155 第50話 Dの悲劇 13 【500年前の復讐01】
上記エピソード後の閑話です。(読み飛ばし可)
【ハッピーエンド疑惑】
「なあシャロン」
「なあにケンツ」
「この【Dの悲劇】っていつまで続くのかな」
「さあ……」
「なんかダゴン達の話の内容が俺達の話主役sideより重くて読むの気が滅入るんだけど」
「たしかにね。おかげで幕間に入ってから凄い勢いで読者離れしちゃったわ」
「今からでも読者受けする路線に変更した方がよくね?」
「ケンツ、それは無理よ。この作者は読者ニーズじゃなく作者ニーズな作品しか書かないから。それに今から【Dの悲劇】エピソードをハッピーエンド路線とかにしたら物語が破綻して間違いなくエタるわ」
「それ! そこなんだよ。ハッピーエンド!」
「え?」
「この小説、キーワードにハッピーエンドって打ってあるんだぜ」
「え、ほんとに!?」
シャロンは小説情報を確認してきた。
「本当だ……本当にハッピーエンドって書いてあったよ。じゃあ最終章完結時には大団円のハッピーエンドなんだ。驚いたけどよかったね!」
「いや、こんな重いパート入れといて、ハッピーエンドに持って行けるのか?俺には疑問だし不安なんだけど」
「たしかに。セレナさんが蒸し焼きにされた時点で詰んだ気がする」
「だろ? 牛に押し込んでブモーとか。こんな残虐シーン入れたんじゃ、最後ちょこっと幸せシーン入れたくらいじゃハッピーエンドに届かないぞ!」
「凄惨な復讐劇のバッドエンドしか思いつかないわ」
「こんなんじゃ俺達の章が再開されても物語を進める自信がねーよ!」
「うーん……あ、そうだ。だったら作者に直接聞いてみたらどうかな?」
「シャロン、ナイス! おい作者、ちょいとツラ貸せや」
『はいはい、作者ですよ』
「てめーこんな重い話入れておいて、ちゃんとハッピーエンドで閉められるんだろうな?」
「私達、凄く不安なの。ハッピーエンドで物語は完結するのよね?」
『え、ハッピーエンド? ………………………………………… あ 』
「おい、こいつ”あ”とか言ったぞ」
「まさか忘れてたんじゃ……」
『いやいや忘れてなんかいませんよ。ハッピーエンドで間違いないです!』
「本当か?俺達の目を見ながら同じことを言えるか?」
『言えますとも!』
「じゃあなんでさっきから目線外してるの?」
『それは……スギ花粉の影響です!』
「おうそうか。スギ花粉なら仕方ねえな」
「うん。スギ花粉じゃ仕方ない。でもよかったわ。やっぱりハッピーエンドなのね。あー安心した」
『ははは。いやだなぁ、もっと信用して下さいよ。僕はぼかぁこう見えて、ハッピーエンドしか目指さない作家(?)なんです。なーんか疑われて傷ついちゃったなぁ」
「いやすまん」
「疑ってごめんなさい」
『ははは。いいんですよ。ところでお二人さん』
「うん?」
「なあに?」
『ここからどうやってハッピーエンドに向かえばいいと思います?」
「…………」
「…………」
つづく?