かごのぼっち様から、連投で素敵なファンアートを頂戴しました。
花麻呂、死ぬな……!
思わず、そう声をかけたくなってしまう迫力と気概に満ちています。
かごのぼっち様、ありがとうございました。
かごのぼっち様の近況ノート↓
https://kakuyomu.jp/users/dark-unknown/news/16818093074065272770かごのぼっち様著、
『黒白の異世界狂愛曲《モノクローム・ラプソディ》』
https://kakuyomu.jp/works/16817330663104578576今は魔法学校で、ゴーレムというロボット(見た目は可愛いフィギュア)で他校と戦ってますよ!
以下ネタバレ有り。
本編読了後、読んでね。
「花麻呂、咆哮摶撃」の古志加目線です。
* * *
花麻呂が賊と高速で切り結びはじめた。
花麻呂はさっきからずっと、一人で賊と戦っている。
(あたしも戦いたい。
でも、櫓の鐘は鳴らさないと。
夜番の衛士は、何かあったら鐘を鳴らすのが決まり。
大切な仕事。)
古志加は己を叱咤し、鐘をつく。
賊と剣を交わす花麻呂の背後に、別の賊が、そろり、と近づいた。
あっ! と思った時には、花麻呂は左太腿を深く斬られた。
花麻呂の鮮血が散る。
その鮮やかで黒に近い色に、古志加は青ざめた。悲鳴のかわりに、震える声で高く、
「花麻呂!!」
と叫んだ。
(大丈夫なの?! あたしを呼んで! 鐘を鳴らさなくて良いから加勢しろって言って! 花麻呂、死んじゃう!)
花麻呂はすぐさま背を二人からかばい、二人の賊と激しく切り合いを始めた。
「鳴らせ!!」
花麻呂は手を止めず、大声をだした。
腰から上が全部、喉になったみたいな大声は、いつも優しい花麻呂から聞いたことのない怖さと烈しさで、古志加は反射的に、びくっ、と肩を揺らした。
その声に逆らう事はできない。
花麻呂は鐘を鳴らす仕事を放棄させてくれない。
「うううっ。」
古志加も衛士だ。鐘を鳴らす仕事を全うする。
(死なないで、死なないで花麻呂……。)
嗚咽をもらし、ぼろぼろ泣きながら、古志加は鐘をガンガンガン! ガンガンガン! と鳴らし続けた。
* * *
「あらたまの恋 ぬばたまの夢 〜未玉之戀 烏玉乃夢〜」
第十二章 「火色の血」
第二話 花麻呂、咆哮摶撃
https://kakuyomu.jp/works/16817330650489219115/episodes/16817330653429058298