を抱えたままで終わらず、「大切な人のためなら苦手や恐怖を乗り越えて行動できる」――そこに、彼女の芯の強さや真の優しさが際立っているのです。

彼女はできるだけ衝突を避けたいタイプ。ところが、いざ「弓鶴くんが危ない」となれば、迷わず危険に飛び込んでしまう。

相手への思いが、恐怖を上回る
そもそも怖がりだからこそ、行動するときは本気です。怖さを振り切れる原動力は、“相手を助けたい”とか“相手の笑顔を守りたい”という強い気持ち。弱い自分を認めつつも「今は立ち止まれない!」と突き動かされてしまうわけです。

“天真爛漫”ゆえの行動力
茉凛は落ち込むよりも先に「やってみよう!」と踏み出すタイプなので、決心してしまえば大胆かつ一途に突き進む。うまくいくかはわからないけれど、考えるより先に動いてしまえるのも“天真爛漫”な性格の裏返しといえます。



ですが、ある人には「これは“とらドラ”のパクリだね。茉凛は櫛枝実乃梨で、弓鶴は逢坂大河でしょ?」と言われました。

それに対しての答えを綴ったので、示します。

「とらドラ!」は、主人公(高須竜児)とヒロイン(逢坂大河)を中心とした、いわゆる青春ラブコメの王道を描きつつ、実は登場人物たちの葛藤や成長をかなり丁寧に描いた作品です。

一方で、黒鶴(茉凜と弓鶴が呪いや深淵をめぐって戦う物語)は、学園生活や恋愛要素があるものの、ファンタジー要素や命を懸けた対立(黒の力・深淵の術者たちとの抗争)が物語の柱になっている点が大きく異なります。

作品の核となる「世界観」「テーマ」のちがい
◇ とらドラ!
あらすじの軸高校生の男女が互いの片思いを成就しようとして協力するうち、だんだんとお互いを意識するようになる青春ラブコメ。
メインの見どころは「人を好きになる切なさ」「友達と恋愛の板挟み」「一見ハチャメチャでも、じつは繊細で優しい登場人物たち」。

舞台・要素完全に日常の学園が舞台。超能力や呪い、異能力などは登場しない。

キャラクター性“手乗りタイガー”=逢坂大河は、小柄で気が強く、周囲に素直になれないツンデレ女子。
櫛枝実乃梨は、快活で運動神経も良く、ポジティブオーラ全開のムードメーカー。
いわば「極端に見える性格のキャラたち」が、じつは繊細に傷つきやすい一面を抱えている。

◇ 黒鶴(茉凜と弓鶴の物語)
あらすじの軸深淵の呪い・黒の力を背負う弓鶴と、その「安全装置」に選ばれた茉凜が、命を狙われる危機や過酷な運命に立ち向かう。
恋愛要素はもちろんあるが、同時に命がけのバトルや組織の暗躍、呪いを解くための冒険などが重要要素。

舞台・要素学園生活と非日常のファンタジーが同居。深淵の世界観、術者たちの戦い、解呪の儀式など、いわば“異能バトル”寄り。

キャラクター性
ヒーロー・ヒロインともに、外見や性格が「典型的ラブコメ主人公たち」とはちょっと違う。茉凜は事故の後遺症を抱えていたり、謎の力(導き手)を宿していたりする。
弓鶴は冷たく見えて実は仲間を想う優しさがあるが、重い宿命を引き受けざるをえない。
彼らの成長や絆の深まりが、呪いとの戦いや命の危機と強く結びついている。

「パクリだ」と感じさせる要因は?
“学園もので、男女のすれ違いがあって、周囲のキャラとのやりとりが賑やか”こうした要素は「とらドラ!」にかぎらず、数多くの学園ラブコメ作品の定番と言えます。

ヒロイン or サブヒロインが快活で、お弁当を作ったり、主人公を一生懸命支えたりこれもラブコメのテンプレ要素のひとつです。“櫛枝実乃梨っぽい”と言われるのは、「明るいムードメーカー」「主人公と距離が近い女子」だからかもしれませんが、同タイプのキャラクターは他作品にも多数存在します。

「とらドラ!」ほどには、キャラ設定が一致しているわけではない。たとえば「逢坂大河=攻撃的で極端に背が低い」という特徴は、本作の弓鶴には該当しません。むしろ異能力+クール系であり、境遇も家庭環境も大きく異なります。
「櫛枝実乃梨=ポジティブ&スポーツ少女」という面は、茉凜やアキラちゃんともあまり直接一致しません(茉凜は身体に後遺症を抱えていますし、いわゆる“運動万能で元気印の天然キャラ”というわけでもありません)。

