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【魔導士物語】第六話「口頭試問」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16817330649026392153/episodes/16817330649635612446

 そんなわけで第六話です。

 ケイトについては、本文でも簡単に説明していますが、『幻獣召喚士3』「四章 マークカニングの憂鬱」をご参照ください。
 ユニたちを院長室に連れてきた老シスターは、以前に南カシルの孤児院に務めていたと言っていましたから、ケイトのことをよく知っていたのでしょう。
 「身内」と呼んでいたのもうなずけるところです。

 ケイトは、カニング邸で働きながら、マリウスの指導を受けていました。手紙と書物が送られてくる一種の通信教育ですが、年に一、二度マリウスが訪ねてきて短期集中指導も行われました。
 彼女は記憶力お化けで、地頭も優秀なので、あっという間に魔法を自分のものにしていきます。
 そして、十八歳になったのを機に、王都へ出て本格的な修業に入ります。
 カニング邸を出る前の晩に、主人であるカニングに夜這いをかけて、自分の思いを遂げるのですが、それは余談ですねw

 彼女は一応、防御系や補助系の魔法も扱えますが、専門は攻撃魔法で火炎系を好んで使用します。
 王都に到着して早々に、練兵場で極秘のお披露目がありました。
 そこで彼女は、参謀本部の面々と、招待された白虎帝の前で特大のファイアボールを撃ってみせ、そのあまりの威力に周囲を唖然とさせます。
 そして十九歳で軍の所属(少尉)となり、二十歳の現在は中尉に昇進しています。
 なぜ彼女が蒼城市の孤児院に現れたのか、その理由はこの後に説明されます。

 「幻獣召喚士」の中でも何度か説明されていますが、魔導士が体内の魔力を移動させる場合、血液の流れを利用します。
 そのため魔力を集める場所も、血流の集中するところになります。
 魔力を貯蔵する器は観念的なもので、別に具体的な臓器が必要なわけではありません。
 ですがイメージのしやすさで、女性の場合は子宮がその場所になるのがほとんどです。
 男性だと、心臓、胃、肝臓など人によってバラバラです。

 それまで自分に内在する魔力の存在など、まったく意識しなかったエイナですが、ケイトによって無理やり開発されてしまいます。
 ケイトとしては、エイナの魔力に対する反応や、魔力量を量るためにしたことで、悪気はありません。
 しかし、魔力の器として未成熟な子宮が刺激を受け、「お察し」のことが起こってしまいます。
 エイナが突然しゃがみこんで泣き出したのは、自分が「お洩らし」をしたのだ誤解したためで、彼女自身は自分に何が起こったのか分かっていません。
 しかし、成熟した女性であるケイト、ユニ、院長は、すぐに事態を吞み込みました。この辺は、男性である自分にはどうしても書きづらく、ケイトはエイナのスカートに血が染み出しているのに気付いたりしていますが、本文では描写されていません。

 次回、ユニとはいったんお別れとなり、エイナは王都に向かいます。どうかお楽しみに。

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