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【幻獣召喚士3】第十四話「裏切り」を掲載しました

https://kakuyomu.jp/works/16816452221210723112/episodes/16816700428857353408

そんなわけで第十四話です。

■レイアたちが宿泊していると推定されたボーヌは、黒城市から約五十キロ。朝九時に黒城市を出て一日がかりでたどり着いた距離を、ユニのオオカミたちはわずか二時間半で追いついてみせます。
 そう書くと何かチートっぽいですが、調べてみるとそうでもありません。
 本文で何度も出てきましたが、馬車(あるいは乗馬)で一日に進める距離はたかが知れています。
 頑張れば相当の速度(時速三、四十キロ以上)が出せますが、それでは一時間、いや三十分も持たずに馬が疲れ切ってしまいます。
 そんな無理をさせると、もうその日は馬がろくに動けなくなりますから、結局のところ、できるだけ遠くに行こうとするなら常足(なみあし)が一番効率的です。
 要するに馬が普通に歩く速度(時速五、六キロ)で、一日で進める距離は最大でも五、六十キロということになります。人の歩く速度が時速四キロ前後と言われていますから、人より多少はマシというレベルですね。
 オオカミ(ましてや幻獣)は馬よりもはるかに持久力があり、時速二十キロで六時間以上平気で走り続けられます。馬が必要とする食餌の補給と大量の水、そして休憩も最低限で済みます。
 ましてやユニのオオカミは体格に優れた幻獣ですから、人一人を乗せても余裕でこのレベルが保てます。
 よくなろう小説で一日に百キロ、二百キロ以上を馬で移動するような描写が出てきますが、それはもう我々の世界の馬とは別種の生物だと解釈するしかありません。

■さて、「裏切り」とはまた不穏なタイトルですが、直接的には皇帝に対するレイアの裏切り行為を示しています(その真偽は読めば分かりますね)。
 そのほか、読者の期待に対する「裏切り」という意味もありますw
 今回のようなエロ要素がある話だと暴走してしまうのが私の悪い癖なのですが、直接描写を避けてかなり大人しめの表現に努めています。

■今回の事件は偶然が重なった不幸な事故ですが、ユニたちが身近に迫っていたことを知らないレイアにとっては天の助けとなります。
 果たして彼女はどこに向かっていたのか、ちらりとヒントを出しているので、勘のいい方は気づいていると思います。
 それはレイアの主目的はないものの、南カシルを脱出した重要な目的の一つとなっています。

■さて、次回は当のレイアが実際にどこで何をしていたのか、というお話になります。どうかお楽しみに!

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