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ルナサガ「第六章:第14話 官僚の矜持と苦節(2)」更新しました!

ルナサガ最新話を更新いたしました。
なろう版に書いた「前書き」「後書き」を近況ノートに書いておきます。



《前書き》
第13話からの閑話ふたつが大蔵官僚ユーティミアの物語でした。
第14話はその親友、農務官僚フリッカの物語です。
序盤を除いて、地の文もフリッカ視点からを前提としたものとなっています。



第14話 官僚の矜持と苦節(2)
ルナティアーノ・サガ~異国の英雄が剣と魔術の国で「竜殺し」になるまで~/有馬美樹 - カクヨム https://kakuyomu.jp/works/1177354054896245637/episodes/16817330663247410652



《後書き》
塩硝《えんしょう》とは、江戸時代の加賀藩で製造されていた硝石を指す言葉。
シャルルの理解しているモノと、フリッカの理解しているモノをかみ合わせる過程を描く必要があったので、あえて異なる普通名詞を用いています。

硝石やアンモニアといった窒素化合物は、肥料の原料であり、火薬の原料でもあります。
ハーバー・ボッシュ法による工業的なアンモニアの大量生産は、窒素肥料の大量生産を可能としたと同時に、火薬の大量生産を可能としました。
当然ながら、ルナティアにそのような技術も発想はありません。しかし、魔術的な解析から元素自体は解明されていました。
大学に相当するアルス・マグナで学位を修めているフリッカは、農業の研究を行っていたこともあり、硝石が農業にとって有益な資源と知っていました。
爆発的な燃焼自体は、魔術で起こせます。ゆえに硝石をそのような目的で使う発想が、ルナティアの誰ひとりからも出てこなかったに過ぎないのです。

2件のコメント

  • 絵もとても良いですね(*'▽')

    硝石の量産、化学肥料と火薬の量産・普及は人類史でも大きな歩みでしたね。そんな内容に触れるっぽい内容は是非拝読したいと思います٩( ''ω'' )و

    ナポレオンの時代では、兵舎のおトイレの下の土(尿の染みた土)を大量に掘り起こし、煮詰めて純度を上げてやっとこさ硝石を精製してたらしいです。すごいなぁ……。

    化学肥料が普及するまで、畑の肥料はたい肥が一般的だったようで
    寄生虫がいて当たり前の状態だったらしく、それゆえに「生野菜は食べるな」という論が出回っていたけど、化学肥料のおかげで「新鮮な生野菜のサラダ」が一般にも一気に広まったらしいです。

    すごいぞ硝石(横からぶっこんで来てすみません)
  • 防衛太郎さん、コメントありがとうございます~!
    (仕事で余裕がなかったので、遅レスすみません)

    火薬作るの大変だったみたいですね。
    硝石丘法という方法もあったようですが、これが大変な悪臭を伴うモノだったらしく、現代でもそのまま再現しようとすると土壌や水質の汚染を伴うのだとか……

    空気から肥料を作る(そして、火薬も作られるのだが)ハーバー・ボッシュ法の発明が如何に偉大だったか、がわかりました。

    >すごいぞ硝石(横からぶっこんで来てすみません)
    すごいぞ硝石!
    生産地によって作り方も変わってて、加賀藩領の五箇山などでは養蚕の際に出る蚕の糞を培養して作っていたらしいです。なんてエコ!
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