本作の“独自性”はどこにあるか?
深淵や黒鶴といった“呪い”をめぐるファンタジー要素が主軸単なる学園ラブコメではなく、“命を狙われる危機”や“呪いを解くために大きな戦いに巻き込まれる”という要素がストーリー全体を動かしている。
いわゆる「日常と異世界(ファンタジー)の共存」が物語の肝になっている点は、「とらドラ!」とは根本的に異なる。

茉凜自身が“導き手”としての特殊な存在であること事故の影響、ふとした予知能力めいた視界、黒の力を穏やかに制御するなど、ヒロイン側にも“異能”がある。
しかも、それがヒーローの宿命とリンクしているので、二人が「相棒」+「命の運命共同体」であるところがユニーク。
「相棒だから守り合う。ふたつでひとつのツバサ」という図式があり、一般的ラブコメの“男が女を守る”あるいは“女の子が王子様を待つ”構図とも違う。

ファンタジー要素と学園生活のギャップを楽しむ構成お弁当や学園祭、海やキャンプなど、青春らしいハイライトがしっかり入っている一方、深淵の暗躍や「掃除屋」などシビアな戦闘が起こる。
こうした“日常パート”と“ダークな非日常パート”の緩急は、「とらドラ!」にはない冒険性・独自性と言えます。

キャラクター関係の深み本作では、元許嫁のアキラちゃんや監視役の洸人くんなど、「深淵サイド」や「同じ運命に巻き込まれた者たち」が多数登場し、それぞれが自身の信念・事情を背負っている。

普通の学園ラブコメ以上に、因縁や呪いによる利害対立が複雑に入り組んでおり、“ただの片想い”では済まないドラマ性がある。

確かに表面だけ見ると「元気な女子(茉凜)」「クールで一匹狼っぽい男子(弓鶴)」が学園生活をともに過ごす――という点で、「とらドラ!」をはじめ、他の学園ラブコメ作品と似ている部分はあるかもしれません。

しかし、本作は“黒鶴の呪い”や“導き手”などのファンタジー設定を中核にすえ、命懸けの戦いと恋愛模様を絡めて描いているという点で、明らかにテイストが異なります。

「とらドラ!」が大きな事件(超常的バトル)を扱わず、登場人物たちの青春と恋の葛藤をじっくり描くのに対し、本作は恋愛+異能バトル+呪いとの対峙が同時進行する構造です。

「茉凜=櫛枝実乃梨、弓鶴=逢坂大河」といった指摘も、性格や能力・境遇をしっかり比較すると、むしろ似ていない部分の方が多いと言えるでしょう。

したがって「パクリ」というほどの類似性はなく、むしろ「日常の学園シーン+独自のダークファンタジー設定」が組み合わさった世界観に独自色が出ている物語だと思われます。

もし「とらドラ!」に詳しい人が「似ている」と感じたのであれば、それは単に「学園モノで男女が不器用に近づいていく恋愛」というシチュエーションから来る印象論でしょう。深いところまで読めば、テーマ・設定・人物造形の重点がまったく違うことはすぐに伝わるはずです。

でも、返事はなくて無視されました。


もちろん、わたしはとらドラが好きですし、影響は受けていますよ? でも好きとしたいことは違いますからね。


櫛枝の偽善と罪悪感は茉凛のものとはまるで違いますからね。

同じように“偽善”や“罪悪感”という単語でくくられていても、その内実・動機・背景がまったく違えば、キャラクターとしてのアプローチもぜんぜん変わってくるんですよね。

櫛枝実乃梨(「とらドラ!」)明るく快活な“いい子”キャラを貫きつつ、実は自分の気持ちと向き合えずに葛藤する。

彼女が感じる罪悪感は、好きな相手を認めたくない・大切な友人との友情を崩したくない――といった“恋愛的な板挟み”に大きく起因しています。

いわゆる「全力で応援するフリをしながら、本心では複雑」「でも自分が傷つきたくないから笑顔でごまかす」みたいな部分が“偽善”に見えてしまう所以。

加茂野 茉凜の“偽善”や“罪悪感”は、主に「相棒のことを助けたい・守りたい」という強い意志や、「でも、自分には何もできないのでは…」という無力感・劣等感からくる。

