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【第二章完結】第十話「後日譚」を掲載しました【幻獣召喚士3】

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そんなわけで第二章の最終第十話です。
前回が実質的な最終回だったので、今回はおまけ的なお話になります。

第二章は番外編で、できるだけ肩の凝らない軽い話を書こうと思いました。
なので、書いていて気楽でしたし、楽しかったです。
ユニとマリウスの関係は、こんな感じで続いていくような気がします。

本文中の貿易の話で、王国がケルトニアに対して希望した輸入品に「大量の古着」とあったのに首を捻った方もいるかもしれません。
江戸時代の日本海航路、北前船による交易は当時の経済の大動脈でしたが、主たる目的は出羽(秋田・山形)地方の米を積んで、天下の台所「大坂」へ運ぶというものでした。

もちろん出発する時には上方の産物を積んで寄港する先々で売り捌くのですが、地方で最も需要が高かったのが古着でした。
古着は嵩張る割には軽いので、吃水が上がって転覆する恐れがあるため、わざわざバラストとして石を積んだくらいです。
そのため出羽地方から津軽・北海道まで、瀬戸内海に面した国々で産出された石が墓石や板碑となって大量に見つかります。

さて、王国では綿花や桑が栽培されており綿織物・絹織物を産出しますが、人力で動かす糸車が主体で大量生産ができませんでした。
そのため生地や衣服は高価なものでした。一般の人たちは自分で糸を紡ぎ、自作するか、古着を購入するかのどちらかでした。
それに対してケルトニアや帝国では、水力(水車や運河)を利用した紡績機が発明されており、ある程度の工業化が進んでいたのです。

国家規模に比して兵員が寡少であるため、王国には労働人口が余っていましたし(特に女性はほぼ手付かず)、開発の進む辺境には土地があって綿花の大量栽培が可能です。
ボルゾフとファン・パッセルの二大商人が、紡績・縫製産業を興して新たな輸出品に育てようと考えたのは、自然の成り行きだったのです。

えー、それと最後に帝国情報部が出てきますが、これはそのまま次章へとつながる伏線ですねw
その第三章のタイトルは「寵姫(ちょうき)逃亡」。
がっつりとした本編なのでお楽しみに!

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