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【幻獣召喚士3】第五話「アルビノ」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16816452221210723112/episodes/16816927860151148155

そんなわけで第五話です。

■赤龍帝リディアの副官であるヒルダ(ヒルデガルド)さんは、はっきり言って「面倒くさい人」ですw
 彼女は先天性の色素欠乏症(アルビノ)なのですが、その見た目のせいで幼少期からいじめられていました。
 小さいうちは単純に「赤い目が気持ち悪い」「吸血鬼じゃないか?」的な悪意ある攻撃だったのですが、魔道院に入って数年もすると男の子からのからかいは止みました。
 ところが女子たちからの陰湿ないじめは年を経るごとに激しくなっていきます。
 それはヒルダがめっちゃ美人(当時は美少女)だったため、多分に嫉妬からくるものでした。
 いじめられているヒルダ本人は、そんなことは知りませんから、自分の見た目に激しいコンプレックスを感じています。
 彼女が外に出る時、サングラスをかけ、スカーフなどで口元を隠すのはその影響です(もちろん、直射日光を長時間浴びると、目が痛くなったり肌が荒れることへの予防もある)。

 そんなこんなですっかり性格が陰気な方向にねじ曲がってしまった彼女ですが、その救いとなったのがリディアです。
 天真爛漫な若い赤龍帝の世話係兼教育係を務めるうちに、ヒルダはリディアに愛情を注ぐことに夢中になっていきます。
 彼女は、心の奥底では愛情に飢えているのですが、その欲望がいびつな形で吹き出したのだと思います(面倒くせえ!)。

 リデルがココナという〝人間〟を召喚してしまったことは当時大きな噂となり、ヒルダの元にも届いていました。
 召喚されたココナが自分と同じアルビノらしいと知った彼女は、矢も楯もたまらずに「会いたい」という手紙をリデルに送ります(合計三通も)。
 一体、会ってどうするのか――そんなことは考えてもいませんでした。

 二人がヒルダの家に遊びに来て以来、彼女は連日、赤城市の観光案内をしてもてなしました。
 リデルは自分の故郷以外は、王都しか知りませんでしたから、王国でも異質な文化(サラーム教の影響)に彩られた赤城市に驚き、毎日楽しく過ごしていました。
 ヒルダのことも〝お姉さん〟としてすっかり懐き、三人はかなり仲良くなっています。
 赤龍帝が嫉妬に燃えるのも無理はありませんw

■さて次回は、順調にいけば、逃亡民を訪ねることになるはずですが、予想外の事態が起こります。
 どうかお楽しみに!

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