さらに他キャラ(アキラちゃん等)との関係性の中で、“譲ろうとしながらも嫉妬や独占欲が消えきらない”“結局うまく行かず、相手を傷つけてしまった”といった自己嫌悪・罪悪感が出てくる。

ファンタジー的な運命/呪いなどが絡む世界観の中で、自分が「導き手(特別な存在)」に選ばれてしまったことへの複雑さも含み、恋愛だけではなく“命のやりとり”が絡む点で悩みの質がさらに重い。

このように「偽善」や「罪悪感」というワードこそ同じでも、その生まれる背景やキャラが背負う状況が違えば、作品全体での位置づけも違ってきます。単純に「偽善キャラ=同じ」とはならず、それぞれが個別のドラマを持っているはずです。

ですので、「櫛枝の偽善・罪悪感」と「茉凜の偽善・罪悪感」が“表面レベル”で似た表現をされることがあっても、実際は根本の理由・物語の文脈がまるで異なると言えます。

むしろ「似ていると思えるのは、ヒロインが『自分を抑えて相手を優先しようとする』ところだけど、その動機も展開も全然違う」という整理ができれば、両者の違いははっきりしますよ。

でも、受け取り手にそんな要求しても無駄なのだとよく理解できました。


企画時点では茉凛ではなく、加茂野 崇(茉凛の2つ上の兄)という男の子でした。ですが、それではこうした葛藤は描けないし、私もそういう立場に置かれた時の男の子の心境が想像できませんでした。「馬鹿で突っ走る男」程度しか思いつかなかったのです。それに男X男で擬似的なBLになってしまう。また、弓鶴を女の子にしようかと思いましたが、魂が男の子設定にすると、ただのツンデレになるだけで面白くありません。

兄(加茂野 崇)では描きづらかった点
「男の子の心境」は自分にとって想像が難しかった。特に「守りたい相手がいて、自分自身にもコンプレックスがあって……」という葛藤を男性視点で深く掘り下げるのは、わたしからは「イメージが湧かない」「どうしても“熱血系”や“お馬鹿全力タイプ”しか描けない」という壁に当たる。

それが合う作品なら良いのですが、繊細な葛藤を描きたいなら、やはり作者が自然に筆を動かせる立場・性別のキャラにするほうが書きやすいですよね。

男×男だと“BLっぽさ”がどうしても生まれるBLを狙っているなら良いのですが、そうでないなら読者から「これは狙ってるの?」「どこまで踏み込むの?」といった誤解が生まれる可能性があります。

弓鶴を女の子にする案の問題点
「中身は男設定」+「身体は女の子」というギャップこれはこれで面白い設定にはなり得ますが、いわゆる「男装の麗人」や「TS(性転換)もの」の方向性に転びがちです。

また、ヒロインがツンデレであるだけだと、すでに定番化しているテンプレ要素になりやすく、作品としての“新鮮味”や“説得力”をどこで出すかが難しくなります。

“男の魂を持つ女の子”設定が、物語の主旨からズレる可能性ファンタジー要素としては面白いですが、「黒鶴を背負う呪い」「命を狙われるダーク要素」との整合性をとるには、さらに緻密な設定が必要になります。

茉凛(女の子主人公)× 弓鶴(男の子ヒーロー)だからこそ生まれるドラマ

わたしの感性を活かした“女性の感情描写”「罪悪感や偽善」「相手を想うあまり自分を押し殺す」という、比較的“少女漫画的”といわれる心理を、自然に・リアリティをもって描きやすい。実体験や感覚の延長で“もし自分だったら”が想像しやすいので、ディテールを詰めやすい。

“相棒”であり、かつ男女の恋愛感情も絡む複雑さ同性同士のバディものとはまた違い、そこに「友達以上恋人未満」のような甘酸っぱさや、相手の異性としての魅力に戸惑う瞬間などが生まれやすい。

危機や呪いの重さを共有しながら、「でも異性として気になる」「戦闘を優先すべきなのに、どうしても心が揺れる」という二面性がドラマを深めてくれます。

ファンタジーと少女漫画的要素の融合ダークファンタジー・バトル寄りの設定でありながら、ヒーロー×ヒロインで恋愛面を切り離さずに済む。
この組み合わせは王道でありつつも、バランスを取りやすいんですよね。

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