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【幻獣召喚士3】第三話「シスターマリア」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16816452221210723112/episodes/16816927859304347983

そんなわけで第三話です。

■冗長になるので本文では省いたのですが、救済教の教会について説明しておきます。

 南カシルに教会ができたのはこの話の四十五年前のことです。
 ある中堅規模の商人が救済教の信徒で、自分の地元にも祈りを捧げる教会がほしいと、本部に請願したのがきっかけです。

 商人は中通り地区にある土地と建物を無償で提供すると申し出たので、教団本部は修道女を派遣しました。
 それがシスターマリアをはじめとする三人だったのです。
 当時マリアは二十一歳、ジゼルが二十二歳、イライザ(孤児院で孤児の兄妹を受け取った年かさの修道女)は十九歳でした。
 教団本部がそんな若い娘を送り出したことからも、あまり南カシルへ期待していなかったことが分かります。
 何しろ南カシルは現生利益を追い求める商人と肉体労働者の街です。信者は数えるほどしかいませんし、平等・博愛を重んじて死後の救済を説く教団とは相性の悪い土地だったのです。

 提供された土地は広かったものの、建物は空き家になっていた普通の民家でした。
 現在の教会は、三人の若い修道女たちが自ら慣れない大工仕事で増築を繰り返し、長い年月をかけて教会としての体裁を整えてきたのでした。
 ところで、最初に修道女たちがその建物に入った時、一人の浮浪児を発見しました。まだ七歳の男の子で、空き家をちょうどいいねぐらにしていたのです。
 シスターマリアはこの男の子との出会いを神の啓示だと信じ、教会で育てることにしたのです。

■後半に出てくる女衒(ぜげん)とは「女性を遊廓など、売春労働に斡旋することを業とした仲介業者」(Wiki)ですが、多数の遊女屋が存在する南カシルでは一人ふたりではありません。
 今村昌平監督の映画に「女衒 ZEGEN」という作品があります。評価はいまいちですが、主演の緒形拳は素晴らしいです。

■話に女衒(ぜげん)が出てきたからには、当然エロい展開が待っているはずです!
 というわけで次回をお楽しみに!

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