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北浦の強風

 北浦でレンタルボートを借り、ブラックバス釣りをしていたときのことです。
 またしても強風にやられました。

 釣り仲間のF君と私は、テキサスリグで葦打ちをし、バスを狙っていました。
 なかなか釣れませんでした。
 とあるワンドでようやく釣りました。
 そこはなかなかよい釣り場で、釣果を連発することができました。
 私たちは夢中になりました。

 ワンドは波が穏やかだったのですが、そこから出ると、ごうごうと強風が吹き荒れていました。
 波はものすごく高くなっていました。
「ヤバい。もう釣りどころじゃない」とF君はつぶやきました。

 私たちはレンタルボート店へ戻るべく、決死の航海をしました。
 波は大荒れ。ボートは激しく上下し、いまにも転覆しそうです。
 私たちはしぶきでびっしょりになりました。でもそんなことは気になりません。生きて帰れればそれだけでよかったのです。

 死にませんでした。死んでいたら、この文章を書くこともできません。
 私たちは命からがら、なんとか生還することができたのです。
 波風は怖いとわかっていながら、釣りに夢中になるとこんなことが起こってしまう。
 釣り人は本当にどうしようもない。私だけでしょうか? 

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