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風が吹けば桶屋が儲かる

ってことわざは、
・大風が吹きすさべば、砂や埃が舞ってそれが人々の目に入る。
・そうすると目を傷め、視力を失う者が増える。
・視力を失った者の稼ぐ手段と言えば三味線が相場であろう。
・それで、三味線の需要が高まる。
・三味線には猫の皮が使われており、三味線の需要の急激な高まりは辺りの猫を駆逐してしまう。
・猫が減るとネズミが増える。
・一生前歯が伸び続けるげっ歯類代表であるネズミは常に何かを齧り続ける生き物だ。
・桶なんてものはネズミが齧るのに適しすぎている。
・世の桶がネズミに齧られまくって使い物にならなくなる。
・そんな訳で桶の需要がグンと高まり桶屋が儲かる。
という論法の頭とケツをくっつけたものらしいですね。

小説を書く時にこのことわざの有り様を知っておくのって大事なんでしょうね。因果関係をちゃんと書いて、それを読者に印象づけておいて、その後に「あぁ、なるほど、そういう事か」と思わせられたら、それはエンタメとしてとても素晴らしいものだし。
でも、因果関係が冗長に書かれ過ぎていると読むのがしんどくなる。上述のことわざはすっ飛ばされた間を補完できる知識か教養があれば、アタマとケツだけで事足りる。それと同様に、読者にゆだねてしまえるバックボーン的な設定や表現は、ある程度はしょっても良いのでしょうね。

ただ、その匙加減が難しい。

【風が吹けば桶屋が儲かる】という成句を読んで、【上述の因果関係が頭に浮かぶ人】と、【そのことわざは知ってるけど、内容にまで興味を持った事がない人】が世の中にはいるのだから。

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